Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

「迷惑行事」を誰が承認したのか

2018-08-07 22:08:00 | 時事
首相が東京五輪に向けたサマータイム導入を支持しましたが、時限的な導入と言いながら導入派は実施を実績に恒久化を図るでしょう。

そもそも朝三暮四の施策にすぎないわけで、1日は24時間しかありません。2時間朝が繰り上がって、夜は現状通りで26時間になるのであればまだしも、2時間早く起きて2時間早く寝る。ただそれだけです。

「働き方改革」とやらで朝方シフトが進む中での導入は、過去の導入談義の時と状況が異なっているわけですが、唯一のメリットは、五輪競技の開催時間を「繰り上げ」ても社会インフラが追随しないであろうことは「働き方改革」の浸透でも早朝時間帯の増発をやらないに等しい交通事業者の対応を見れば容易に想像がつくわけで、表示時間ごとずらせば交通事業者も動かさざるを得ないことくらいでしょう。

デメリットはまさに「働き方改革」であり、以前に比べて出社時刻が1時間から2時間繰り上がっている状態でサマータイムを導入したらどうなるか。
朝の7時、8時に早出している人は、2時間のサマータイム導入で「実際の時刻」でいえば5時、6時に出社するのと同じことになるわけで、体内時計はどうなるか。安全衛生、健康面から見ても問題でしょう。

早出シフトになっている現状では、まだ明るいから、と残業に精を出すことは以前ほどはないでしょうが、サマータイム導入派の謳い文句である、夕方まだ明るいうちに自分の時間が持てる、というのが実現すれば、ビジネスアワーが伸びる人も確実にいるわけで、結局労働強化の可能性が払拭できません。

だいたい日没が21時頃、西日本だと22時を回っても薄明るい状況になりますが、さらに昨今の猛暑日続きのなかでは0時を回っても30度を切らない環境になりますから、部屋で寝ていて熱中症というリスクも増えますね。
あるいは夏冬切り替えの前後は日の出が8時頃、西日本だと9時になっても薄暗いわけです。

この部分、まだ暑い中夕飯時になる、あるいは夜明け前から活動する、ということは、企業や商業施設などが負担していた冷暖房にかかるコストを家計に付け替える効果もあるわけで、散々な話です。

まあ「プレミアムフライデー」の大コケに何を学んだのか。それでも1日24時間の配分を変えて労働時間から自由時間へのシフトを図った「プレミアムフライデー」のほうがまだマシであり、単に1~2時間シフトするだけのサマータイムはまさに朝三暮四であり、国民をサル並みに見ているのでしょうか。

それにしても政府とメディアがタッグを組んで盛り上げようとしている東京五輪、スメ[ツ業界と政治家のお遊びの分際で国民生活を歪めるとは言語道断です。
そもそも誰が招致に賛成したのか。民主主義国家でありながら、その是非を国民に問うことなくなし崩し的に進行しているうえに、コスト負担は青天井、さらに生活環境まで大きく変えられるとは、まさにだまし討ちです。

猛暑の問題にしても、8月開催が大前提なのに「この時期は晴れる日が多く、かつ温暖で、アスリートに理想的な気候」と現実を全く見ていない大ウソのプレゼンをしていたわけです。コンペで提示した条件をどんどん後出しで変える騙くらかしも目に余るわけで、内外に迷惑をかける五輪開催をどうしてもやらないといけないのか。迷惑行事であれば当然国民にその是非を問うべきであり、それをしないのであれば国民に負荷をかけないのが当然の対応です。

「宴の後」の問題もあるわけですが、政府批判に勤しむ左派系メディアも五輪報道は稼ぎ時とあってか無批判で「報道しない自由」を連発しています。そのツケは結局国民にくるのです。返上すべきと考えますが、さすがに残り2年での返上は戦後では例がなく(インスブルックで代替開催された1976年デンバー冬季五輪は3年半前の段階で返上)、本当に高くつく「国際運動会」です。
※1940年の東京夏季五輪、札幌冬季五輪はそれぞれ2年、1年半前の段階で日中戦争勃発の影響で返上しているが、外圧や軍部の主張もあっての話であり、時代も違うので参考にならないでしょう。


代行情報をなぜ出さない

2018-08-07 21:56:00 | 交通
広島支社管内の代行バス情報は岡山支社に比較すると格段の情報力の無さが目立ちます。呉線ですら所要時間が読めない影響はあるとはいえ始発駅の出発予定時刻と終着駅の到着予定時刻を記載するのみ。券i北)線や福塩線は「始発駅の発車時刻に合わせて運行します」とあるのみで、途中の主要駅は何時なのか、終着は何時なのかも書いていません。

