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ギャスケル夫人が住んだ家!19世紀の内装で一般公開中。おさわりし放題!

2016年12月03日 09時00分00秒 | マンチェスター
マンチェスターのシティセンターのちょっとはずれ、大学街から徒歩10分ぐらいの住宅街。

通称 84 Plymouth Grove と、家番号と通りの名前で呼ばれている、ネオ・クラシカル様式の小ぢんまりした邸宅があります。


1838年ごろの建造です。第二級保存指定建築。

2014年に修復、内装が完成、一般公開されはじめた、エリザベス・ギャスケルズ・ハウス Elisabeth Gaskell's House です。

私が留学中の25年ぐらい前はみすぼらしく、外壁がピンクに塗られていたので、「ピンク・ハウス」という恥ずかしい通称で通っていました。

マンチェスター大学のインターナショナル・ソサエティーという組織のクラブハウスとして使われていました。

私は名門マンチェスター大学の学生ではなく、隣のポリテク二ックの学生でしたがちょっとした縁があって、何度か出入りしたことがあるのです。

右に突き出た部分からはいって、大きなテーブルがある地下の談話室でお茶を飲みました。

当時はすすけた内装で、暖房費の節約のためか、天井も低く作り直されていたと思います。


由緒のある、あるいは、有名な人物が住んでいたことのある建物や場所を示す青い丸札、「ブルー・プラーク」が当時から外にでていたので、ヴィクトリア時代の人気女流作家、ギャスケル夫人が住んでいた家だってことは、もちろん知っていました。

2000年に歴史的建造物を保存する協会に寄付され、紆余曲折のあと、修復が完成、その後しばらく停滞した後、大がかりな内装プロジェクトがはじまったそうです。

先週、用事があってマンチェスターに行った時、この前を偶然通りかかったら、「本日公開」の、たて看板がでているではありませんか!?

なつかしい!はいりました。

むこう1年間有効の入場料が4ポンド95ペンス。

公開日にチケットを見せれば、いつでも入れます。公開は毎週水、木、日曜日。
地下のティールームや読書室を利用するために入る人が多いそうです。

ヴィクトリア時代の内装が忠実に再現された居間のソファーで一休みしてもかまわないんだそうです。


それでは、内部の写真です。撮ったのはごく一部です。


ピアノのあるドローイングルーム(居間)


このピアノは完全に調律された1880年ごろのアンティークです。
見学者が弾いてもいいんだそうです。ただし、弾ける人のみ。

ちゃんと弾けないけど、おぼえてる節だけ、弾かせてもらいました。やさしい音です。

食堂

並んだ食器はすべて19世紀のもの。さわってもいいんだそうですよ。

居間で説明をしてくれたボランティアのおばさんによると、売れっ子作家のミセス・ギャスケルはユニテリアン派牧師の夫より何倍もの収入があって、浪費家だったんだそうです。

豊かそうな内装です。

ちょっとお金持ちすぎる生活と、私の想像とのギャップが大きくてとまどいました。

日本にいるとき読んだ日本語訳の「女だけの町」(原題、Cranford)の訳者の解説によると、
ギャスケル夫妻は社会改革派で、マンチェスターのスラムの住人の生活改善に尽くしたということですが、そんな人達がこんな贅沢していいのか・・・?
ボランティアのおばさんは、これは当時の中流階級の標準生活レベルで決して贅沢ではないとかなり執拗に言い張っていました。

私だって文芸もののドラマ化テレビ番組をけっこう見てるんです。贅沢ですよ!



