イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポートから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

興味深い歴史と風味を持つ怪しい響きの料理の名前、ファゴット....名前自体も複雑な意味あり

2020年09月24日 08時00分00秒 | イギリスの料理、食べ物
ひさしぶりにイギリスの食べ物の話題です。

一昨日食べた、ファゴット FAGGOTS


木管楽器 のファゴット FAGOTTO ( ドイツ語です。英語でバスーン BASOON)とはつづりが違います。

イギリスならではの食べ物を好奇心からいろいろ食べ続けている私ですが、ファゴットは初めてです。
4月に初めてスーパーマーケットの冷凍食品の売り場でできあいを見つけてすぐに食べたのですが、その時は写真を撮りませんでした。

思ったよりずーっと美味しかったのです!
もう一度、今度はちゃんと写真も撮るつもりで買ってきて食べました。

レトロでインパクトの強い、箱を横にしたグラフィックが上の写真です。

箱の反対側は.....


縦づかい。
スーパーの売り場のスペースの都合で縦でも横でもおけるよう、心憎い工夫です。

人が好さそうな製品のマスコット、ミスター・ブレインはイラストによるとコックさんではなくお肉屋さんのようです。
1924年からファゴットを販売しているというMR BRAIN 社はもとは精肉会社でしょうか。

ちなみに、創業者の名前は Herbert Hill Brain というそうです。

ファゴットの名前は前から知っていました。
ペットフードに使われたり捨てたりされることの多いブタの内臓を、細かく切り刻んで粘り気が出るまでたたいて脂や小麦粉とまぜて丸めたお団子です。

イギリス中西部が発祥の古い古い起源がある料理だそうです。

食べ物を無駄にせず、肉の食べられる部位は全て使い切った、社会全般が貧しかった時代の労働者階級のごちそうだったそうなのです。
ロンドン郊外育ちの夫(ベジタリアンになったのは大人になってからです)は食べたことがないそうです。

凍ったグレイビーに沈んだファゴット。


箱の側面に書いてある指示通り低温のオーブンで1時間加熱します。

加熱後も熱いトロトロのソースにやっぱり沈んだままのファゴット。


とろみがついた甘辛くとても濃厚なグレイビーがおいしさの秘訣のようです。
箱には得意げに「 IN OUR Classic WEST COUNTRY SOUCE」と書かれています。

この、MR.BRAIN 社製のできあいにはゲテモノ風内臓(こりこりした腸や嚙み切れない胃袋など)は使われていません。
レバーと大麦が主な材料です。

私好みの昭和の「洋食屋」のハンバーグのタレのようなグレービーの濃い味がレバーの独自のくさ味をかき消しているのですが....


前回、付き合って食べてくれた息子は、今回「もういらない」ときっぱり言って拒絶しました。
くさ味は消えてもかすかに残るなんだか複雑な風味も食感も口に合わなかったようです。

しかたなく、私一人で食べました。

ベジタリアンの夫と、ファゴットを拒否した息子のために用意したできあいベジタリアン料理の、チーズとブロッコリーのエスカロープ。


(ブロッコリーをチーズでまとめてコロモをつけたベジタリアン向きのカツのようなオーブン料理です)

特にイギリス北部では人気のフィッシュ&チップスの付け合わせとしておなじみのマッシィ・ピーズ MUSHY PEAS を彩りとして添えました。


缶をひっくり返したら上の写真のようにつるんと筒状に出てきます。
崩して電子レンジで温めるだけ。

ベーキングソーダに浸してやわらかくしたマロウファット・ピーズ MARROWFAT PEAS という青豆を煮て荒くつぶしたのがマッシィ・ピーズです。


盛り付けたらグズグズにくずれてしまいました。


フォイルの容器の中ですでに形をほとんど失っています。
グーグルしたらゴロゴロお団子状のものの他にトロリとしたグレービーに沈殿した煮崩れ状態のファゴットの写真もいくつか見つけました。


さて、聞きなれないひびきのファゴット。

一般的な意味は「棒の一束」だそうです。
きいたことがないので知りませんでした。

それと現在最もよく使われている用法と言えば.....
男性の同性愛者を揶揄する意味です。
キタナイ言葉の生き字引のような上の息子がずいぶん前に意味と使い方を丁寧に教えてくれたことがあります。

近年英語圏で広がったアメリカ合衆国発祥の俗語だそうです。(調べました)
他にも同性愛者を揶揄する独自の言葉がいくつもあるイギリスでは同性愛者ではない同年代の男性に対する軽い罵り言葉として使われることも多いようです。

日本語で言えばオカX程度のそれほど侮蔑の度合いが強くない言葉だと解釈しているのですが、現在の日本ではどうなのでしょうか、イギリスではここ数年 LGBT (性的少数者)に関する表現に非常に敏感になっているので軽い意味で言ったつもりでも批判の的になりかねないので要注意かもしれません。

「ファゴット」や他の同性愛者を意味する俗語を同性愛者に面と向かって言う、なんてよっぽど相手の気分を害してケンカを売りたい時とかあるいは「ヘイト」の意味合いを込めるぐらいの場合しか考えつきません。

「棒の一束」も「同性愛者」の俗語も「ブタの内臓で作った肉団子」も関連性は全くありません。

イギリスだけでしか通用しないらしい日常よく耳にする、タバコを意味する FAG は「棒の一束」に由来しているそうですが(イメージとして納得です)。



オンラインの現代用語辞典のファゴットの項には「イングランドにはファゴットというミートボールがある」と書かれていました。

2人分と思われる量です。
翌日、残りをに電子レンジで温めて食べました。
より濃厚になったソースはトーストと食べるととてもおいしかったです。





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イギリスにもある家庭の味バージョン!懐かしの昭和の味、スパゲッティ・ナポリタン

2020年08月03日 08時00分00秒 | イギリスの料理、食べ物
懐かしの、スパゲッティナポリタン


冷蔵庫の中にあった前日にゆですぎて余ったスパゲッティを使って作りました。
ホットドッグ用のソーセージ、緑のピーマンも使った「本格派」です。
(残念、マッシュルームは切らしていました)

