独断偏見妄言録 China's Threat

中国は人類の命運を左右する21世紀最大の不安定要因



貿易戦争というより、グローバリズムへの反撃

2018年03月24日 08時32分23秒 | 米国
The world is on the brink of a trade war
世界は貿易戦争の瀬戸際にある

March 23, 2018
CNN Money
米中双方が貿易戦争に発展しかねない非難合戦を始めた。今後何が起きるかが最も懸念される。
トランプ大統領は火曜日、5兆円相当の中国から米国への輸出品に関税を課すと発表した。中国は直ちに3000億円相当の米国からの輸入品に新たな関税を課すと反論した。(後略)



米中貿易戦争、身構える世界 共倒れを警戒
対中制裁6兆円、鉄・アルミ輸入制限を発動
2018/3/24
日本経済新聞
 米国と中国が貿易戦争のとば口に立った。トランプ米政権は22~23日、600億ドル(約6兆3千億円)もの中国製品に高関税を課す対中制裁を決め、鉄鋼・アルミニウムの輸入制限も発動した。中国は対抗措置の準備に入り、報復合戦による「米中共倒れ」の懸念が強まった。23日は世界で株安が進み、円相場は一時、1年4カ月ぶりの円高・ドル安水準まで上昇した。米国発の保護主義がドミノ的に世界へと広がれば、自由貿易体制は揺らぎかねない。(後略)


両記事のように、米国と中国の間の貿易戦争が突然勃発した、ととらえると判断を間違える。日経記事に「米国発の保護主義がドミノ的に世界へと広がれば、自由貿易体制は揺らぎかねない」とあるが、まさにトランプ大統領は自由貿易体制を壊そうとしていると認識すべきなのだ。

この戦いはトランプ大統領個人の思いつきや無知によっておきたわけではない。
元側近のバノン氏によると、最近のトランプ政権における高官の頻繁な交代は、グローバリストを排除し、経済ナショナリズムを前面に打ち出していることの現れなのだ。つまり、人事を刷新しつつ周到に戦いの準備がなされてきたのである。

トランプ氏は大統領選挙の期間中から、貿易赤字を批判し、米国人の職が海外に奪われているとして保護貿易主義(反グローバリズム)を唱えていた。それが選挙での勝利をもたらしたと大統領本人が認識しているのである。したがって、現在起きている「貿易戦争」は起きるべくして起きたものだ。今起きているのは貿易戦争というよりは、グローバリズム反グローバリズムの戦いなのである。
トランプ大統領の敵は中国だけでなく、米国内にも、日本にも、EUにもいるのである。単純な米国対中国という構図ではないところに注目すべきだろう。

要するに、今起きている「貿易戦争」は根の深い事象なのであり、表面的な損得でとらえると間違えるだろう。日本国内では事の本質を理解している政治屋も経済屋も新聞屋も極めて少数のように見える。


中国の崩壊が究極の狙いか?

トランプ政権にはもう一つの隠れた大きな狙いがあると私は考えている。
それは、中国共産党政権の崩壊である。
中国は近年の経済発展に伴って、既存の世界秩序を無視した横暴なふるまいが目立つようになった。その典型が南シナ海問題と一帯一路である。さらに中国系米国大統領を誕生させようとする試みも始まった。
中国の究極の目標は世界征服であるとみなすことができる。
東に向かって、南シナ海を奪い、尖閣と沖縄を強奪するとともに、台湾の併合により第1列島線を支配する。こうして太平洋への出口を確保することにより、最終的には米国と直接対決して倒す。
西に向かっては、一帯一路により、ヨーロッパとアフリカを征服する。このように見れば、中国の世界戦略がよく理解できる。

このままどんどん中国が強大になれば、やがて手がつけられなくなる。今のうちに中国経済を崩壊させ、内部分裂により力を消耗させるように仕向けなければならない。
これがトランプ大統領の真の狙いではないだろうか。
そのために、今後は関税だけでなく、先端技術分野での中国排除、中国人移民の排斥、中国を狙い撃ちした金融・為替政策、などを打ち出してくる可能性がある。孔子学院の排除や中国系企業による米国企業買収阻止などはその先触れであろう。
その結果、中国だけでなく米国自身や日本などの同盟国も痛手を受ける可能性を捨てきれない。
しかし、第三次世界大戦よりはるかにましである


<2018年3月25日>

宮崎政宏氏の興味深いメルマガが送られてきた。全文を転載する。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)3月25日(日曜日)弐
        通巻第5644号 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ジョン・ボルトン新大統領補佐官は「タカ派のなかのタカ派」
  この人事は米国の「対中貿易戦争」への宣戦布告に等しいのか
***********************************

