Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

誰得のタイ国鉄インフラ情報

2022-07-29 23:05:00 | 交通
タイ国鉄の路線は北、東北、東、南の3グループに分かれ、メインの路線は本線と呼ばれることも。(北本線、東北本線など)
東北本線はナコンラチャシーマ(厳密には次のタノンチラ)でノンカイとウボンラチャタニーの両方向に分岐するが、路線名は分けていない。












(各線の果てる地)

複線区間は北本線のロッブリまでと東北本線のケンコーイ、南本線はナコンパトムまで。東本線はホアマークから貨物線経由でケンコーイ、また貨物線のレムチャバンまで。南本線はチュンポンまでの複線化工事中。




(複線化工事中。ホーム扛上も)

単線区間は通票閉塞か連鎖閉塞となっている。タブレットの通過授受も頻繁にある。というか停車列車でもタブレットの授受器がホーム半ばにあるため投げ落とし、キャッチアップとなる。(交換時には駅員からの受取)




(タブレット授器と授受シーン)

棒線駅でも閉塞区間を詰めるために閉塞が切ってあることが多い。非自動のため続行運転(特に通過待ち)の時は所要時間が増える。(退避駅に到着後、手前の駅で通票が出せるようになり、さらに追い越し列車が次の駅に着くまで通票が出せないので、通過列車が手前の駅から次の駅まで進む時間+αの停車時間が必要になる)








(懐かしい設備)


(ポイントは上部の表示が回転して進路などを示す工夫が。電照付き)

こうした前近代的な設備であるが、改善も進んでいる。
上記の南本線複線化のほか、東北本線のイサーンの高原に上る区間の勾配緩和と線形改良。長大トンネルで対応する模様。








(線形改良と高架化)

東北本線(ノンカイ方面)のナコンラチャシーマ-コンケン間や東本線のチャチュンサオ以東の一部区間、南本線の複線化工事区間ではホーム扛上を行い、ステップなしでの乗降に変更しようとしている。当該区間では1両に2ヶ所ある乗降口の片方が高いホーム専用になっていたり、手動式の蓋でステップを埋めている。






(扛上が進む。コンケンは高架化も)




(バンコク近郊ランシットも扛上)

東北本線の改良はラオス、中国へとつながる高速新線の整備との二重投資になる懸念も。在来線改良と高速新線の両方が建設中としか見えない区間もある。東北本線はこの工事の影響で複線が使えない区間も。(サラブリ付近)


(これは高速新線か)

バンコク都内ではファランポーン駅を閉鎖し、バンスー新駅に統合する計画だが、文化財であるファランポーン駅舎を解体するという噂やバンスー新駅止まりでは都心アクセスが不便ということで紛糾し、2021年11月の移行予定が延期になり、アセスメントのやり直しも進んでいないため未だ移転に至っていない。




(ファランポーンではお別れイベントも実施されたが)


(バンスー旧駅)


(バンスー新駅)

バンスー新駅からは国鉄によるレッドラインが2021年8月に開業。北本線ランシット、南本線タリンチャンまでの営業。国鉄初の電車。(国鉄運営という意味ではエアポートレイルリンクも電車)日中20分ヘッドでの運行と本数が大幅に増加。


(バンスー新駅のレッドライン)

北本線は在来線との複々線、南本線は在来線との併用。在来線ホームがある駅が限定されており、バンケーン、ラクシーの従前の特急停車駅も移行後は通過する予定。




(北本線側ライトレッドラインは複々線。地平駅は廃止予定)




(南本線側ダークレッドラインは複線で在来線も共用予定。在来線は廃止予定)

東本線からバンスー新駅はファランポーンとは逆に北向きに進むが、バンスー新駅へのアクセス路が未完成。


(このギャップを埋める気がないのはなぜ)

またレムチャバン港を抱える東本線からの貨物列車やマッカサン駅脇の工場への入出場があるため、夜間を中心に在来線に列車が走るとアナウンス。また移行ダイヤでも当初はファランポーンに入る列車の設定があった。上記の通りファランポーン側からバンスー新駅に入れないため、バンスー旧駅経由で南本線は旧線経由、北本線はバンスー駅北側の車庫との渡り線経由で新線に移行する計画だった。















誰得のタイ国鉄アコモ情報(3等食堂荷物編)

2022-07-29 23:04:32 | 交通
そして3等車、食堂車、荷物車。


非冷房3等座席。新型寝台特急、気動車特急以外に連結。客車は10系ベースが最も新しい。気動車はキハ47をベースにした日本製でドア横ロングのセミクロス。気動車急行の3等座席はこのタイプになる。