子供の時に食べて以来、40数年ぶりの懐かしい味でした。

実はずいぶん前に初めて自分で作って夕食に出してみたことがあります。
絶大なる不評でした。
(夫がベジタリアンなのでスカスカした肉なしソーセージを使いました)

イギリス人は食卓で調味に使うケチャップとタバスコ・ソースを調理には使いません。
パスタを油で炒めるのも夫に「キモチワルイ」と言われました。
子供の時はケチャップが大好きだった息子にも「悪いけど、奇妙な味」と言われました。

スパゲッティナポリタンは、戦後、横浜のホテルで作られ始め、全国的に広まった(起源は諸説あり)日本独自の料理だということを知らない人はいないと思います。

私が大人になってからも日本の「洋食屋」や喫茶店の定番だったのですが、バブルの頃の若い人たちにはキッチュでダサくて品のないイメージがあり、「食べたい」なんて全く思いませんでした。
今また人気が復活、「昭和レトロ」な味の代表である、と最近何かで読んで突然作って見たくなったのです。
お料理ウェッブにもたくさん作り方が投稿されていました。

さて.....


イギリスにもナポリターナ Napolitana という、トマトベースのクリーミィなピンクのパスタソースがあるのをご存知でしょうか。
写真☝のシュワルツ社のインスタントの粉末ミックスに牛乳とバターを混ぜるだけで簡単に作れます。



Napolitana で検索すると英語のレシピがぞくぞくと出てきます。
イギリス独自のレシピかどうかは確定できなかったのですが、イギリスでとても人気があるのは確かです。

シュワルツ社のこの Tuna Napolitana ミックスをはじめ、ほとんどのクリーミィなナポリターナは缶詰のツナと混ぜられています。

袋にのっているのは「缶詰のツナを混ぜてゆでたてのスパゲッティにからめたピンクのソース」の出来上がり写真です。
私はこのピンクのソースをパスタと缶詰のツナと混ぜて、チェダーチーズをかけ、オーブンで焼くパスタ・ツナ・べーク pasta tuna bake のナポリターナ版を作りました。



パスタと缶詰のツナをベシュメル・ソースに浸し、おろしたチェダーチーズをかぶせてオーブンでこんがりと焼くパスタ・ツナ・べークはイギリスの定番家庭料理です。



トマトベースのパスタ類にかけるソースのことを本国イタリア以外の国ではナポリタン/ナポリターナ/ナポリ・ソース というそうです。

(調べました!);
缶詰のツナと混ぜて食べられるクリーミーなタイプではなく、ハーブを入れ煮つぶしたトマトのソースが本場、イタリアのナポリターナだそうです。
イタリアではトマトソースはただ単に「ソース」を意味する la salsa とよばれるそうなのですが。

イタリア中で食べられている基本的なソースだということなのになぜ(イタリア国外では)「ナポリの/ナポリ風の」というのかと言えば.....
新大陸(南米)原産のトマトがヨーロッパに持ち込まれたとき、はじめて上陸したのがナポリだったからだそうです!

シュワルツ社のツナ・ナポリターナ ソースを使って作った取り分けたパスタ・ツナ・べークです。


どこがナポリターナ(トマトベース)だ?というぐらいトマトの赤みが消滅しています。
ただのパスタ・ツナ・べークではないか?!と言いたくなるのですが.....
ちゃんとトマトとバジルとオレガノの薬味が効いた濃厚な味でした。






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ロックダウン下の誕生祝い、デリバリーの民族料理第三段、イギリス人の好みに合ったおなじみのギリシャ料理

2020年06月29日 08時00分00秒 | イギリスの料理、食べ物
私の誕生日にはギリシャ料理のデリバリーをたのみました。


家族の誕生日には外食するのが私のうちの恒例なのですが、はい、コロナウィルス感染拡大防止のためのロックダウンでまだすべての飲食店が営業停止なのです。

先週の夫の誕生日には中華料理、先月の下の息子の誕生日にはインド料理をそれぞれデリバリーしてもらいました。

今回は、ギリシャ料理。

ギリシャ料理は、中華、インド料理ほどではありませんがイギリスではけっこう一般的なのです。
イギリスの都市部にとてもたくさん住んでいるキプロス人の移民が経営しているギリシャ料理のレストランやテイカウェイ・ショップ(持ち帰り専門)がけっこうあるようです。

キプロスは20世紀の初めごろから短期間イギリスの統治下におかれ、今は独立の共和国ですがイギリス連邦の加盟国です。

ギリシャ料理とキプロス料理とトルコ料理それに中近東、中央アジアの料理ってなんだかよく似ているようです。
....もちろんそれぞれ豊かなバラエティがあって、「ぜんぜん、違う!」という抗議の声が上がりそうですが、日本人の私にはもちろん、たいていのイギリスに住むイギリス人にも区別がつかないはずなのでは。


ピタ pita (平べったいパン)と、フェタ feta (ボロボロした食感の白い臭いのきついヤギ乳のチーズ)がまぶされたチップス(ポテトフライ)。


左からドルマ dolma(ブドウの葉で包んだ蒸したライス)、 名前は忘れましたが、骨付きのスパイスの効いたヒツジの肉、チキン、ギリシャの辛いソーセージ、グリーク・サラダ (トマトとオリーブとフェタの入ったサラダ)。


肉を食べる私と息子は2~3人用のセットコースをたのみました。

ベジタリアンの夫は、ハルーミ haloumi (カマボコのような食感のヒツジの乳のチーズ)のステーキ、オニオンリング、フモス hummus(ヒヨコマメのペースト)を単品でたのみ、私たちの肉コースに含まれているチップス、ピタ、ドルマ、サラダをシェアしました。

肉類の濃いスパイシーな味付けを中和するための3種類のすっぱいヨーグルト・ベースのディップがついてきました。

フェタは、スーパーマーケットはもちろん、コンビニでも扱っているイギリスではとても人気のある健康食チーズなのです。
サラダやサンドイッチに使われます。

.....すべて、イギリスで非常によく知られた、というかイギリスでよく知らない人が「ギリシャ料理」あるいはトルコ、キプロス料理と言えば思い浮かべる類の料理ばかりです!

