Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

民主主義の負の落とし子

2014-07-08 01:26:00 | ノンジャンル
「号泣会見」で日本中、いや、世界中を呆れさせた兵庫県議ですが、ウソをつくにしてもう少し上手につけと言いたくなるようなお粗末なウソでは、ボロが次から次に出ています。
そもそも県議会が公表する収支報告書にあんな内容を書いているのですから、相当鈍いか舐めてるかのどちらかでしょう。

それにしてもなぜ城崎温泉と佐用なのか。同じ日帰りでも東京にしておけば回数も減るでしょうに、県内とはいえなぜあの2箇所なのか。特に佐用はどうしてそこを選んだのかも知りたいところです。

県内だから大丈夫、とでも思ったのかもしれませんが、逆に西宮市選出の議員が県内の他の市町で陳情を受けたりすることは基本的に有り得ないわけで、よしんば県議にお願いしたい人が城崎や佐用にいたとしても、豊岡市や佐用町の選挙区の県議にお願いするはずです。

そもそもこんなレベルの人間が当選することに問題があるとしかいいようがありません。
民主主義の誤謬というか、全体の中ではこういう「失敗作」も一定数出現することを甘受しないといけないとはいえ、直撃弾を食らった選挙民は洒落になっていません。

まあ「縁もゆかりもない西宮」と公言する御仁に積極的に投票する人もいないでしょうが、この県議がワンチャンスをものにして初当選したのが「維新ブーム」の最中で、「西宮維新の会」という「大阪維新」とは無関係の団体を称していたわけです。

有り体に言えば有権者の「誤認」を誘ったともいえるわけですが、「大阪維新」もそこでクレームをつけた形跡がないわけで、うまくすれば取り込んで勢力拡大とでも考えていたんでしょうね。「都構想」で阪神間や神戸市まで取り込もうとする下心がある団体ですから、西宮という阪神間の有力都市にシンパの議員が誕生することは歓迎でしょうし。

それはさておきこうした「誤認」戦略で票を稼ぐというのは、民主主義の問題点ともいえる手法です。神戸市長選で当選した現市長と読みが一緒、というか漢字で1字違いの候補者が立候補して、何も選挙活動をしないで、有効投票数の6%を獲得する、という椿事が昨秋ありました。

これもひどい話で、市民の誤認を誘って現市長の得票を下げようとする陰謀ではないか、とそれで利益を得る陣営はここだ、と陰謀論さながらに公然と語られていましたが、そういう情けないが効果がある戦略が実行されたのが西宮と神戸という同じ兵庫県内、阪神エリアというのは偶然であればいいのですが。

「号泣県議」(いや「絶叫県議」かも)は、県議に当選するまでも2回西宮市長選に立候補して落選していますが、こんなのに絡まれた西宮市と西宮市民もいい面の皮です。
そしてこんな形で「西宮」の名前が広まったことで、民主主義の「責任」に気付けばいいのですが...


思わぬ位置関係の把握

2014-07-08 01:23:00 | 交通
鉄道の路線図だけを見ていると、鉄道では遠く離れているように見える都市が実は近かったりする、ということに気付いた経験がある人は少なくないでしょう。
一方でロードマップに見慣れていても、思わぬルートが実は近道だった、ということに気付くこともあります。

神戸在住時代には年数回クルマで首都圏に帰省していましたが、ある夏、軽井沢に寄って帰る、ということを企画した事があります。
こういうと大回りどころか明後日の方向、と感じる人が大半でしたが、順を追って説明するとその実態に驚かれ、納得してくれました。

当時は新東名も伊勢湾岸道も新名神もなかった(つながっていなかった)時代で、東西を結ぶ高速道路(高規格道路)は東名あるいは中央と名神あるいは名阪という選択肢でした。

今もそうですが、東西間の高速バスの一定数が中央道経由になっている通り、中央道経由は諏訪、岡谷を迂回するように見えながら、実は遠くないのです。
一方で短く見える東名は、東京と小牧の間で考えると、静岡県内で南に膨らみ、小牧まで北上することになるため、ちょうど南アルプスのエリアを挟んで南北に迂回する関係にあるわけで、小牧JCTから東名で東京IC(用賀)と、中央道で高井戸ICまでは5.1km(中央道経由は東名経由のわずか1.5%しか長くない)しか差がありません。

その中央道、諏訪、岡谷まで北上するわけですが、諏訪付近から首都圏を見据えると、今度はその直線ルートは八ヶ岳から奥秩父を縫う格好になります。
このエリアを挟んで中央道と向き合うのがR142~R254で、要は旧中仙道ルートとなるのです。

中仙道は江戸と京都を結ぶ主要街道ですが、「迂回」をしているのなら江戸と京都間の街道にはなっていないわけです。そしてその中仙道が通るのが軽井沢であり、高速道を通らないことから時間はかかりますが、距離的には「順路」といっても差し支えない感じです。
特にその日は目的地が埼玉県内だったこともあり、岡谷ICからR20~R142で佐久から軽井沢に入り、碓氷軽井沢ICから上信越道、関越道経由としています。

こうした「短く見える/長く見える」区間は結構あるわけですが、7月23日の改正で圏央道経由が廃止される木更津$ャ田空港間もその一つです。
木更津JCTから茂原、東金を経て松尾横芝ICから芝山はにわ道を通るルートはなんとなく近そうに見えますが、実は館山道、東関道ルートのほうが圧涛Iに速いのです。


(圏央道は近くない)
(※パンフレット記載の地図。なお芝山はにわ道から成田空港へは南から真っすぐ入港です)

これは圏央道が木更津東ICから先は対面通行とか、芝山はにわ道など一般道区間があることも原因ですが、そもそも館山道、東関道ルートが大回りをしていないことが主因です。
昨春の「再発進」時のパンフレットに記載されたルート図を見れば一目瞭然ですが、茂原付近を膨らんで走る圏央道ルートに対し、千葉東から宮野木にかけてこそ膨らみますが、後は意外なまでに直進する東関道ルートは遜色がなく、最高速度のハンデを考えると、穴川付近の渋滞を加味しても圏央道ルートを凌駕するわけで、今回の改正で館山道、東関道ルートに一本化されます。