Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

上げ底のコスト談義

2019-11-10 01:53:00 | 交通
夜行需要は確実に存在する、アコモが旧態依然だったせいだ、と夜行列車、とりわけ寝台列車の安楽死を批判すると、毎度の理由を持ち出すのがお約束になっていますが、こんどはなんですか?シャワールームが必要でそうであればコストがかさむという新手の理論が出てきました。

原価計算もろくに理解していないコスト配賦で「採算が取れない、ドヤッ」というのはもはや様式美ですが、コスト積み上げに余念がないようで、こんどはシャワールームの設備投資とそれに伴う寝台(個室)数の減少という「行って来い」の計算を持ち出してきました。

今時の寝台車はハネでもシャワーがいる、じゃないと「走るホテル」じゃない、ビジネスに使えない、というもっともらしい理由ですが、じゃあ今現在「夜行」がビジネスで使われているシーンを全くご存じない、ということがよくわかります。

そう、国際線航空機にシャワーなんてありますか?という話です。ごく一部のエアラインのA380のファーストクラスの上位クラスにあるくらいで、あとはラウンジのシャワールームを使うしかありません。欧米線だと定価で100万円超のビジネスクラスはもちろん、200万円超のファーストクラスでもです。(往復運賃。なお「片道」は基本発券しないので往復の7~8鰍ッと大して変わらないことが多い)

ラウンジのシャワールームもだって成田や羽田はホテル並みの内容としっかりしていますが、それは基本搭乗前で、アライバルで使えるかというと、上級会員では不可、日系のC席以上のみ(成田)とか、専用の設備はなく共用を無料で提供(羽田)とか、事実上使えない状態で(時間もないですし)、そのまま出社してますよね。海外のラウンジはシャワーはあっても推して知るべしですし。

どうしても、という時にはホテルを取りますが(特に現地早朝着でそのまま当夜の宿泊がある場合)、だったら夜行列車でも同じ話ですし、地上側に設備を置くことは車内に置くよりもコストは安いですし、一般利用を受けることで回収も容易になります。

まあ夜行列車、寝台列車を否定したいから、と持ち出してかえって何も知らない、ということを露呈した格好ですね。




書類送検もしなかった理由は

2019-11-10 01:30:00 | 時事
池袋の交通死亡事故で、ようやく加害者が書類送検される見通しと報じられました。
この事件は「上級国民」というパワーワードが生まれましたが、その一方でこの事件だけ厳罰を求めるのはおかしいとか、よくある被害者、遺族が一種の悲劇の「ヒーロー」「ヒロイン」になると必ず出てくる「アンチ」の変形が湧いて出てきています。

逮捕するとは限らない、といいますが、誰がどう見てもこの加害者がひき殺したわけで、それでも逮捕されないというのは本人が負傷して入院していたということを考えても「異例」であることは否定できません。
一般的に加害者は少々の負傷をしていても現行犯逮捕されるのが常であることを考えると、一般的に受ける「処分」「処遇」を回避している時点で「優遇」と取られることは不可避であり、加害者の経歴が合わさって「上級国民」と言われるようになったことは否定できませんし、過去のあらゆる先例と比較しての合理的理由が見つけられないのも事実です。

事件後に神戸市で起きた神戸市バスの死亡事故では運転手は現行犯逮捕され、既に公判が行われ控訴しなかったことで刑が確定しています。
それとの比較でも「異例」いや「異常」なわけで、特別な調査や判定に苦しむような事象が存在するとも思えません。実際、自分の過失を棚に上げて「ブレーキが利かなかった」という主張は加害者側の定番ですが、現行犯逮捕して公判を維持できるのが通常であることを考えると、「23日ルール」ガーというのは言い訳に過ぎません。

何でもかんでも逮捕がいいかという話は置いておいて、扱いが明らかに異なるというのは、「法の下の平等」という原理原則に抵触しますよね。だから「上級国民」と言われるのです。

で、逮捕しないで書類送検ですが、これもおかしな話です。
書類送検の場合は逮捕時のような「23日ルール」はありません。逮捕しない理由を縷々忖度している「アンチ」は、だったら「さっさと」書類送検して起訴の準備をすればいい、というべきところ、そうはいっていませんよね。で、「23日ルール」もないのにここまで引っ張ったわけです。どうしても23日で起訴まで持っていけないのなら、書類送検すればいいのにそれもしなかった。推定無罪とは言いますが、形式上全くのフリーだったわけです。一般的には現行犯逮捕であり、時間的制約があれば書類送検すべきなのに、何もしていなかった。明らかにおかしな対応をしてきた理由を司法当局は国民に対して詳説すべきです。

現状ははっきりいって司法への不信しかありません。



出来ない理由を並べても糊塗できない

2019-11-10 01:09:00 | 交通
なんか、北陸新幹線水没のリスク管理問題を必死に擁護しているのが痛いですね。
1967年の鳥飼での故事は否定できないからって、あれは昔の話で今は不可能とか、挙句の果てには徹夜作業で翌日平常勤務だから安全衛生上問題とか、よくもまあ「できない理由」を並び立てられるもんですね。社会人ならそんな「ヒョーロンカ」は無用の存在ですから。

鳥飼のケースは、国鉄が対策の盲点だったことを認め、その後は訓練メニューに入れているわけですから、であれば台風などの異常事態におけるリスク回避行動として、その後の復帰まで含めて「問題なくできる」ように制度化しているはずでしょう。
さらに言えば、長野はみすみす水没を許したのに、那須塩原は退避させた。これもリスクを認識していたのに同じ社内で共有化できていなかった。リスク管理という意味では何やってんの?という事態です。

そもそも計画運休で本線上に列車はいない、翌日も安全が確認できるまで動かさない、としている中での話です。運転士の人繰りもそこまでカツカツじゃないでしょ。翌朝始発から、というんじゃないんですから。
再調達価格で300億強、逸失利益その他を入れたら幾らになるか、という損害が発生するわけで、よしんば翌日運転できる状態で運転医師が遅れてもそこまでの損失にはなりません。というか、数百億の損害発生リスクがあるというリスク分析が社内で出来ていなかったのか。それが大きな問題です。