イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

浅い大河が大洋に流れ込む河口の町ベリックその4;河とセットの橋が景観のアクセント

2023年07月22日 07時47分49秒 | イングランド北部

スコットランドとの国境の町、ベリック・アポン・トゥイードBerwik -Upon- Tweed (以下ベリック)の話題に戻ります。

日本人ウケのしそうなベリックの「観光要素」をリストアップしてきた前回までですが...

「ランキング」はちょっと無理がありますね。数字を添えるのはもうやめます。

 

個人的におススメできる見もののひとつは、河口です。「入江」と言った方が情緒があるかもしれません。

「河口」のほう雄大なイメージがわきませんか。

私の名前とゆるく関連性がある「河口の町」が好きなのです。町を流れる見なれた河の水が目の前で大海にそそぎこむ、ロマンチックではありませんか。

 

干潮時のトゥイード河 River tweed の河口です。石壁の上の砲台跡から撮りました。

 

河口は、みなれた日常と未知の世界(水平線の向こうの見たことのない異国)が融合するような高揚感が得られるロケーションです。

 

 

潮の満ち引きで河口付近の水位が変化する地理学の神秘にもゾクゾクします。

 

西を北海に、南をトゥイード河 River Tweed に接するベリックは、町を守る城塞の石壁に堅く囲まれただけではなく町の二面を水の砦にも守られている特殊な町なのです。

 

河口の付近には小さな波止場 Quai があります。

波止場の写真は、振り返って撮ったこの一枚だけです。☟

波止場には駐車場、閉まっていたカフェ、それに遊覧船が発着する小さな船着き場がありました。

左側の壁は、中世に建てられた石壁(の16世紀の再建)Town Wall の続きで、波止場を囲うこのあたりの壁は Quai Wall と呼ばれているようです。

石だたみの歩道になっている石壁の上には背後に見えている古い建物の出入り口があります。町に向いている建物の反対側にももちろん、出入り口があります。石壁側の出入り口は町側の地上レベルから見ると2階、3階になっていることが興味深いです。

小さな波止場を抜けて坂を上がると(左側にちょこっと見えている)...

 

有名なベリック・オールド・ブリッジ Berwick Old bridge があります。

(別の日に壁の上から撮った写真です☝)

もうひとつの見どころ、橋のある景観です。

...その名の通り、1653年建造の古い橋です。

渡り切った対岸には、トゥイードマウス Tweedmouth という小さな町があります。

トゥイードマウスを川沿いに少し下るとスピットル Spittal という、広い砂浜の海水浴場のある海辺の町もあります。

橋の表面はコンクリート舗装されていて、ベリックからトゥイードマウスへの一方通行ですがクルマも通れます。

橋の上を少し歩いて、ベリックの方向に振り返って撮った写真です。

私は橋を渡って向こう岸まで歩いてみたかったのですが、行き返りの間に日が暮れるとかなんとか...夫が嫌がったので実行しませんでした。そのうちクルマでスピットルの海岸まで行ってみるつもりでしたが、その機会も逸しました。

 

アーチとアーチの間に丸く突き出たスペースは、狭い橋の上で反対方向から来た馬車と馬車が向き合って立ち往生、なんてことがないように道を譲るための待機場所でしょうね。

私たちはそこで眺望を楽しんだりおたがいの記念写真を撮り合ったり、観光客らしいふるまいをしました。

 

昔からこの町のマスコットらしい、大量繁殖したハクチョウが橋の下の岸辺に集まって水に浮いたアオ藻をついばんでいました。

たくさんのハクチョウがいっせいにパチパチするクチバシの音と、水とアオ藻を同時に啜るズブズブいう音が橋の上まで聞こえていました。うっかり目撃してしまったハクチョウの優雅ではない生態の一面です。

 

橋の上から見た夕暮れの水面です。

さざ波が上に行ったり下に行ったりしています。...上流から下流に流れるはずの水の動きが全く見られませんでした。

海に向かって流れる河の水と、ちょうど満潮を前に海のほうから逆流する海水がぶつかるこの場所とこの時間、ちょっぴり珍しい現象がみられて得した気分です。

オールド・ブリッジの上流、すぐそばに立派なコンクリートの橋が架かっています。

こんなに近くに橋が2本、意味あるのか?...あるはずです。

ロイヤル・トゥイード・ブリッジ Royal Tweed Bridge。中途半端に古い近代建築、1928年の建造です。

クルマが普及しはじめ交通量も増えた1920年代、幅の狭い一方通行のオールド・ブリッジだけでは町が機能しなくなっていたはずです。川向うへ行っても帰ってこられません。町の一面が海に接しているとあっては橋なしでは完全に孤立状態ですものね。

オールド・ブリッジが架かるまでの何百年もの間、干潮時に徒歩や乗馬で渡っていたらしい浅瀬でも、クルマでザブザブはちょっと無理そうです。

長くなるので、以下次号(続きの原稿があります。明日に投稿予定です)

 

前回までの記事のリンクです。☟ 前回までの記事を読んでいないとわけのわからない箇所がいくつかあるはずです。

城壁に囲まれたスコットランドとの国境の町、ベリック・アポン・ツイードその1;

国境の町ベリック、その2;日本人に好かれそうなポイント列挙(観光案内)

ベリックその3;夏の休暇になくてはならない1シーン、海辺とその周辺

 

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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犬と暮らせば (浅井洋)
2023-07-22 21:22:10
どうぞ お急ぎに ならずに
 ロンドンなんて 「地球の歩き方」に あるでしょ
 この
Berwik -Upon- Tweed を 日本に紹介するは
 私 1人よ 此れから20年くらい かけて
  有名にするわよ 
と ユックリ 一つずつ 解説して 頂けないと
 僕のような 年よりの 頭には キツいです

白鳥が 水草を食べるだけで 僕には 驚きなのですから
 
返信する
Unknown (江里)
2023-07-27 08:07:47
浅井さんへ
ありがとうございます。20年もかかりません。夏中にベリックの話にケリをつけます。
地球の歩き方にはウンザリです。
返信する

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