Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

「まん延防止」よりも「漫然防止」を

2021-04-06 22:21:00 | 時事
タイ・バンコクが「夜の街」クラスタで揺れていますが、矢継ぎ早の対応を見ていると、第一波の時もそうでしたが、この迅速かつ厚巻きな対応が明暗を分けるんだな、と思います。
日本人駐在員を含む外国人に多くの感染者が出ることは不可避でしょうが、おそらく限定的に収束に向かうのでしょう。何せ感染源となるこの手の店舗をクローズするのですから。

昨夏の日本が「夜の街」クラスタを潰しきれずに第三波につながって行ったことを思うと、これでタイが収束させればまた明暗となりますね。
まあ感染が不可避で時にはこのような事態も、という想定の下で緩急をつけているわけで、密になって大騒ぎをしている外国人の行動を前提に考えたら、環境自体を収束状態にしない限り解禁は無理、という判断でしょう。

一方で日本はどうなのか。一人なら大丈夫、とか規制を緩めてほしい、と声高に叫ぶ人が多いですが、「若者ばかり批判されるが高齢者の所業が酷い」といみじくも言うように、マナー、ルールが守れない人が現実に少なくないわけです。そんな状態で性善説で構築しても効果は無いわけです。それが1年以上を無駄にした格好の感染対策として顕れています。

「まん延防止等重点措置」がスタートした大阪で、朝のニュースショーで施行を前に慌てて対応に走る飲食店を映していましたが、結局これに尽きるわけです。マナーを守れば大丈夫、といっても客も店も守る気がないのですから。アクリル板の設置とか、もう何ヶ月も言われ続けてきた対策を今になってようやくやるという店が堂々とテレビに映っていることが、大阪の「垂直上昇のような」感染拡大の一因ですよ。

我慢が出来ない客、感染防止対応をしない店。それがうようよいる中で性善説で対応しても無駄もいいところです。ようやく始まった「見守り隊」にしても、今までやってなかったんかい、としか言いようがないわけで、中には「抜き打ちチェックはひどい」と、検査時だけやり過ごす気満々のコメントも見かけるわけで、「給付金バブル」に加え、対策逃れでこれまで来ていたということです。
そんな業界に配慮しまくってきた行政の罪は重いですよ、現地確認もろくにしてこなかったことでどれだけの税金を効果もないままに漫然と垂れ流したか。


「第三波」は軽率な日本人から

2021-04-06 22:18:00 | 時事
バンコクの日本人駐在員が多く居住するエリアでのクラスタ発生に関連して、PBS(タイ公共放送)が日本大使館員が問題となっている店を訪問していたと保健相が発表、と報じていました。
英文をそのまま読むと、「店を訪れていた日本大使館員10人中8人が感染」となり、これが本当だと由々しき事態どころじゃない話ですが、当該報道が「日本大使館員」を「日本人」に修正したことから「誤報」とする動きも出ています。

ただ訂正後の表現だと「店を訪れていた日本人10人中8人が感染」となり、大使館員ではないが集団で訪問したという不可解な状態で、何よりも日本大使館が音無しというのはどういうことか。誤報ならばきちんと否定するコメントを出さないと、これが事実として流通するというのに。
現地情報サイトでは大使館に対する批判的なコメント消しが行われているとか、「火消し」が疑われている感じだそうで、真偽が定かでない情報が飛び交っているようです。ですから大使の行動に関するタイムラインを公表すべきです。ある意味「キャバクラ」に行って感染した、というほうが分かりやすいですし、「安心」できますが、そうでなければ何時、何処で感染する機会があったのか。現地在留邦人にも疑心暗鬼を生むだけです。

そんな中で決定的な情報がパタヤ日本人会のサイトに出ていたわけで、総ての辻褄が合う内容です。
なおパタヤのあるチョンブリ県でも日本人を中心に感染者が増大していますが、大半がバンコクでの当該店舗関係だそうで、これは最悪の事態です。

そこでの情報によると、3月25日に日本大使公邸で大使主催の式典があり、その後「二次会」に流れたシラチャ(パタヤと同じチョンブリ県。工業団地を控えて日本人駐在員が多い)の日本人会関係者が当該店舗で感染したとのことです。
唐突に日本人が10人とまとまって来店して8人感染、というのも「二次会」なら納得ですし、保健相が日本大使館員、と発言したのも大使主催のパーティーの日本側関係者であれば誤認もやむなしでしょう。チョンブリ県で突出して感染拡大もシラチャ関係者が震源ですからこれも当然の結果です。
そして「一次会」の式典にはタイ側の要人も招待されていたわけで、閣僚からレセプションには出ていない、と相次いで表明が出たのもこういう背景だったようです。

そりゃ大使館が沈黙するはずです。「大使館員」でなくても仲良しの日本人会(の幹部でしょう)が大使公邸で「一次会」、そして「二次会」に流れて感染ですから、一大スキャンダルです。
大使館か誰かは分かりませんが記事を修正させたようですが、「日本人」とはあるが「日本大使館員」ということを否定していないので、10人が10人大使館員ではないから修正したんでしょう。そして大使館員が含まれている可能性は否定できません。大使の感染がこれと全く別口とは考えにくく、まずあり得るのは大使館員が「二次会」に参加してそれを感染させたというストーリー。いや、それどころか大使がその「10人」に入っていない保証はありません。

いきなりの「都心部」での感染拡大に当局も泡を喰ったようで、クラスタが発生した都内3区の「夜の街」に14日間閉鎖命令が出ました。またバンコク都と周辺4県は2月23日に解除されたレッドソーン指定に逆戻りで、都内総ての飲食店に21時までの時短営業とアルコールの提供禁止が課されました。この土曜日からソンクラン(タイ正月)の6連休に入る直前、休暇モードに大いに水を差す事態になっています。水かけ祭りは禁止されていましたが、飲食も、となると気分も大きく削がれますから。

昨年は第一波の影響で本来ならば5連休だったのがカレンダー通りになり祝日3日は平日になり、夜間外出禁止令に加え、ソンクランで集まることへの警戒感からスーパー、コンビニも含めて酒類販売禁止と散々だっただけに、水かけは禁止でもそれ以外はOKという2年ぶりのソンクランで、政府も特別休日で飛び石を埋めて6連休としているのに、直前になってバンコクは危険、店は閉鎖。アルコール提供禁止とまさかの事態になっており、それが日本人によるキャバクラでの「二次会」が発端となれば、正月モードに水を差す日本人の行跡、と批判の槍玉になりかねません。既にそういう動向も聞こえてきており、最悪の状況です。専門家は足元の流れを見て「第三波」と言い出していますが、タイの「第三波」が日本人起因、それも大使館関係となれば国際問題でしょう。そして在留邦人が肩身を狭くせざるを得なくなるわけで、在留邦人の安全にもかかわる話です。