Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

社会のリスクマネジメント

2018-09-09 23:20:00 | 震災・災害
災害になるとつきものなのがデマですが、ネットの普及に加え、SNSなどのツールが一瞬にして情報を伝播拡散するようになって、デマも簡単に広まるようです。一方でデマの打ち消しも同様に一瞬にして回るのですが、一度出回るとなかなか完全に打ち消せません。

こうしたデマで一番厄介なのが善意で広まるもの。本人は誤解、誤認と気づかずに必死になって拡散するから余計にタチが悪いんですが、根底に善意があり、表面上善意に満ち溢れているだけに、周囲も冷静に判断することなく拡散してしまうようです。

一方でこれは積極的に潰さないといけないのが、為にする意図を持ったデマでしょう。
愉快犯的な「ほら吹き」も厄介ですが、政治的ャWションなどがまずありきでデマを流布するケースが多く、今回も政治団体、政党方面からデマ一歩手前の案件が出ているようです。

こうしたデマが一番問題で、事実の確認よりもお気に入りの政党、政治家の言だからと拡散する向きが少なくなく、それが定着してしまったのがいわゆる「風評被害」になるわけです。
特に普段は政治色もないサイトやアカウントがこうした「デマ」を取り扱ってしまう、拡散してしまうというのは、逆に政治色がなかった、為にする意図が見えなかっただけに、信じられてしまいやすく、デマが広がる原因の一つとなります。あるいは為にする意図で拡散している悪意すら感じるケースもあるわけで、それはもはや論外でしょう。

災害関係は多くの人にとって「専門外」ですが、事実の列挙にとどまらず、「ボクはこう思う」が混ざった格好で広まる(広める)ケースが多いです。専門家や判っている人が見たら誤りが一目瞭然でも、いちいち専門家が虱潰しに否定して回ることは不可能ですから、こうしたデマの流布を防げません。

メディアもそうしたデマのお先棒を担ぐかのように報道していることが少なくないわけですが、今広まっているデマは嘘ですよ、とせっかく広域に伝達する手段を持っているのですから、報道を通じて打ち消してほしいものです。東日本大震災の時に東京湾岸の製油所火災でデマが大きく広まりましたが、あの時は政府もメディアも積極的に打ち消したものの、足下はお寒い限りです。

さすがにこうした批判が多くなったことから、「こういわれていますが実は」とデマを否定する報道も増えてきましたがまだまだです。
とはいえリスクを云々する一方でマッチャ塔vのように煽るのがメディアのお約束ですから道はまだ遠いものの、災害に限らずデマというのは明らかに社会にとってのリスクですから、デマやそうとまではいかなくとも為にする意図を持った「粗悪品」の発信や拡散を積極的に排除すること、また不注意な再拡散を慎むことでリスクの芽を摘むことが、社会のリスクマネジメントとしてのお作法でしょう。





「泊隠し」の議論に何の意味が

2018-09-09 22:41:00 | 震災・災害
北海道の震度7には驚きました。北海道では6強すらなかったと言われていますが、まあ旧基準での震度6は1952年の十勝沖地震や1982年の浦河沖地震があり、6強、あるいは今の7相当の地震はなかったとは言い切れません。しかし今回は厚真町の山崩れなど、旧基準での7における被害状況の目安がそのまま出ており、観測地点も気象庁設置ですから鰍ッ値なしの7でしょう。

まあ大きな気象災害が夏場に集中、連続しましたが、大阪北部地震と台風21号で大被害を受けた関西、特に大阪は、地震直後に西日本豪雨、台風直後に胆振東部地震と、単発であれば語り継がれてもおかしくない災害がすっかり影薄くなっています。

さて、NHKが緊急特集と称して北海道胆振東部地震の特集をしていましたが、ブラックアウトの原因で、苫東厚真のダウンと周波数異常の説明はしながら、道内電源の配置模型で、泊原発のところに謎の「黒い建物」を置いて、言及を一切していない段階で何の価値もない特集に成り下がっています。

苫東厚真への過度の依存もなにも、泊があれば「両巨頭」であり、日本海側の泊、太平洋側の苫東厚真があれば、リスクは分散されているわけで、泊が再稼働できないから、苫東厚真の一本足打法を余儀なくされているに過ぎません。
苫東厚真のトリップが各地の電源におけるリスクを、と東電の富津など東京湾ガー、と津波リスクを挙げてましたが、火発のように日常的に原燃料を輸入する必要がある電源は太平洋側に集中していますが、原発はそうじゃないですよね。東電だと太平洋側だけど離れている福島に、日本海側の柏崎刈羽、関電も若狭湾に原発があり、ロケーションの分散が図られています。原発の安全性の棚卸は必要ですが、国による不必要な再稼働阻止が電源の集中というリスクを高めています。

苫東厚真以外のラインナップは、日本で2つしかない老朽化した内陸火発(奈井江、砂川)など戦力というには心もとない電源を含み、かつフル稼働となる冬季を控えて定検の真っ最中という電源もあるわけで、全発電所フル稼働で達成できる数字をとらえて、泊がなくても電気は足りる、と吹聴している向きは、よほどわかっていないというよりも為にするデマゴーグに過ぎません。