Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

因習の彼方に

2010-02-04 01:12:00 | ノンジャンル
立浪一門が2人の「造反者」を出したことは確実なんですが、なんとその1人が名乗り出たのにはびっくりです。

安治川親方がその人なんですが、借株で親方を名乗っているのに裏切ったということで退職するという覚悟の名乗りとあって、同情の目を引いたのですが、なんとわずか1日で退職を撤回すると言いだしました。

おそらく一門側がここで退職させたら一門の体質へ批判が集まると言う計算で慰留したのでしょうが、名乗りを上げた時点で一門側の負けでしょうね。





こうした「騒動」を見ると、結局は因循姑息の世界だよな、と相撲界の特殊性で片付けたがる人が出てきますが、ではひるがえって現実の社会を見ますと、相撲界を笑えないわけです。

一門と言う見るからに因習の制度に縛られて、自分の意見も出せないという前近代性を感じる人もいいでしょうが、一門を会社や派閥、また学閥といった集団に置き換えたら、それこそよくある話だと言うことに気がつきます。

それでも企業なんかはそうした人に縛られる体制を維持すると、法人としての企業の活力が損なわれて、最悪の場合は法人としての合理的な行動を取らないことによるコンプライアンスリスクを招きかねないと言うことが分かっているから、露骨なケースはさすがに見られません。

しかし、そうした外的要因による規律が働かない集団ですと、大相撲の一門もかくや、というような道理よりも無理が通るようなケースがあるやに聞いてますし、実際、そうしたケースに出会ったりすることもあるわけですが、悲しいかな、自分もまたその組織の論理で道理に目を瞑って無理を通していることに気が付いていないことがほとんどです。