地中海料理特有のイカやタコは扱っていないようでした。残念!
「タコを食べるなんてぞーっとする」というイギリス人がとても多いのです。

夫に言わせれば、フェタをまぶしたチップスは、イギリス人観光客が多いギリシャの通俗な観光地で、イギリス人向けに出している定番料理なのだそうです。

とにかく、「イギリス人の好みに迎合したギリシャ料理」といった品ぞろえだったのです。

いえ、自分では作れない、めったに食べられないものを堪能しました。文句があるわけではありません。
特にこってりした肉類の味付けが中近東風(?)の異国情緒たっぷりで病みつきになりそうでした。



ドルマは、キプロス・レストランでもターキッシュ(トルコ)・レストランでも食べたことがあります。
すっぱくてやわらかいブドウの葉は桜餅を包む桜の葉のようです。

オーダーした時のメニューによれば、この店のドルマは「ベジタリアン対応」のはずなのですが、中に酢漬けにしたニシンのような魚が入っていました。
うちの夫はベジタリアンと言っても魚は食べるベジタリアン亜種の「ペスカトリアン」なので問題はなかったのですが、真正ベジタリアンが知らずに口にしていたらえらいことになったはずです。

とは言え、脂っぽい魚がきらいな夫と息子は食べませんでした。

日本人の私の口にはとてもよく合います。
笹で包んだサバ寿司のようでした。
笹と違ってブドウの葉は食べられます。

配達までしてくれて、お値段は3人前が驚きの30ポンド少々というお安さ。
食べきれずに余った分は冷蔵庫に保管しました。


次回はウケが悪かったフェタまぶしのチップスがたくさんついてくる「お徳用コース」は避けて、単品をいろいろたのんでみてもいいな、と思いました。
ドルマも私ひとりだけで食べる2個あれば充分。

ロックダウン下の誕生日祝いのデリバリーフードについての記事2本のリンクです☟

中国人が調理した、イギリス人向きにアレンジされたイギリスで食べる中華料理に、イギリス人の食事習慣を見る

デリバリーフードと、バーチャルパーティで祝うロックダウン下の誕生日、配達にも新ルール



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イギリスのソーセージ、ぶにゅぶにゅピンクで長く長くつながっている!

2020年06月27日 09時00分01秒 | イギリスの料理、食べ物
たぶん、日本ではあまり見る機会がないと思います....イギリスのソーセージ




特製オニオン・グレイビーの作り方を下の息子に伝授していたところです。
写真を撮るため、嫌がる息子に長くつながったソーセージ12本を持たせました。

ぶにゅぶにゅねっちょりした生のブタのひき肉とハーブ、スパイス、パン粉などがうすーい皮に入ったやわらかいソーセージです。
レシピによっては下ろしたリンゴや玉ねぎが入っています。
各地に伝わる伝統レシピの種類には限りがありません。

かなり多くのバラエティがスーパーで手に入ります。

皮は長い長い、一本の筒なのです。
ソーセージとソーセージの間はねじってあるだけなので、手で絞るとなかみが筒の中を行き来します。

圧縮されて積み木のような直方体の形でパッケージから出てきます。
切り離してまな板の上でゴロゴロ転がして棒状にしてからフライパンで炒めます。

カクカクしたままでは転がりませんから。

炒める前に必ず皮にフォークでプスプス穴をあけます。
忘れると皮が破裂してなかみが飛び散る大惨事に。
小さな穴から熱い脂がじわじわと溶け出して皮がこんがりサックリ焼きあがります。

焼きあがったなかみにはジュクジュクした食感が残ります。

(これは別の日にスーパーで買ったアイルランドのレシピのソーセージです)



生タイプのソーセージそのものも日本ではなじみがないのでは?
つながって売られているのも日本で見たことがないように思います。

イギリスで売られている、生タイプのソーセージはほとんどすべてつながったままで売られています。

以前住んでいた家の近くの肉屋では手作りのソーセージを売っていました。
ショーウインドウの上のフックいくつかに渡して長く下げてディスプレイしてありました。

機械を使ってソーセージのなかみを長い皮に詰める、ワクワクする作業も小さかった上の息子と見物したことがあります。
20年以上前です。

今住んでいるところから車で20分ぐらいの場所にあるその店は十数年前に通りかかったら廃業していました。

今はイギリス中、肉屋そのものが少なくなっています。
まだ手作りソーセージをあつかっている肉屋でも衛生上の配慮から小さくまとめてディスプレイ用の冷蔵ケースに入れておくのが一般的だと思います。









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大好きな脂っぽい魚、日本にはないらしいスプラット、家じゅうの顰蹙を買いネコと仲良く分け合って食べる

2020年06月22日 09時00分00秒 | イギリスの料理、食べ物
めったに行かないモリソンズ Morison's という大型スーパーマーケットで見かけたスプラット sprat 。


半キロ近くで1ポンド79ペンス(235円)は安いです。

モリソンズは以前は魚介類の売り場スペースに、イギリスのスーパーにしては異例ともいえる大きなスペースを割いていたのです。
いつの間にか、スペースは縮小していましたが、種類の多さはまだ群を抜いています。

ぺっちゃんこの真空パックでにおいが全くしません。


魚には目のないうちの老ネコホレイシオの目の前でヒラヒラかざして見せましたが全く興味を示しません。

夫も息子も、さすがに親子です、二人そろって脂っぽい魚が大っ嫌い。
フィッシュ&チップスのフィッシュ・フライでおなじみの白身の魚と、例外として鮭以外、一切口にしませんし、調理した後の台所にも4時間は足を踏み入れません。

私は大好きです。
外に通じる窓とドアを開け切って、玄関ホールに向かったドアは締め切ってこっそり調理して、一人で寂しく食べることにしています。
違いがわかるネコ、ホレイシオにもちょっと分け与えることにしています。

さて、スプラット。


イギリスでは昔から海岸地方で食べられている庶民的な小魚だそうなのですが、いつでもどこのスーパーでも売られているというわけではありません。

私が食べたのはこれで3回目です。

日本で見たおぼえがありません。
そういえば、日本語でなんというのか知りませんでした。

ウィッキピーデアで検索してみたら、日本語で「ヨーロピアン・スプラット」だそうです。
和名がない、日本では捕獲されない、食べられていないという事実が判明。

イワシ sardine より丸みのある形。


かわいい、美しい!