夫、ウィリアムの書斎。


20世紀はじめにギャスケル夫妻の未婚の娘が亡くなって、人手にわたって以来、見るかげもなく徹底的にモダンに改装されたこの家で、奇跡的に残った、造り付けの本棚。

ウィリアム・ギャスケル師の蔵書はすべて散逸したそうですが、その後のこの家の住人が残した古い本が本棚に飾られていました。

手にとって読んでもいいそうです。


階段を上がって・・・


正面の一室は修復に関する資料と、ギャスケル家以後のこの家の歴史をパネル写真で説明する展示室になってました。

いくつかある寝室は公開していないようですね。文芸関係のイベントに使うそうです。


簡素な内装の地下に降ります。
地下室、召使をよぶベル。


ティールーム


昔の台所です。
ティーバッグのお茶を飲みました。
ティーカップのデザインはすべて違います。古道具屋で見繕ってきた寄せ集めのようです。選ばせてもらえます。

25年前にドイツ人の留学生たちとコーヒーを飲んだのはどうやらこの部屋のようです。
ボイラーや巨大な湯沸かし器があった記憶が・・・



車椅子利用者用トイレ。


舗装してある中庭に出られます。



正面玄関はこの左の高い場所にあります。
このレンガむき出しの増築部分の一階は本館の地下レベルです。





ウェッブサイトによるとストラスフォード・アポン・エイボンにあるシェークスピアの生家、あるいはハワースにあるブロンテ姉妹の牧師館ぐらい有名な、国際的観光地として売り出したいのだそうです。

作品の映像化促進など着々と目的に向かって歩んでいるらしいけど・・・

ちょっと厳しい目標です。

エリザベス・ギャスケルってそんなに有名?
ギャスケルがイギリス国外でもっとも読まれているのは、日本なんだそうです!!
ボランティアの案内おばさんが教えてくれました!!

ギャスケルを読んだことがなくても、ビクトリア時代の内装見学は充分おススメできますよ。



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7 コメント

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専門的 (八幡@若林の弟)
2016-12-03 20:35:22
建築やイギリス中世の暮らしに疎い私には難しいです。
ただ、展示物に対しておおらかなんだなぁ、と感じました。
センスよか! (ひよ)
2016-12-03 21:33:35
これで、中流階級ってどんだけレベルもセンスも高いんやねん!と素直に思いました。大学時代ひよ、より。
Unknown (ひがふみ)
2016-12-03 21:35:25
興味深くじっくりと読み、写真も見ました。
私はこの婦人知らなかった。。。
ダアントンアビーくらいになると人もあつまりそうだが、、、。
聞きたかったわ。 (さわこ)
2016-12-03 21:45:01
興味深く拝読しました。
お写真も綺麗ですね。
修復がすんで一般公開と言っても日本とは全く違うんですね。
一年有効の入場料!
アンティークピアノは弾けるなんて!
夢のよう。
音色を聴いてみたかったです。
なかなか (kakowaka)
2016-12-03 21:46:02
いいじゃないですか。
お屋敷ですね、完全に。
でも部屋が100以上あるような貴族の館と比べたら中産階級なのかなあ~。
どっちにしても、年間パスポート式入場券はいらないなあ。単独のないの?
写真じっくり拝見しました (もろ)
2016-12-03 21:49:16
画像を大きくして細部までよーく見たよ~
映画『プライドと偏見』(キーラ・ナイトレイの方)はストーリーより衣装や家具や内装ばっかり楽しんでた私。
もろ!!時代が全然違うわよ!!なんて怒らないでね。
明日からはダウントン・アビーの新シリーズが始まるわよって実家の母からメールが来て、全部録画しといて!!って言いました(笑)
なつかしいー (江里)
2016-12-04 08:51:53
なんか自宅にどかどかっとおしよせられて、同窓会が始まっちゃった気分、うれしいです。

あ、八幡くん、のけものににしてないですよ。唇のねじれた男、ブックマークしたけど時間がなくてまだ見てません。明日見るつもり。

4ポンド95ペンスの入場料は今日本円でたったの700円足らずです。1回入って誰かに上げちゃおう。寄付だと思えば高くない。でも近所に住んでない、もう2度と来られない人は損した気分になりますよね。とにかく、寄付です!
ダウントンアビーどこまで行きましたか。ミスター・カーソンとミセス・ヒューズ、婚約した?あ、言っちゃだめ?


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