(10系ベース。ひじ掛け付きの急行仕様と6人掛けの詰め込みタイプ)


客車は10系ベースだが、南部ハジャイ管内では43系以前の客車をベースにしたものや、欧州から輸入した車両が主流。10系ベースは4人ボックスと4人+6人ボックスの2種類。薄いクッションがある。それ以外は木の椅子。中にはプラスチックの椅子にしたものも。ロングシート改造車もある。







(旧型の木製椅子。木のベンチそのものも。ロングシートもプラベンチのものも)


通勤列車用に豪州から電車を輸入して電装解除したものも。キハ47のような中央寄りの2扉を埋めて車端部にデッキを増設している。車内は転クロとロングだが、転クロの故障が目立ち、プラスチック椅子のボックスに再改造しつつある。



(当初転クロ、プラ椅子に再改造)


(木造椅子もプラ椅子に改造したものも)


気動車はこのほかキハ25をベースにしたものが東北本線のローカルに。片運転台でエンジン付きと無しのコンビ。(日本流で言えばキハ+キクハ)


(キハ。機械室部分とか窓無し区画とか)


(キクハ)


これとキハ47ベースの初期はクッション付きだが、キハ47ベースの後期はプラスチック椅子。これが急行(含ノンカイへの夜行急行)に充当される。

(ノンカイ急行使用時)


(メークロン線のプラ椅子車両)

なお窓は総て1段下降式だが、10系ベースの一部に1段上昇式がある。豪州からの輸入車も1段上昇式。


冷房3等座席。10系ベースの3等座席の改造車。車端部屋根に集中式冷房装置を持つがダクトは無く、天井に2列で設置された扇風機で冷気を撹拌するシステム。年末年始やソンクランの多客期に一部の快速や急行へ増結された実績がある。



(冷房3等座席。冷房効率維持のため入口も厳重)


食堂車。2019年6月で急行以下の連結中止。Covid19により2020年春のほとんどの運休を機に在来車での特急2往復も連結中止。夏頃には新型寝台列車からも連結中止となる。2022年現在新型寝台列車は食堂車(7号車)が欠番になっているが、それ以外も欠番だったものが2021年に欠番ではなくなった。


(新型特急車両の食堂車外観)


ただし12月から2月まで運行の「ひまわり臨時」には在来型の食堂車が連結されて、レンジで調理した弁当や飲料を販売し(厨房設備は撤去済み。ただしそれで新型寝台列車の食堂車と同じレベル)、食堂車内で飲食できるので、タイ国鉄唯一の食堂車営業列車と言える。




(2022年のひまわり臨時での様子)


急行以下および特急のうちチェンマイ行きの一部運転日を除き非冷房の在来車。営業運転に就いていたのは10系ベースの車両。チェンマイ行き特急には在来車の冷房食堂車(1等寝台車からの改造)が連結されることもあった。


荷物車など。 あまりにも雑多なので・・・ 
3等車との合造車もあるが、その場合の3等車は荷物代用。オールロングの3等車や内部をがらんどうにした食堂車も荷物代用として投入。元からの荷物車には受払の管理者が陣取る「帳場」や、職員の休憩用の簡易2段ベッドが据え付けられており、開口部の大きな荷物車は自動二輪など大きな荷物を中心に割り当てられている。






(荷物車あれこれ)




(急行荷物列車とサボ)


小荷物や手荷物の扱いも盛んで、南本線ではCovid19による旅客列車の運休をカバーするために急行荷物列車が設定され、好評だったのか特急などの運転が復活した現在でも運転されている。




(おまけ。サッタヒープ(バンプルタールアン駅構内)に眠るキハ28、58)




誰得のタイ国鉄アコモ情報(1等2等編)

2022-07-29 23:04:00 | 交通
ついでにタイ国鉄の現役車両のアコモも紹介してみましょう。まずは1等車、2等車から。


まず冷房1等寝台車。定期列車用としてはヒュンダイ製の在来型と、中車製の新型の2種類。新型寝台列車で運行される寝台特急4往復(チェンマイ、ノンカイ、ウボンラチャタニー、ハジャイ)と、在来車はチェンマイとスンガイコーロックへの特急2往復、ナコンシータマラート、トラン、ウボンラチャタニーへの夜行急行3往復に連結。(ウボン行きはオーマイクロン以降運休中)






(新型1等寝台(貸切利用時))