アンチョビー anchovy とスプラットとイワシは、ニシン herring 目に分類される、と書いてあります。
.ニシンは「目」を形成していますが、それ自体個別の「種」のようです...ややこしい。
眼がぱっちり、切れ込みの入った尾、ほっそり流線形...と、すべて形態が似ています。

アンチョビーの塩漬けとサーディーンのオイル漬け、トマト・ソース漬けは私がイギリスにきてから味をしめた大好物の缶詰、びんづめの保存食品です。

(夫と息子は缶詰をあけただけで部屋から駆け足で逃げ出します)


ウィッキピーデアのスプラット項の日本語版にこんな記述が.....

主としてラトビアから輸入される燻製油漬けは「スモークオイルサーディン」と称して販売されている。


えええぇ!
インチキではありませんか!

スプラットの水けをちょっとふき取って、コーンスターチ corn starch を軽くまぶし、フライパンに浅く植物油をはって高温でパチパチ揚げました。


魚を調理するにおいは強烈です。
うちの台所には換気扇がありません。

(台所に換気扇がない家はイギリスではめずらしくありません)
しめ切っていてもやっぱりにおいは家中に漏れていたので、夫がひどく不機嫌になりました。

台所の外に締め出され、魚を調理していることをにおいで察したホレイシオが中に入れろと激しく要求して閉まったドアに頭突きを繰り返しました。

前日の残りのご飯があったのでお醤油とお酢をちょっと垂らしておひるに1人で食べました。


他のおかずは一切なしのコッテリ脂三昧。
(この写真に撮ったよりももっともっとたくさんの量を少しずつ揚げながら食べました)


ものすごく美味しかったです。

夫と息子が「まさか半キロを一人で食べたんじゃないだろうな」と驚愕したのですが、実は....ほとんど1人で、ほとんど1回で食べきりました。

食後唇がぬらぬらと脂でてかって、熱に浮かされたようになりましたが、食べ飽きるということは全くありません。
夜、「次の朝もまた食べよう!」と楽しみにして眠りにつきました。

ちゃんと翌日の朝食用に残しておいた8尾はフライパンでこんがり焼いて塩をかけてトーストと食べました。
ホレイシオには2尾やりました。

夫が起きだす何時間も前に早起きして朝食を食べ、換気も終えました。

大満足です。
次回はご飯と食べる時に天ぷらのおつゆを試してみてもいいな、と思いました。
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中国人が調理した、イギリス人向きにアレンジされたイギリスで食べる中華料理に、イギリス人の食事習慣を見る

2020年06月19日 09時00分00秒 | イギリスの料理、食べ物
私のうちでは家族の誕生日に必ず外食することになっています。

.....と言ってもあいかわらずのロックダウン、レストランもパブも営業停止、外食は無理なので先日の夫の誕生日には、中華料理をデリバリーしてもらいました。



先月の息子の誕生日はインド料理、今度は中華をウェッブサイトで注文しました。
やはりカードでオンライン決済、現金のやり取りは一切なしです。
配達員はドア・ベルをならし、ビニール袋に入った注文品を玄関ポーチの上において道路にとめた自分の車まで戻ります。

配達先の家の人が袋を手に取るのを見届けてから立ち去る、ロックダウン中の配達儀式がまた厳粛にとりおこなわれました。


さて、イギリスで中華料理を食べる時、私が必ず注文するもの、それはクリスピー・チャウメイン chrispy chow mein

(下の写真の右側です)


イギリスに住む、香港から移民した中国人にはおなじみらしい、硬いパリパリした焼きそば(=チャウメイン 炒麵)です。


イギリスに住む中国人移民のほとんどは香港から来た広東系の人たちです。
だから、イギリスで人気の、中国人が経営するチャイニーズ・レストランやチャイニーズ・テイカウェイ(持ち帰り専門店)で料理されるのはほとんどが「広東料理」なはずなのですが....

イギリスでも、中国人が移民した多くの国と同様、中国系移民が現地人向けに考案した「ご当地風広東料理」が人気です。
多くのイギリス人には不評らしい(中国人がそう言っています)香港式の「硬い焼きそば」は、メニューに載ってないことが多いようです。

イギリス人はとにかくべちょべちょねちょねちょした食感を好む人が多いらしく、「チャウメイン (炒麵)」といえば、蒸した中華そばにとろみをつけた甘辛いソースがすでに絡めてある状態で出てきた料理のことをさします。

それでも、クリスピーをたのめばたいてい特別に出してくれます。
店の経営者や従業員、母国の味を楽しみたい香港系中国人の客向けに用意してあるのでしょうか。

今回たのんだこの店では、サイド・ディッシュとして、「クリスピー・チャウメイン」が単品で販売されていました!



やった、念願の硬い焼きそばに好みのソース(あん)をかけて食べられる!
.....というわけで、八宝菜のように炒めた具材をとろみのついたあんかけソースでまとめたチャプ・スイ chop suey (雜碎) を単品でたのみました。
(下の写真の右側です)

息子は、チャーシュー・チャウメイン char siu chow mein(叉燒炒麵)を注文しました。
(下の写真の左側、赤っぽい色のソースです)



チャウメインを注文すると、蒸した麺がソースと混ぜてあるのが普通なのですが、今回はチャーシュー・チャウメイン も麺とソースが別々の容器に入って届けられました。
クリスピー・チャウメインを単品で注文したために、2種類のソースを2人で分け合って食べるつもりだと思われて気を利かせてくれたようです。

テイカウェイやデリバリーで注文したクリスピー・チャウメインが ソースといっしょの容器に入ってくることはまずありません。
べちょべちょになってしまい、せっかくのパリパリ麺を注文した意味がなくなってしまいますから。



クリスピー・チャウメインにスペシャル・チャプスイをかけて、日本人好みの「かた焼きそば」の出来上がり。


おいしかったです。

ちなみに、チャプスイというのは、アメリカ合衆国でアメリカ人向けに作られ始めた「アメリカ式中華料理」だそうです。
イギリスだけではなく、カナダ、オーストラリアなど中国人移民が定住している他の英語圏の国々にも広まって人気です。


