Straphangers’ Room2022

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結論ありきで苦しい記事

2017-06-07 22:50:00 | 時事
獣医学部を巡る問題で、産経に興味深い記事がアップされていました。

まずは元官僚の評論家による「緊急寄稿」。
不良次官が一発逆転を狙ったが、名誉挽回の欲目が透けて見える、という批判記事ですが、冒頭の「前川氏の言い分が事実無根とはいわない。「内部のメモ」としてはあったのかもしれない。だが、内容は最低限、著しい誇張だ。」の時点でもう終わっていますね。あとは「ボクはこう思う」を延々と語っているに過ぎないわけで、「著しい誇張」の根拠すらないのですから。

ズルいのは、さすがに問題の本質に気付いているようで、最後にしれっと「ただし、一般論として言うなら、欧米諸国なら客観的分析をして長所・短所をはっきりさせて、最後は政治の決断として決める。日本では、結論を忖度(そんたく)だらけの曖昧なやりとりで決めて、基準や数字はそれに合わせることが多い。こういうやり方は、変えた方がいい。」と書いていること。

問題なのは獣医学部の要否ではなく、「官邸の意向」で「基準や数字」が決められたかどうかです。
「ただし、一般論として言うなら」と掲載紙の意向を「忖度」していますが、「真の論点」については否定しているということは何を意味するのかでしょう。

もう一つは、官房長官と記者のやりとりで、引用符つきで「”バトル”」として、バトルになってない、官房長官の圧勝と言いたいのでしょうが、内容を見ると苦しいですね。
特にジャパンタイムズの記者が、出会い系や天下りと今回の証言は全く関係が無い、と断じ、官房長官が出会い系や天下りを持ち出すことは単なる個人攻撃では、と畳み鰍ッているわけで、官房長官から「別個の問題」と引き出していますが、ではなんで頼みもしないのに「個人攻撃」を縷々繰り返したのかを問うべきですね。まあ尻馬に乗って「個人攻撃」をしている新聞には無理でしょうが。

「別個の問題」であるのなら、なぜ出会い系や天下りの問題を持ち出すのか。それこそ首相が一つ覚えのように繰り返す「印象操作」そのものでしょう。しかも記者や野党じゃなく官房長官がやっているんですから、「印象操作ダー」というのであれば、まず「女房役」にご注意するべきですし、そう指摘するのが社会の木鐸でしょう。