Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

陛下と同じ振る舞いが問題

2019-11-12 22:45:00 | ノンジャンル
首相主催の「桜を観る会」が、予算規模の拡大への批判に始まり、出席者選定への疑惑まで噴出しています。後援会など「関係者」の出席は疑いのない事実ですが、主催者でありながら選定は知らない、というのは通りませんよね。選定基準が問題なのに答えない。いつもの首相のやり口です。

そして逃げ込もうとしているのが、「桜を観る会」は民主党政権でも実施していたからブーメランだ、という主張や、こんな些末なことで時間をつぶすなという主張。すでにシンパがあちこちで吹聴していますが、逆に主催者側の内情を知っている立民など野党は、「自分たちはこうだった」という事実を示せばいいのです。あるいは自分たちも後援会を優遇したという暴露でもいいでしょう、そういう風習だったというのを明るみに出せば、これまでなかなか得られなかった国民の支持を得られるでしょうね。そしてスルー推奨はよほど触れれたくない話ということを自白しているようなものでしょう。

そもそも「桜を観る会」自体が必要なのか。
戦前の外交を志向した観桜会を、主権在民の世の中だからと首相主催にした経緯はありますが、園遊会が復活し、内外の功労者を招待するという場はそちらになっています。

類似の行事を天皇陛下と首相の主催でそれぞれ行うことに何も感じないのか。
一般的に君主と同じ、あるいはそれを凌ぐイベントを開くことは、その主催者が自身の権威は君主を凌ぐことを世に示す目的や効果があるわけで、それを主催したのは二重権力状態か、のちに簒奪者になるかのどちらかというのが歴史が示しています。

日本では皇室がずっと統べて来た伝統があるから気が付きにくいですが、摂関政治や秀吉にその傾向が若干みられる程度ですが、中国であればそういう挙に出る存在は「皇帝一歩手前」であり、やがて瑞兆が見られたというようなごますりが始まり、禅譲に至るのが通例です。

そんな大それた発想ではないでしょうが、それくらい不遜な行動なんですよ。




フェリーが招いた国民負担を思えば

2019-11-12 22:42:00 | 交通
宇高航路の最後の1社となった四国急行フェリーが休止を発表しました。
国鉄のほか、航送専門を含めて3社の競演だった最盛期はひっきりなしに行き交っていたのが、今やわずか5往復になっていましたが、遂に終焉です。

船会社は瀬戸大橋の割引拡充が航路存続に不可欠な利用を確保できなくしたと理由づけており、さっそく道路偏重ガー、という頭の悪い意見が湧いていますが、そもそも架橋されれば航路は廃止、というのが原則ですが、本四架橋の場合は廃業する船会社には補償金を出す反面、航路存続を認めたため、償却費負担が全然違う船会社との競合で当時の本四公団と本四道路の利用は伸びず、結果として元利合わせて1兆3000億円が国民負担になったという経緯を忘れてはいけません。

宇高航路の「利便性」とやらは、間接的に人口比で負担するに過ぎない1兆3000億円をベースに確保されているわけで、瀬戸大橋経由に集約することで、全額負担は無理でしょうが利用者負担で償却して回避できた国民負担を考えたら、遅きに失した感もあります。

現在でも生活航路名目で港湾使用料の免除などの公費支出がありますが、瀬戸大橋で代替できない利用は一体どの程度なのか。時間はかかるが直島経由ではダメなのか。自転車や小型二輪は同じ問題が起きた明石海峡でも搭載可能な高速艇を導入したように、やり方次第です。

ちなみに所要時間では宇高航路とJR(茶屋町経由)に実質の差はなく(ダイヤが拙く茶屋町で長時間待ちが発生する)、直島経由でも高速艇利用なら早く、フェリー利用でも実質10分程度の差ですから、JRや直島航路にダイヤの修正を促し、受益者である玉野市と高松市が利用者に補助を出すといった手法のほうが費用対効果は高いです。

瀬戸大橋経由では輸送できない貨物がある、という懸念の声をメディアは報じていましたが、そこまで配慮すべき話なのか。当該企業にとっては死活問題ではありますが、じゃあそこまで公共に配慮を求め得るかという話です。専用船を確保する、あるいは内航貨物船を都度チャーターし、そこへ補償金的な投入を行うというのが落としどころでしょう。架橋によって輸送できなくなるジャンルが発生するのであれば。