息子のチャーシュー・チャウメイン。



ところで、話は少し変わります。
私が麺にかけて食べたチャプスイやほかの料理(ゆるめのソース風が人気です)はご飯といっしょに食べられるのが普通です。

そして、イギリス人はご飯類をゆるい料理なしには絶対に口にしないということをご存知でしょうか。
日本人のようにご飯とおかずになる料理を箸で少しずつ口に運びながらいっしょに食べる、ということも絶対にできません。

以下、イギリス人の食事習慣はあくまで一般論です。

中華料理屋でごはん茶碗に盛られて出されたご飯は必ずゆるい料理の入った大皿にポイ、とあけられビチョビチョに浸されて食べられます。

その逆に、茶碗のままのご飯にゆるい料理をかけて食べることは絶対にありません。
日本料理でも同様、煮魚やお酢のものの小皿や小鉢にポイ、とご飯をあけて、お米の一粒一粒がしっとりとした汁で潤うまでしっかりと攪拌してから食べます。

日本人にはとても見苦しい光景です。

ごはん茶碗はとりわける(等分な量を計って食卓に供する)ためだけに使われるものと思われているようです。
食器を手に持って食べる習慣が全くないのですから。

もちろん「中国人や日本人はそういうことはしません」と説明されたら、客として呼ばれた人はたいていやめますが、じゃあどうやったら味のないご飯を食べられるのか説明しても「口の中で混ぜる」のが実行できない人が多いのです。

客として呼ばれた人は呼ばれた家のマナーに反することはしないようにする心遣いがあるのですが、例えばうちの夫など、自宅で私が作った日本料理を食べる時、最初の間しばらくはご飯を浸して食べるための汁気のあるおかずを必ず要求しました。

焼き魚などを出すと まず魚だけを食べきったあと、ごはんにはたっぷりのおしょうゆをかけて、あるいはみそ汁にご飯を入れて食べる習慣をやめませんでした。
子供たちが同じことをやろうとするのを私がやめさせようと躍起になり始めるまでは....
「自分のうちでは食事ぐらい好きなように楽しませてほしい」と強く要求していた夫には日本の食事マナーを押し付けるのはあきらめていたのです。
が、さすがの夫も「子供が日本人の母親がこだわる日本式テーブルマナーを無視するのを許してはいけない」と思い始めてくれたようです。

今では鮭の塩焼きと白いご飯を汁に浸さないでもそのままおいしそうに食べてくれるようになりました。
いまだに口の中で混ぜる食べ方は苦手なようで、ほぐした身をご飯にまぶして食べていますが。

まあ、今でも中華料理を食べる時は「ご飯のべちょべちょ食べ」を容認しています。
夫も子供たちも汁に入れたほうがご飯はおいしいと思っているらしいので。
中国人もやらないそうです。(留学中に知り合った台湾人の学生も「気持ち悪い」と言っていました)

この日は、エッグ・フーヨン egg foo young (芙蓉蛋=かに玉)と、イギリス式チップス Chips (=ポテトフライ)に.....


中国式の甘ーいカレーソースをたっぷりかけてぐちゃぐちゃ崩して食べる、テイカウェイ/デリバリーならではのイギリス式中華料理を夫は思いっきり楽しみました。

(日本人の私はやりません、できません。中国人もやりませんよね?)













チャウメイン chow mein (炒麵)
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食べた!話題の(?)ビーガン・ステーキ・べーク

2020年02月21日 09時00分00秒 | イギリスの料理、食べ物
またまた、リキャップ!
ビーガン vegan の話題に戻ります。


カフェも併設され、買った商品が店内で食べられるおなじみベーカリーのチェーン店、グレッグス Greggs のステーキ・べーク stake bake、ビーガン版を食べました!


グレッグスのステーキ・べーク、ビーガン版について書いた以前のストックポート日報の記事のリンクです☟
(ビーガン、ベジタリアン、ペスカトリアンなどイギリスの菜食主義事情について書いたさらに以前の記事のリンクも記事中に貼ってあります)
今話題のビーガン食、ソーセージモドキで話題のベーカリーが第二弾を発売!どこでも食べられるわけではないらしい...


前回行った行きつけの、景気が悪そうなショボい通り、プリンセス・ストリート支店ではやはりまだビーガン版ステーキ・ベークを販売していません。例のコピーしたペラペラ表示がガラスケースの上にタルンと立てかけてありました。

親切な店員がメインストリートの店に行けばあるはず、と教えてくれました。

5~6分歩いたところにある、さすがに人通りが多く活気のあるショッピングエリアの中心に近いこの支店にはちゃんとおいてありました!


びっくりするほどおいしかったのです!

「ビーガン」と言われなければ気がつかないほど本物のビーフ「肉版」と味も舌ざわりもそっくりです。

ビーガン/ベジタリアン用の大豆たんぱくや、マイクロ・プロテイン(菌類)で作られた「肉モドキ」は概して言えばすべてスカスカした食感で味も淡泊すぎて物足りないのです。
濃い味のグレービーでトロトロになるまでしっかりと煮込んだ角切りのビーフのステーキ・べークはビーガン・バージョンを作るのに向いています。

濃い味付けと肉の食感がなくなるまでやわらかく煮崩された「本物肉版」のマネは肉モドキの「スカスカ淡泊」をごまかすのにぴったりです。

ね、ビーガンでもベジタリアンでもない私たちには「ビーガンやベジタリアンたちは肉を食べないことに決めたはずなのになんで(彼らが嫌悪すべき)肉の味を求めてステーキ・べークモドキなどを食べたがるんだろう??」と思えますよね。

答は明解;ベジタリアン歴30年のうちの夫(正確にはペスカトリアン)に言わせると「バラエティが欲しい。食べられるものの範囲を広げたい」のだそうです。
納得?
私は納得しているつもりです。
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今話題のビーガン食、ソーセージモドキで話題のベーカリーが第二弾を発売!どこでも食べられるわけではないらしい...