2人個室で枕木方向の2段ベッド。洗面台がある。180mlの飲料水が1部屋あたり2本サービス。ながく新型しか部屋貸切ができなかったが、2022年4月頃から在来型も貸切が可能になった。






(旧型1等寝台(2ん利用時))

JR西日本から購入した1人個室(オロネ25-300)は久しく運用がなく放置状態で荒廃している。


(荒れ放題のもとオロネ25-300)

冷房2等寝台。デウ、日本製の在来型と、中車製の新型に大別され、在来型は下段が1人幅のものと2人幅の物の2種類があるが、料金は「下段」として同じになっている。




(新型2等寝台。プルマンタイプ)

2人幅の車両は南本線の急行に専ら連結されており、逆に在来車での特急2往復には充当されない。新型寝台列車を除く快速から特急までの冷房2等寝台はこの在来車。




(下段が2人幅タイプの従来型2等寝台)

プルマンタイプの線路方向の2段ベッドの開放寝台。下段背摺り上部を跳ね上げて荷物置きにするとか、背摺りの裏に常夜灯と網ポケットがあるとかギミックは日本の開放式A寝台と一緒。ただし上段の覗き窓はない。






(下段が1人幅の在来型2等寝台)

JR西日本から購入したB寝台(15型、25型)は多客期に快速から特急まで幅広く増結に使われる。チェンマイへの臨時特急にほぼ全車JR車両で組成されることもある。「ひまわり臨時」など観光列車の冷房2等座席として昼間利用されることもある。




(昼間の冷房2等座席での使用時と夜行での使用時)

非冷房2等寝台。10系客車ベースでの日本製とそれをベースに国産化したもの。アコモは冷房2等寝台と一緒。日本では10系のプルマンタイプのA寝台は冷房車で登場しており、プルマンタイプの非冷房はタイオリジナル。






(非冷房2等寝台。窓を開けて眺める景色)

冷房2等座席。気動車特急はこのクラスのモノクラス運用。リクライニングシート付。ただし窓割りと座席が合っていない。
中央に仕切りがある。
料金には80バーツ相当の食事代が含まれ、電子レンジで加熱されたごはんとおかず、菓子と水が配布される。短距離利用は食事なしの特定運賃か、菓子のみのケースも。




(特急型気動車。軽食は食欲が湧かない代物)


(英国製スプリンター車両も)

気動車急行と気動車快速、メークロン線(東)の一部列車にも連結あり。ドア位置は普通車と同じだが片開き。ドアを向いた固定式一方向きリクライニングシート。中央に仕切りがあってそこで背反式になる。


(メークロン線での使用例)


(ノンカイ行き夜行急行で)

JR西日本から購入した12系客車は2020年秋に定期運用から撤退。それまでは南本線の急行2往復に連結。1+2の3列リクライニングシートと、車椅子利用用にリフトを備える。




(12系とは思えない内装に)

同じくJR西日本から購入した14系座席はCovid19までは定期列車への増結や観光列車への連結があったが、現在はごくまれに観光列車に連結されるのみ。


(原形をとどめる14系座席)

非冷房2等座席。客車列車のみ。12系改造の冷房2等座席が戦線離脱してしまい、10系ベースが最も新しいという状況。




(10系ベース。椅子の表装が変わったものも)

43系ベースのさらに古いものや、3等座席との合造車も少なくない。快速以上の客車列車に必ず連結。リクライニングシートは比較的大きく倒れるが、リクライニングすると窓間の柱が視線を遮る。




(木製の内装の旧型。合造車も多い)



覚えたての言葉を使いたがる幼稚なメディア

2022-07-29 21:47:00 | ノンジャンル
これも温暖化の影響と言われますが熱帯のような豪雨が最近日本でも日常化しています。
確かに東南アジアでスコールに遭っても既視感があるというか、逆に東南アジアの方がすぐ上がる、という感じです。

これをゲリラ雷雨、ゲリラ豪雨と呼ぶようになって久しいですが、そもそもこの名称、通常の雷雨ではなく雨雲レーダーで観測、予測できない急激な雷雲の発達によるまさにゲリラ的な発生によるものだったはずです。
ところが夏場の雷雨、豪雨を須らくゲリラ雷雨、ゲリラ豪雨と呼ぶような風潮が特に一部メディアを中心に目に余るわけで、「今日もゲリラ雷雨があるでしょう」と天気予報で言っているのを見ると、ちょっと変わった言葉を覚えたから使ってみたくなりました、というような無理を感じます。