 トランプ大統領は、マクマスター安全保障担当補佐官を更迭し、新しくジョン・ボルトン元国連大使(その前は国務次官)を指名した。この大統領安全保障担当補佐官というポストは、議会承認が不要なため、これで確定である。

 かつてボルトンはイランの核武装疑惑に立ち向かい、とりわけロシアと交渉して、国連での制裁決議の裏工作をなした。そのとき、ボルトンがロシアの国連大使に言ったことは「イランの核武装という悪夢は、アメリカへの脅威というより(距離的にも近い)ロシアへの脅威のほうが強いのですよ」。

 その後、イランのナタンズにあった核施設はコンピュータウィルスをイスラエルの防諜機関が仕掛け、開発を数年遅らせた。
 ボルトンの持論は北朝鮮の絶対的な非核化である。「平壌が応じないのであれば、先制攻撃をなすべきだ」とトランプに進言してきた。
日本にとって、これほど強い味方があろうか。

 ジョン・ボルトンは中国を明確に敵視する論客であり、グローバリストの巣窟である国務省や、NYタイムズなどリベラルなメディアからは嫌われてきた。

なぜならボルトンは自由・法治を信奉し、祖国の国益を優先させ、自由世界を守るためには台湾を防衛せよと主張し、ウォール街のように国益よりも自分の利益のためなら、自由世界の一員であろうとも、台湾など切り捨てても構わないというグローバリズムと激しく敵対してきたからである。

 ところが日本のメディアは米国のリベラル新聞が敵視するボルトンを鸚鵡返しに「危険人物だ」と酷評しているのだから、始末に負えない。

ジョン・ボルトンは中国の軍事的脅威をつねに警告してきた米国の保守陣営を代表する論客でもある。それほどボルトンは北京から畏怖され、恐れられているようで、同時にボルトンは北朝鮮に対して「非核化が絶対の条件」と発言してきた。

また在沖縄海兵隊を「台湾へ移転」を唱えた。元国連大使として辣腕を振るったボルトンは、アメリカの言論界でも「タカ派のなかのタカ派」と言われた。

おりしもトランプは中国に対して鉄鋼、アルミに高関税を課したばかりか、ほかの1500品目を対象として、総額600億ドル相当の高関税を付与し、中国が「収奪」した不当な利益を回収するとした。
 中国へのスーパー301条適用に対して、中国の猛反発は凄まじく、報復として30億ドルの米国からの輸入品に高関税を課すとして息巻いている。ところが対象は農作物、ワインなど。

 こういう報復、あるいは中国の経済発展を効果的合法的に食い止める手段は、嘗て日本のハイテク産業を弱体化させた「スーバー301条」の適用であり、それを進言した対中タカ派のなかにジョン・ボルトンも加わっているようである。
ボルトンの噂がワシントンに流れ始めたとき、中国は対米特使として劉?を派遣していたが、冷遇された。劉?は習近平に尊重されるエコノミストで、國際金融に明るく、昨年度から政治局員のメンバーとなり、全人代で副首相兼任になった。 


▲トランプが考えたのは超弩級の発想の転換だ。

じつはトランプは最初からボルトンを国務長官に宛てようとしていたフシが濃厚なのである。
初代安全保障担当大統領補佐官はフリンになったが、その組閣中にもボルトンはトランプタワーに出入りし、またティラーソン国務長官の解任の噂が流れていた過去数ヶ月間にも、ホワイトハウスに頻繁に出入りしてきた。

しかし国務長官はハト派の多い議会承認が必要なポストであるため、共和党内のバランスを顧慮し、大統領選挙を戦ったミット・ロムニーなどに政治劇演出を兼ねた打診を行うというジェスチャーにトランプは興じた。

そのあとに、キッシンジャーを呼んで懇談し、ロシアとの交渉術に長けたティラーソンを国務長官に指名した。その時点での最大の理由は、ロシアとの宥和、雪解け。最終目的は中国を封じ込めるための「逆ニクソン・ショック」を狙っていたからである。

つまりロシアを陣営内に取り込み、中国を孤立化させる梃子にプーチンを利用する。そのためにはプーチンと個人的にも親しいティラーソンが適役というわけだった。
 奇想天外と思うなかれ、過去の歴史は予想外の同盟がいくども組まれてきたではないか。日英同盟、日独伊三国同盟、日英同盟の破綻。独ソ不可侵条約、日ソ不可侵条約。。。。。。。。。。


 ▲次なる外交目標はプーチンとの蜜月演出ではないか

 トランプは選挙中からプーチンへ秋波を送り続け、政権発足当時も、ロシアとの関係改善におおいなる熱意と意欲を示した。
 この外交方針の転換を不快とする国務省、共和党主流派、そしてメディアが、一斉にトランプの「ロシアゲート」なる架空の物語をでっち上げ、トランプとプーチンの間を裂いた。しばし米露関係は冷却期間が必要となった。