2020年02月08日 09時00分00秒 | イギリスの料理、食べ物
最近のビーガン事情について詳しくレポートしたストックポート日報の記事の追加記事です。

マージー・スクエア Mersey Square にあるベーカリー、グレッグスGregg's の入り口に、話題のビーガン・バージョン第二弾!!ビーガン・ステーキ・ベイク vegan steak bake の発売開始を宣伝する立て看板がありました。


マージー・スクエアはバス・ターミナルや、ロンドンとイングランド国境の都市、ニューカッスル・アポン・タインを結ぶ国道A6に接するストックポート・タウンセンターの入り口です。

店の奥から外にまで伸びる長い列はビーガン・ステーキ・ベイク目当てのビーガン客だとは考えられません。
お昼時にはいつも込み合う店なのです。

座って温かいパイ類や肉類の入ったペイストリーを買って中の喫茶コーナーで食べることができます。
場所柄、買い物客や、バスを待つ人たちがベンチに座って外で食べたり、職場に持って帰ったりの持ち帰り需要も非常に高いベーカリーです。

話題のビーガン・バージョン第一弾のソーセージ・ロール sausage roll(ビーガン、ベジタリアンなどの菜食事情を詳しく、ソーセージロールに関してもちょこっと説明をのせた最近の記事のリンクを一番下に貼りました☟)が発売された時、おそらくビーガン運動の高揚のためでしょう、各地のグレッグスで、ビーガン/ベジタリアン客が店頭に列を作って新発売を歓迎した、と各メディアで報道されました。

ベジタリアンでもビーガンでもない私も「買って食べなきゃ!」と思ったのですが、用事があったので後回し。
お昼時を過ぎたあと、ストックポートに3軒もある!グレッグスの別の店に寄ってみました。

あ、前回ソーセージ・ロールを買って食べた支店です。

ショック!


「ものすごく楽しみにされていたでしょうに、ご期待に沿えず申し訳ありません。当店では今のところビーガン・ステーキを販売しておりません」
というよれよれコピーを透明の袋にいれたお知らせが...


もしかして....ビーガン・バージョンのステーキ・パイってあまり需要がないんじゃぁ...?

話題作りに欠かせないからノッただけで、この支店がある、チャリティー・ショップと1ポンド均一店とキャッシュジェネレーター(スマホなどを現金とかえてくれる店)や伝統的な質屋が軒を並べるショボい通り(シャッター街でもある)おなじみのプリンセス・ストリート Princes Street では比較的社会意識のある知的階級の人が多いといわれるビーガンの来店はあまり望めない....と踏んだのか...?
ソーセージ・ロールとステーキ・べークの2大肉入りペーストリーの両方の「ミートフリー版」を用意する必要はない...?
.....考えすぎかもしれませんね。
とにかく、新発売のビーガン・ステーキ・べーク、食べそびれました。

代わりに買ってボランティア先の休憩室で食べたのはこれ、チーズ&オニオン・べーク cheese & onion bake です。


もともと肉を使わないレシピなのでベジタリアン食にも適応します。
もちろんチーズがメインの具なのでビーガンの人が食べるわけにはいきません。

ステーキ・べークは刻んで茶色く炒めたシチュー用の牛肉を野菜といっしょにコクのあるグレービーでトロトロになるまで煮込み、サックリしたパイ皮で包んだペイストリーです。
販売しているグレッグスで買って食べてみるつもりです!


なぜか, 今ブーム!身近になった?それでもかなりハードルが高い完全菜食主義、ビーガン...本場イギリスでの近況

イギリスの菜食事情、昨日の続き....すっかり市民権を得たベジタリアンに現在、おしゃれなブームのビーガン考
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国威高揚、ユニオン・フラッグをのせてみた、イギリスの庶民の食卓にふさわしいフィッシュ・パイ

2020年02月06日 09時00分02秒 | イギリスの料理、食べ物
ブレクシット決行祝いにユニオン・フラッグのフィッシュ・パイ fish pie を焼きました。


...悪いジョークです。
ペスカトリアン pescatorian(魚は食べるベジタリアンの一派です。菜食主義について書いた先週の記事のリンクを一番下に貼りました)の夫が食べたい、と言ったので作ったのですが、マッシュポテトの表面にフォークで筋をつけたユニオン・フラッグに気を悪くしました。

...気を悪くしたふりのジョークです。
フィッシュパイにはとても喜んでくれました。

さいころ型に切られた冷凍の魚(ハドック、コッド、鮭)の袋入り400gを使いました。
スーパーで fish pie mix として売られています。

スープの素(ブイヨン)の顆粒を振りかけて炒めた残り物の野菜とフィッシュ・ミックスを、バターで炒めた小麦粉をゆっくりとミルクでのばしたデミグラス・ソースに浸し、マッシュポテトでふたをします。


ポテトの表面に軽く焼き色がつくまで高温のオーブンで20分ぐらい加熱します。

クリームの絞り出し器を使って角のようにぴんぴんとんがったメレンゲのように飾り付けたマッシュの写真をお料理ウェッブサイトなどでよく見ます。
一般家庭では波型、ジグザグ模様をつけることが多いようです。


ユニオン・フラッグは見るのも嫌だ!と言いつつも、対角線、さらにタテヨコ十字に線を引きたくなる長方形のパイ・ディッシュ。

ブレクシット推進派が国威高揚のためにやたらに振りかざしていたユニオン・フラッグはもうかなり見飽きているのです。

一家そろってブレクシット絶対反対派の我が家の昨日の食卓です。




以前にこのフィッシュパイについての記事をのせた時に、「パイ皮がかかってないのになぜパイか?」という質問をコメント欄にいただきました。

パイ皮じゃなくてもとじてオーブンで焼いてあればパイなのです。
マッシュポテトでとじた(マッシュポテトをのせた)「パイ」は他にもあります。
ラムのひき肉と野菜が入ったシェパード・パイ shepard's pie、ビーフのひき肉と野菜が入ったコテージ・パイ cottage pie...ひき肉の入ったパイはそもそも前日にローストした肉のあまりを使い切る無駄を出さない料理なのです。