券i北)線は「備後落合駅~三次駅までご利用の場合、庄原駅でバスの接続をいたしますが、道路事情などにより、遅れる場合があります。」とあるわけで、庄原での代行バス乗り換えが窺えますが、接続保証を指定ないように読めるわけで、安心して利用できません。先日は三次方面から来たであろうヲタ?が新見行きに乗り継ぎましたから、接続はできたのでしょうが。

同じ状況なのが福塩(北)線で、まず上下℃O次で代行バスが運転を開始しましたが、8月6日から開始された府中¥繪コの区間とあわせて「始発駅の発車時刻に合わせて運行します」ですから、上下で接続するのかも不明です。府中市のサイトによると上下℃O次は終着も鉄道と同じ時刻なので基本は上下で接続すると考えられますが、接続を保証するかは謎です。

これらの線区とは利用者数も段違いのはずの呉(東)線の代行バスが8月11日から始まりますが、運行情報はいまだ出ていません。沿線の呉市、東広島市、柱エ市、三原市のサイトにも情報がなく、山間部のように電車とバスの時刻が一緒というわけもないわけで(圏zの三原£原線は須波ハイツへの立ち寄りを控除してもなお遅い)、電車との違いが必ず発生するはずなんですが。

8月21日からの三原#虫s間代行バスも情報なし。r33の決壊が継続中なので、本郷→河内→入野→白市の順で回れないので、迂回運行や系統分割が必至なんですが、全く情報がありません。

広島口で大被害を受けててんてこ舞いなのは分かりますが、それにしてもちょっと酷すぎませんか。代行バスの利用者のメインはそれこそ被災者なんですが、「お互い様」の域を超えていますよ。今回の災害でそれぞれのプレイヤーがどのような行動をしたのか。復旧から復興のモードに入りつつあるなかで、みんなが評価をし始めるころなんですが。

情報という意味では新幹線による「代替輸送」も、駅掲出の張り紙では7月6日以前購入の提起の継続購入分も対象と明記されましたが、サイトでは出ていません。


(代替輸送の案内)


(継続購入も対象の文字がいつの間にか追加)

駅に行けばわかるというのも不親切であり、ここまでスマホが普及すれば通勤、通学定期を購入する層でネットへのアクセスが出来ない人はいないわけで、情報提供のやり方という意味では非常に問題です。




絶望的な利用実態

2018-08-07 21:39:00 | 交通
なぜか掲示板の方に詳細を書いたのですが、岡山支社管内の代行バスを見てきました。広島支社と違い時刻の掲示も適切で、拠点駅での案内、乗車券類の確認もしっかりしています。ヲタが地元利用の妨げに、と引き籠りのヲタ叩きが騒ぎそうですが、ヲタすら寄り付かないという厳しい現実に直面したわけで、定員4人のタクシーでなお空気輸送という横田以南の木次線とか、三江線三次口のタクシー代行ですらワゴン車だった事を考えると、絶望的な状況です。


(まさかのマジモンのタクシー代行)

券・笊P新線の三次£テ山の区間は何回か乗っていますし、クルマで走ったこともあるエリアですが、新見を挟む岡山県内が少ないなりにも利用があるのに対し、広島県側は極めて厳しい状況です。塩町以東は庄原、西城以外は1桁の乗客数であり、落合、東城もようやく10人に届いている状況。

県境を越えて野馳から先が坂根を除き2桁キープというのに比べると対照的ですが、平成の大合併で広大な庄原市の隅っこになったエリアと、合併はしたもののそこまで規模が大きくない新見市の違いでしょうか。まあ哲西(野馳、八神)は新見に出るのに券・ナ特に問題はないのに対し、東城から庄原は券・ェ大迂回するので高速バスでしょう。


(帰りはここで3人乗車した野馳駅)

備後落合付近は実は中央分水界で、小奴可%ケ後山間に分水界があります。券・ヘ落合に向けての高低差を大きく回り込んで克服していますが、R314は直滑降で短絡するため、道後山#纓詩№フ所要時間は代行バスが嘘のように短いです。
小奴可から東城の間もR314は谷を跨ぎ山を貫く新道になっており、さらに東城¥ッ原を短絡する中国道と、鉄道の存在意義はまったくありません。


