Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

言語道断の規制

2015-01-06 00:48:00 | 交通
市民の安全を守るはずの警察と道路管理者が市民を危険にさらしました。
そしてメディアも事態の重大性が分かっていない、というか、わざと矮小化しているのでは、としか言いようが無い報じ方です。

Uターンラッシュのピークである1月3日の宵の口から4日の未明にかけて、三重県内の東名阪道、伊勢湾岸道の5箇所のPA、SAが事実上予告無しに閉鎖されました。
何か緊急事態かというとさにあらずで、三重県警が毎年高速のPA、SAにたむろする暴走族対策として実施したのですが、おそらく事前に告知すると効果が無いという判断でしょうが、一般の利用者にとっては冗談じゃない事態になりました。

今朝になってようやくメディアが報じ始めたのですが、帰省客がトイレに行けず食事も摂れない、というレベルの話で終わらせようとしています。しかしこれはその程度の「迷惑」ではないのです。今回閉鎖対象となった場所には東名阪道の御在所SA(上り)が含まれていましたが、ここにはGSが併設されています。つまり、御在所SAの閉鎖は自動的に給油可能箇所の縮小となるのです。

御在所SAの閉鎖により、手前のGSは新名神の土山SAか伊勢道の安濃SA、その先は伊勢湾岸道の刈谷PAです。3箇所とも24時間営業なのでGS営業時間外に伴うさらなる間隔拡大こそ免れましたが、それでも約80kmの間GSが無い事態になりました。

Uターンラッシュのピークとなる3日、深夜ではなく19時から翌日未明2時までの5時間です。時間的に中京圏を通り抜けて関東方面に帰るロングドライブのクルマも少なくない時間帯です。SAのGS事情を考えると、関西圏のSA(PA)のGSは混みがちで、そのあおりで土山SAも混むのですが、ならば御在所なら、というクルマが「閉鎖」と聞いて、あと45km走って刈谷PAまで、となるのです。

トイレや食事も重大事ですが、ガソリンの補給は安全に直結する重大事です。あと45kmも走れないほどカツカツで高速を走ることはまずないでしょうが、渋滞や上記のような混雑のアヤでかなり少なくなっているケースもあるでしょうし、御在所から刈谷の間で突然渋滞にならない保証もありません。そもそも東名阪が四日市から亀山にかけて絶賛渋滞中だったようで、全く洒落になっていません。

それを告知もなく実施したのでは話になりません。3時間前に告知したとのことですが、少なくとも土山SAと安濃SAの手前に出したのか。さらにGSがあり、名神経由を選択する最後のャCントとなる草津JCT(PA)の手前はどうなのか。こんな泥縄で、NEXCO西日本にまで話をつけているとは思えません。

とにもかくにも安全の問題です。それを警察と高速道路会社がいとも簡単に実施したというところに意識の低さを感じますし、論点に事実上気付かないメディアも同罪です。幸い降雪等はなかったようですが、京都市内ではまだ10cm近い積雪が残っていた折でもあり、また名阪国道方面からの流入もあるなかで、燃料の見積が大きく狂っての到着もありえたわけです。

そもそもUターンラッシュのピークの東西間の大幹線のSAを閉鎖する必要性はあったのか。
暴走族対策といいますが、違法行為があれば厳しく検挙すればいいだけです。前に「警察24時」系の番組で、中央道の「初日の出暴走」に対応する警察の様子を見ましたが、蛇行運転や騒音を立てて走っていても手も出さずに後をついて走るだけ。いわば「やりたい放題」では「放置」どころか「容認」に等しい状態です。
今回の三重県警も同じでしょう。手を出すと面唐セから閉鎖して集まらないようにすれば「やったふり」が出来る、とでも思っているのでしょうね。不法行為、迷惑行為を事実上野放しにして、善良な一般ドライバーに安全に大いに疑義がある迷惑を強いたわけです。
まさに「どっちを向いて仕事をしているのか」であり、社会正義も地に落ちた状態です。

さて、Uターンラッシュのピークという書き入れ時に5箇所のSA、PAを閉鎖したわけです。
特に御在所SAはピーク方向のSAです。EXPASAと銘打って専門店を大々的に導入してモール化して人気も高いSAですが、それが夕食時に閉鎖されたのです。それに伴う減収はどうなるのでしょうか。NEXCO中日本もそうですが、その店子はどうなのか。ドライバーに対して3時間前に告知ですが、業者へはどうなのか。3時間前だと材料の廃棄ロスも半端じゃないはずです。

そのロスは誰が被るのか。NEXCO中日本が被るのであれば、そんなコストを通行料金に転嫁されてはかないませんし、NEXCO中日本も今回の対応を是認した格好になります。本来はNEXCO中日本が率先して三重県警に請求しないといけません。
三重県警が被るとしても、三重県が税金で補填すべき性質の費用なのか。あまりにも安直、無思慮な対応で発生したコストを三重県民が負担していいものなのか。そして三重県警が何とか負担するとしても、理不尽な交通取締りで「回収」することが無いように、厳しく監視して、今回の軽率な規制の「代償」を負担させない限り、今回のようなバカな事態がどこかで再発してしまいます。