まあこれ、台風などの煽り報道でお馴染みのCX系なんですが、冬場は「爆弾低気圧」もそうですね、「南岸低気圧」も。台風が発生したらナントカ台風の再来、とか、荒天になるとわざとらしいヘルメット姿で煽りまくる体質がそうさせるのか、ただの雷雨でも「ゲリラ雷雨」では、本当に不意うちのゲリラ雷雨の時にどう表現するのか。


直接見聞きするとやはり軽くない

2022-07-29 21:45:00 | 時事
Covid19の第七波はいきなり過去最多の更新とトップギアで入ってきましたが、今の感じだと早くもピークアウトする感もしてきました。ただ収束も急減なのか、高原状態がしばらく続くのか、累積人数となる「面積」が多いと医療への負荷はじめ影響が大きいわけで、これ以上は増えなくても問題は大きいです。

いきなりの急増で医療現場が混乱するということが毎度の如く繰り返されているのも問題とすべきですが、行政側からは泡を食ったような反応が見られます。おりしも対面で開催された知事会で、知事自らが「5類厨」になっているのはその典型。ニュースショーで人気の知事、改革屋の知事が叫んでいるのを見るとお里が知れるというか、何を考えているのかという事態です。

5類に看板を掛け替えてもCovid19と感染は何も変わらないわけで、唯一変わるのは医療現場というよりも防疫業務を行う保健所ですね。あと患者への支援を行う行政。だから行政から「5類厨」が続出する理由です。
Covid19の初期に検査をかたくなに拒んできた保健所、医療が大変なことになるからと検査を拒んできた保健所。検査しなければ患者は「存在しない」という「隠蔽厨」ですよ。本音は。

98%が軽症ですぅ、という改革屋も、その「軽症」がどのレベルなのかをきちんと説明できるのか。それと重症化、死亡は必ずタイムラグがあるのを悪用して初期に「重症化してないッ」と騒ぐ手合い。時間が経つと頬かむりですよね。
第五波や第六波の時に、医療関係者との認識の差として、一般人が重症と思うレベルが軽症から中等症1とされ、医療関係者が重症というのは助からないかもしれないというレベルだ、というのがありましたが、医療関係者が言うところの軽症を「98%」で使い、だから在宅療養で十分、としているのに、5類厨の手口だとCovid19かどうかは調べませんから自己責任で自然治癒するように頑張ってね、ということですからね。医療関係者の言うところの「軽症」です。

町医者で診察、治療が出来る、といっても、そこが感染者の巣になるわけです。ある意味究極の動線分離なんですが、それが出来なくなる。別件で医者に行ってCovid19をもらってくる、でも把握しないから「ひどい風邪」で終わる。それが5類厨の目指す社会です。

嫌な雰囲気としか言いようがないのが、第六波、第七波と、身内や同僚が感染するという話が当たり前のように聞こえてくること。感染しても大したことはない、というのであればまだしも、実際に感染者から話を聞くとそんなに甘くないわけです。無症状がほとんど、という毎度の矮小化も同じで、結構な発熱があったというのが大半で、家族が感染して(発熱で発覚)、検査したら陽性、で、しばらくしたら発症、という人が大半ですからね、

これくらいなら感染しても大したことがないから自由に行動する方がいいですよ、という人を見たことがないですしね。
逆に、感染による免疫が当面は続くはずなのに会食や会合は遠慮します、という人が結構いますよ。再度の感染は御免だ、家族にうつしても困る、という発想になってますね。

その意味では、どうしようもなく無防備な集団と、ものすごくナーバスな集団の二極化ですが、ネットでの5類厨、隠蔽厨はどうなんでしょうね。案外と自分は厳重に対策している、というある意味無責任なパターンのような気がします。
本帰国した特派員くんがこの点に驚いていたというか当惑しており、ワクチン打ってマスクして、手洗いうがいといった基本的対策をしていれば普通に行動できる、と思っていたら、なんかタイ以上に病的に対応している面があるだよね、と言ってましたね。そこまでナーバスにならなくても大丈夫、ということに拘って、何か本質的なところが抜けているから「世界一」になるんでしょうが。

まあワクチン接種、マスク着用に加え、折に触れてのATKで感染を確認していることで、一定の対策と把握が出来ていることで安全が担保されている社会と、よくわからないからナーバスな行動をして、でも防げない、という社会。無防備な集団の存在も多いですからね。タイではマスク大嫌いの欧米人や日本人の感染がやはり目立つわけで、特に一大日本人コミュニティのあるチョンブリ県シラチャでは日本人感染者がシラチャ郡や県全体の感染者数を押し上げていますから。