Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

「人倫」を問うその実は

2018-01-20 13:28:00 | ノンジャンル
小室哲哉の不倫騒動は、お決まりのパターンで無い展開になっています。
まあ妻の介護というテーマが根底にある中で、「不倫相手」もその介護の空間にいるメンバーだったわけで、一筋縄ではいきません。それこそ「成功者」である彼だからそのストレスを「不倫」に持ち込む程度で済んだのかもしれませんが、市井の住民の場合は、経済的問題も必然的に重なるわけで、メンヘルで済めば御の字、自殺や無理心中といった悲劇的な結果になることの方が多いのですから、「不倫」で済んだこのケースをテーマに、ことの「真相」を社会で共有して問題解決に向かう契機にしたいものです。

そういった「事情」を考えないで、「大物の不倫」として騒げばニュースになって銭になる、と考えたメディアが叩かれていますが、ここにも問題があるわけで、単に当該メディアを叩けば済む話ではありません。
メディアにしても、叩きやすい人は叩く反面、持ちつ持たれつの券\関係者であれば「だんまり」を決め込むわけです。

その典型が関西落語界の大御所を巡る不倫で、「第一弾」として発覚した演歌歌手は券\界を事実上追放されて闇に消えましたし、その「不倫」と二股だったとしかいえない「第二弾」も追及の手が甘いというか無視同然です。まあ大阪メディアの典型的な「強きを助け、弱きを挫く」の姿勢そのものですが、「ゲス」のように地盤も何もない相手だと容赦なく叩く、そんな姿勢が見透かされています。

一方でそういう報道を愉しむ視聴者の方に問題があるわけです。
「不倫」」に眉を顰めて正義感を振り回しているわけですが、要は「人倫に悖る」という意味ですよね、「不倫」とは。
男女関係においては特定のパートナーだけに限定して忠誠義務を負うべし、という前提であって初めて「不倫」を批判できますが、そこまでストイックなんでしょうか。だったら、男女ともに適用するという前提で、「姦通罪」を復活させるべき、とでもいうべきでしょう。

あるいは「男女の仲」がどうのというのであれば、いまや死語になった「婚前交渉」とか、「不純異性交遊」といった概念も復活させればどうでしょうか。婚姻関係にないのに「男女の仲」はよろしくない、という前提で「不倫」を見ているわけですから。

そこまで突き詰めると全力で否定するわけですし、叩けば埃も出てくるでしょう。
要は「不倫」という「人倫」を云々する言葉で批判していながら、その実は興味本位に過ぎず、自分は例外と言わんばかりに楽しんでいる、そういう視聴者が支えているわけです。

どんなにコンプライアンスの問題が出てきても本場所の開催を願う相撲ファンと共通するものあがる、というより、それが人間の「業」と言ってしまうと身も蓋もないですが...





称賛の影で逃げ切る不備

2018-01-20 13:00:00 | 交通
新潟県内の信越線の雪害閉じ込めでも見られた光景ですが、事故当事者の事業者(事業体、自治体)を批判すると、事業者は全力を尽くしたのに何を言うか、「マスゴミ」が叩きたいだけ、と批判する人がわらわらと出てきています。

現場の努力は否定しませんし、称賛に値する行動も数多いのですが、それによってあらゆる批判が覆い隠されてしまうわけです。
そもそも現場での「対応」と、事業者としての判断、準備といった「体制」が意図的に混同され、現場の努力を盾に、事業者として本来あるべき体制の不備を隠蔽とまではいいませんが、触れることを許さない空気が往々にして醸成されるのが気になります。

2016年11月の福岡市での道路陥没事故、博多駅前の繁華街での事故は戦慄すべき内容でしたが、埋め戻して復旧までの対応に「さすが日本の底力」と称賛の声ばかりがネットであふれ、「陣頭指揮」した市長への称賛も惜しみませんでしたが、実態は陥没事故が過去にもあり予見性というよりもかなり重い注意義務があったわけで、にもかかわらず市側が頑なに第三者委員の報告に対立してまで責任を否定して幕引き、という、称賛どころの話じゃない状態だったわけです。

そういう「真相」は往々にして忘れられたころに小出しで出てくるわけで、事故当初の批判があふれる時期に火消しに走れば逃げ切りが図れるわけです。そしてそういう軌道に沿った「世論」がなぜ醸成されるのか。そこに意図的なものはないのか。それこそ「よくやった!」はお涙頂戴のメディアに任せればいい話であり、原因究明、再発防止を考えたら、無意味に近い称賛は為にする意図すら感じます。

今回の雪害事故にしても、一人黙々と除雪していたとか、厳しい環境での現場の対応が持ち上げられていますが、時間が経てば経つほど「体制」の不備を疑う話が続出しているわけです。無人駅に下ろしてどうする、という話にしても、現場を知っている地元自治体がバスの手配を申し出ていたわけで、1台では捌けないにしても、優先順位を決めて順番にピストン輸送すれば、結果として解放された時間より早く収束していたことは想像に難くないわけです。実際、現場に家族等が「クルマで迎えに来た」乗客は未明から現場で解放していたわけで、バスがそこまで行けるのであれば、拒む理由はなかったわけです。

私自身もバスの手配が難しいと想定して籠城を肯定しましたが、手配の申し出まであったとなれば話は別でしょう。
そうなると「判断ミス」の連鎖という線が色濃くなるわけで、判断基準の不備なのか、権限者の能力不足なのか、いずれにしても、事業者の対応が問われ、再発防止が必要な範疇の話であり、天災だから、とか、現場はよくやったのだから、と済ませる話ではありません。ミスやトラブルはなぜ起きたのか、なぜ止められなかったのか。それが甘いと同じことが繰り返されますから。