夫が肉を食べないベジタリアン (いえ、正確にはペスカトリアンですが)なので、うちではベジタリアン用の冷凍「モドキ・ミンス」をわざわざ買ってきて使います。

あまり一般的ではない、うちの夫の「おふくろの味」らしい、豆を煮た濃いスープにマッシュポテトを厚くのせて焼くレッド・ドラゴン・パイというのも作ってみたことがあります。
子供たちの評判があまりよくなかったので、作って食べてみたのは一回きりでしたが。

イギリスは欧州連合(EU)からはなれ、いよいよ経済的にも独立国家になったわけなのですが....実情は何も変わりません。

離脱決行当日の記事です(一部書き換えた個所があります)
ヨーロッパ連合と決別した国粋主義国イギリスのお先真っ暗な先行きを暗示するお下劣ポスターと俗悪ジャーナリズム

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モドキ感たっぷり、似ても似つかぬ寂しいベジタリアン食材、プルドポークを使ってイギリスの定番中華を作る

2020年02月02日 09時00分00秒 | イギリスの料理、食べ物
以前の、ビーガン vegan 記事に写真を載せたベジタリアン食品の高級ブランド、リンダ・マッカートニー Linda McCartney's のプルド・ポーク pulled pork (冷凍の食材です)で中華風のチャウメン(焼きそば)を作りました。




凍ったまま、の状態です。


う、おいしくなさそう....
ビーガン食生活に適応するビーガン協会の認定証が袋にプリントされている、大豆たんぱくと小麦粉を使って作った肉モドキの「プルド・ポーク」です。
プルド・ポークは、低温で長い時間かけて調理した、引っ張るとホロホロほぐれる、やわらかく調理されたポークなのですが.....見た目はぜんぜん似ていません。
凍った状態で昔、日本の学校給食で食べた懐かしい魚肉ソーセージのようなエグイにおいまでします。

「キャットフードにそっくり!」と思ったのですが黙っていました。
(せっかく黙っていたのに同じことを思ったらしい夫が口に出して言いました)

イギリスで中華風といえば、これ。


スーパー、アスダの自社製品、出来合いの広東風中華ソース ASDA Cantonese Cooking Sauce を買ってきて混ぜるだけ。
材料は米酢、しょうゆ、砂糖、生姜に片栗粉、...と書いてあります。
とろみのある茶色の甘辛ソースです。たったの79ペンス(113円)です。

ベジタリアン協会(ビーガンではない)承認証付きです。

うどんより細くて硬めの小麦粉のゆで麺もアスダで買ってきて4玉炒めました。

赤いピーマン、葉だけを食べるほうれん草の仲間のスピニッチ spinach とこれ、パクチョイ pak choi も入れました。


パクチョイの漢字は、思った通り、「白菜」でした。

日本の白菜と違う!
中華の材料としてイギリスのスーパーで売られている日本の白菜と同じものは、チャイナ・リーブス China leaves と呼ばれています。

ついでです、グーグルしたら何でもすぐに明解が得られる便利な世の中です.....調べました。
チャイナ・リーブスもパクチョイもどちらも中国語で「白菜」でした。同じものだそうです!
パクチョイの方が若いだけらしいのです。

調理されたプルド・ポークモドキははまるで缶詰のツナ・フレークみたいでした。



製品の袋の写真のようなおいしそうな茶色になるまで、まず「肉モドキ」プルド・ポークだけをじっくり炒めるべきだったのかもしれません。

それにあんなにたくさんの量(袋いっぱい)入れたのに炒めたらしぼんでどこにあるのかよくわからなくなりました。
見た目にはがっかりでしたが、濃い味の広東風ソースの味がよく滲みて夫と息子には好評でした。

ただし、夏の屋外のフェアなどでサクサクと切り分けて分厚いパンにのせて食べるジューシーな本物ポークのプルド・ポーク(ねっとりしたタレとパリパリの皮とアップルソースを上に載せて食べるとほっぺたが落ちそうなぐらいおいしいのです!)とは似ても似つかぬ寂しい食感です。

食後、歯にカスがいっぱいはさまった点だけが本物ポークにそっくりでした!
半額だから買って試してみたのですが、これで3ポンド(正価)は高いですよ。

ベジタリアンの人たちにとって、ベジタリアン食の「肉モドキ」ってどんな意味合いがあるのか?!

「モドキ肉は別に入れなくてもよい、野菜だけで充分炒め物は楽しめる」と食べられるものにバラエティーがあるのがうれしい、と説得力ある答えを言ってくれたベジタリアンのうちの夫が言いました。(前回のビーガン記事を読んでください。リンクは下に貼りました)

「モドキ・バーガー」や「モドキ・ミートボール」などや、私や息子がステーキなど肉もの料理を食べる際、夫に出す定番のチーズとカリフラワーのフライやエスカロープなど、評判の良い出来合いのベジタリアン食(冷凍)も、機会を作ってご紹介します。

ビーガン食に関する考察の記事のリンクです☟一部書き換え、説明を書き足しました。

なぜか, 今ブーム!身近になった?それでもかなりハードルが高い完全菜食主義、ビーガン...本場イギリスでの近況

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2020年01月31日 09時00分00秒 | イギリスの料理、食べ物
ベジタリアン vegitarian(通称 べジィ veggie) とビーガン vegan 、昨日の続きです。

グレッグスのビーガン・ソーセージロールと同じころ、KFC(ケンタッキーフライドチキン)でもビーガン・バーガー vegan burgar を売り始めました。


ベジィ(正確には魚介類は食べるペスカトリアン)の夫が「食べてみてもよい」といったので、息子と二人でKFCまで買いに行きました。


ノン・ベジィ(肉を食べる人)の私と息子はクラシックなフライドチキンを3ピースずつ買って食べました。

KFC製品を初めて食べた夫によると「まあまあだ」そうです。
濃い味のソースが欲しかったとも....