 つまり、トランプが企図しているのは「オバマ前政権の政治全否定」である。
北への「戦略的忍耐」が金正恩をつけあがらせた。貿易交渉、WTO、TPPなどは、アメリカの工業力を一段と弱体化させるではないか。
 中国へ「エンゲージメント」(関与)で積極的に近付いたのはブッシュ・シニア時代からで、クリントン政権は中国に大甘だった。
つぎのブッシュ・ジュニアはせっかくの中国封じ込めを対テロ戦争のために、逆戻りさせ、「戦略的パートナー」に格上げした。

オバマはニコニコと中国にやさしい顔をしていたら、南シナ海の七つの島嶼が中国軍に乗っ取られていた。後期にようやく「アジアピボット」を口先で言ったが、とき既に遅かった。

 そこでトランプが考え出したのは、超弩級の発想の転換だった。
 北朝鮮を、中国封じ込めの先兵に利用できないだろうか。習近平と金正恩の仲は最悪、平壌が豪語する「全米を射程に入れた核ミサイル」とは、「全中国をカバーできる」という逆の意味がある。

 トランプの対中敵視政策は本物である
その第一弾が米中貿易戦争、つぎは人民元の為替操作非難ではないだろうか。そして中国の次なる報復手段は保有する米国国債の売却、ウォール街へのパニック・ミサイル発射をほのめかすことになるのではないか?



<2018年6月19日>

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)6月19日(火曜日)
         通巻第5726号 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 トランプの「対中報復関税」の究極目標は「軍事大国世界一」阻止にあり。
  報復対象品目は10分野、すべては「メイド・イン・チャイナ2025」
**********************************

 トランプは対中経済制裁を本格化させ、500億ドル分の損出を高関税で補うとした。米中間の高官レベルの協議は一貫して続けられてきたが、米朝首脳会談を挟んでいたため、一時休戦状態だった。
 6月15日にトランプは報復関税の対象を具体的に発表した。課税率は25%である。

 ただちに中国は「報復には報復しないと失礼に当たる」とばかり、同じ規模の500億ドルの制裁関税を課すとし、大豆、トウモロコシ、穀物などトランプの大票田である農業州に焦点を充てる。

 アメリカの代表的輸出はボーイング、ついでフォードも中国への輸出が激減するため、米財界でもトランプ批判が多い。とくに穀物商社のカーギルなどは悲鳴を挙げて、議会に働きかけている。

 米国の制裁第一弾は818品目で自動車、情報通信機器、ロボットなど340億ドル相当、一方で中国側は545品目、牛肉、豚肉、鶏肉に水産物を加えて、帳尻あわせのように340億ドル相当とした。

 第二次制裁は米側が284品目、化学、鉄鋼、鉄道車両などを対象としているが、中国も第二次制裁に114品目、このなかには原油、ガス、石炭、エチレン、そして医療機器などが加えられ、いずれも7月6日から実施される。発表をうけてウォール街の株式は連続で下落している。
 米国の主要メディアの論調は賛否両論だ。

 「日本経済は相当の悪影響を受ける」、「グローバルな自由貿易体制を破壊する」、「トランプは保護貿易主義で時代錯誤だ」などとする「金儲け」レベルの論評が日本のメディアを蔽っているが、見当違いも甚だしいのではないか。

 トランプ大統領率いるアメリカが究極の目標としているのは習近平の唱える「MADE IN CHINA 2025」の実現を阻止することであり、つまり米国を凌ぐような世界一の軍事大国に中国をさせないという決意の表れなのである。

 ちなみに中国の「MADE IN CHINA 2025」が掲げ、かつ技術開発国費援助、ベンチャーへの補助金を出して急成長を遂げている十分野の次世代ハイテク技術とは何か。
 (1)5Gネットワークとサイバー・セキュリティを含む次世代情報技術
 (2)ロボット及び計測機器(ドローン、ステルスなどを含む)
 (3)航空宇宙
 (4)海洋エンジニアリング
 (5)高速鉄道技術並びに機材
 (6)省エネ技術、EV運搬車両技術
 (7)発電ならびに関連技術
 (8)農業分野
 (9)新素材
 (10)バイオ薬品、高度医療ならびに機器

 いずれも軍事技術に直結する高度な産業分野であり、さらにライトハイザーUSTR代表は、中国資本の米企業買収を禁止するなど、「この次には投資への制裁、制限に移るだろう」と発言している。
『政治』 ジャンルのランキング
コメント   この記事についてブログを書く
« ついに中国系アメリカ大統領... | トップ | 米国の第6世代戦闘機 »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

米国」カテゴリの最新記事