(東城の主役は高速バス。2006年8月撮影)

ところで今回の利用で気になったのが代行バスの停留所。駅前に入れるスパースがない、道路が狭い、という状況が多く、駅構内に元々掲出されている代行輸送時のバス乗り場の案内は幹線道路上にあります、とされていますが、今回の代行バスは物理的に無理なケースを除き駅前に入っていきました。


(小奴可にて。時間調整中に許可を得て撮影)

受託した貸切会社の乗務員もどこが正しい停留所なのか悩んでおり、JR西日本から各社への委託時の「仕様書」はどうなっているのか。
あるいは無理やり駅前に入ると委託駅員が乗客を案内したり乗客がいない雌`えており、駅構内に入るのが正解というケースもあるわけです。

まあ1日平均1人未満というような道後山の場合、駅舎には代行バスがR314上の庄原市民バスの停留所に発着するように書いていますが、今回は山道を分け入り駅前に付けており、それはそれで「ファンサービス」の面もあるのですが、じゃあR314で待っている人がいたらきちんと捕捉できたのか、気になるところです。


(道後山駅の掲示。本来の代行バス停はR314上)




「地域」をダシにした責任逃れでは

2018-08-07 21:38:00 | 交通
JR北海道の路線存続問題で社会派諸氏は相変わらず自治体disをして悦に入ってるようですが、なぜ自治体が金を出そうとしないのか、無理解だと思っていたらおめでたい話です。

要は国鉄分割民営化の基本の基ですよ、こだわりの原点は。地域分社して北海道がやっていけるはずもない。経営努力でどうなるというレベルではない。内部補填の原資となる新幹線も通勤路線も本州側に切り離された。

そこで基金を積んで運用益で収益を確保し、JRとして維持する路線の経営を成り立つようにした。はずなのに運用益が「異次元緩和」で無に等しくなり、運用益見合いの資金が雲消霧散したわけです。じゃあ路線を廃止します、で話が通ると思うのでしょうか。あるいはこの状態で経営が成り立つのであれば、基金なんかいらないわけです。

残すべき路線を運営して経営が成立するレベルまで運用益で補填する。この根本がなければ北海道で鉄道事業なんて到底できません。ここが保障されていないのであれば、分割、特に三島会社が持続可能な企業として存在しえません。JR九州はかろうじて上場しましたが、経営資源を交通事業以外に投下してのリターンで下駄を履いていますし、その下駄(不動産)は政令市や中核市が複数あり、人口も多い九州だから履ける下駄であり、北海道で同じスキームは無理です。

少なくとも旅客鉄道6社で「残すべき路線」について共通の基準を維持し、その見直しを行うことで廃線が発生することはあっても、各社の経営状況に従っての路線廃止はあっていいのか。それが明らかであれば、誰も「分割」に賛成の手を上げるわけがないのです。

運用益が確保できずに「残すべき路線」の維持もできない、というのは、スキームに対する国の責任の問題であり、国が必要な資金を補填しないと筋が通りません。
自治体が国の問題と頑ななのは国の「責任逃れ」の追求ですが、アカデミズムや社会派諸氏が地元の責任を声高に唱えるのは国の責任に対する目くらましです。
まず基本スキームに対する責任を国が果たした段階で、「残すべき路線」について検討し、そこで地元が維持コストという「エキストラ」を支出する。地元の関与や支出はそういう順序になります。

億円単位の話が行き交うのに麻痺しているかもしれませんが。国は億円単位でもはした金かもしれませんが、経済規模が小さい北海道の自治体にとっては社会派諸氏がさも自治体がけちくさいように言い放っているその金額の捻出にどれだけの問題が生じるのかが見えていません。

さらに言えば、地域交通に対する地元の主体的関与は確かに大切ですが、資金負担における関与は、整備、運営、維持のコストは自治体丸抱えなのか、分担比率は負担能力と照らして適正なのか。地域主体で、という聞こえの良い主張も、資金の問題が絡むと途端に生臭くなるわけで、国がいかに自己負担(補助金)を減らすか、という本音を隠しきれない中、美名に隠れた責任転嫁のきらいも無きにしも非ずであり、お先棒を担いでいると言ったら言い過ぎでしょうか。実際、アカデミズムと中央官庁が「地域交通ガー」と「布教」して、社会派諸氏がやんややんやと拡散しているように見えるのですが。そして勢い余って自治体disに走る、そういう構図でしょう。