やはり肉を使っていない「チキンもどき」は味が淡泊なようです。

材料は、おなじみクオーン Quorn 社製マイクロ・プロテイン micro protein 。KFCのウェッブサイトで調べました。
フライドチキンと同じ11の極秘スパイスでコーティングされているそうです。
卵を使わないビーガン協会認定のマヨネーズがかかっています。

ベジィが全人口に占める割合が非常に高いイギリスでは、たいていどこのレストランに行ってもメニューにベジィ・オプションがあります。
それこそ、パブはもちろん、ステーキハウスやマクドナルド、インド料理、中華料理屋や「和風」ラーメン店にも、です。

スパイスの効いたタレに漬けこんで焙ったチキンが評判のポルトガル料理チェーン、ナンドー Nando に、ベジィ(正確にはペスカトリアン...くどいですね)の夫と先週行きました。
「ベジタリアン・オプションのハールーミ・バーガーがおいしかった」と友人が言っていたので。


ハルーミ halloumi は粗く練ったカマボコのような食感の、キプロスのヤギの乳のチーズです。イギリスでは古くからなじみがあります。
ポートベロという、傘の大きなキノコといっしょに特製のタレに漬けこまれて焙ってありました。

なかなかのアイデアです。
夫は「鶏モドキを使っていないところが気に入った」と言っていました。

ちなみに、これは人気のチキンの4分の1。


ハルーミ・バーガーはチーズ(乳製品)製なのでビーガンには適応しません。


「焼き鳥屋」であるナンドーのウェッブサイトによるとべジ・バーガー veggie burger とピタブレッドのメインに、フムス houmous(ヒヨコマメのパテ)やサラダ、ポテト類などビーガン対応もカンペキだとうたっています。

「え、ベジタリアンがどうしてわざわざ、ステーキハウスやポルトガルの鶏料理やに行く!?」と思うでしょう?
行くんです!ベジィはベジィ・オプションがどこに行っても用意されていることを期待しているのです。

「イギリスの中流階級の女性の3分の1(諸説あり)がベジィ」と言われている現在、ある程度の人数で会食するグループのメンバーに1人もベジィがいない、とは考えにくいのです。
すべての人が食べられるメニューを用意しておくことが飲食店の成功のカギであるのは間違いありません。


そんなイギリスでも、今回のビーガンバーガー登場までなぜか KFC にはベジィが食べられるものがなかったのです!!
突然登場!しかもベジタリアン・コンセプトを飛び越えた、食べられる品目の制限が厳しくより一層実行が困難とされるビーガン・バージョンです!

それほどまでに話題作りにもってこいのビーガン食品!

前回も書いたように、ブームなのです。

さて、昨日はベジィ・スパゲッティ・ボロネーズを作りました。




月に2回は作る、うちの定番です。
スーパー、セインズベリ―の自社商品の「べジミンス vegee mince(一般名)」を使いました。


商品名はええと、Meat Free Mince、大豆たんぱく製 だそうです。ビーガン食にも適応します。

冷凍庫には、ベジタリアン食品の草分け、クオーン社オリジナルのマイクロプロテイン製、クオーン・ミンス Quorn Mince (登録商標)の開封されていない袋もあります。


(あら、こちらはビーガン適応ではありません!!)

昨日のビーガン適応冷凍ソーセージといっしょに、ベジタリアン食品の高級ブランド、リンダ・マッカートニー Linda McCartney's のプルド・ポーク pulled pork も買いました。


リンダ・マッカートニーの冷凍食品のいくつかが半額でした。

プルド・ポークというのは棺桶のようなアルミの缶に入れて低温で長い時間をかけて調理された、引っ張るとホロホロほぐれるやわらかーいポークです。

まさか、プルド・ポークのベジタリアン食が発売されていたとは!
小麦粉と大豆でできているそうです。

袋の写真のような中華風のヌードルに使うつもりです。

べジ・ミンスなどのベジィ用の食材はもう30年以上も売られていて、夫がベジィの私の家でもずっと使っていました。

去年あたりから始まったビーガン・ブームの広がりはとどまるところを知りません。
ビーガン生活を実践している人だけではなく、興味を持って食べてみる人も非常に多いらしく、市場の可能性は限りがないということらしいのです。
ビーガン食材が次々と開発されていますし、レシピも雑誌やテレビやオンラインで次々に紹介されています。
実際、色鮮やかでおいしそう、食べてみたらおいしいし、実行するのも意外といたやすいかもしれない...と思われるこの頃です。

なにせ、あのKFCでビーガン・バーガーを売り出すほどなのですから!!

ほんらい肉や魚だけではなく、卵や乳製品まで断つ生活をずっと続けるのはかなりの覚悟がいるはずだったのです。
明らかに流れが変わってきています!

かわいい動物を殺すにしのびない、魂がある動物の肉体を自分の体に入れると汚れるなどという本来のビーガン理念のほか、健康に良いらしいという理由でビーガンになる人も増えてきています。
そして、今は環境問題...家畜を放牧するために森林が切り開かれたり、家畜が呼吸すると二酸化炭素が...家畜の飲み水が水不足を引き起こすとか..ビーガンが増えれば止められそうな環境破壊現象がいろいろあるようです。
.(確かにもっとなのですが、ビーガン実践なんてハードルの高いことを実行するよりもっと環境のためにするべきことがありそうだ、と思ってしまうほど説得力が低いです)

ビーガン生活を実行するのは「意識が高い」ステータス表現のようで、おしゃれなことに思われているようなのです。

日本食品の普及もビーガンブームに影響しているかもしれません。
今やイギリスでも一般的なミーソー、トーフー、ソイ・ソース(しょうゆ)、わかめ、海苔は理想的なビーガン食材ですから。

ちなみに...
魚介類は食べる「ペスカトリアン」の私の夫は、「自分はベジタリアンだ」と自己紹介しています。
イギリスの多くのペスカトリアンもそうしているようです。お食事に招待される、一緒に食事をしに行くなどの機会には必ず「でも魚は食べます」と言い足すのが普通です。

「あ、じゃあ あなたはペスカトリアンですね」と言われることもあるそうです。
じゃあ最初からペスカトリアンだと自己紹介したらどうだ、と思いませんか。どうやら食事の予定などがない場合わざわざ細かく言わないで「ベジタリアン」で済ませるのがスマートなようです。ペスカトリアンもベジタリアンの一派なのですから。

じゃあ、ビーガンもベジタリアンの一派だと言っていいのでは、と思うでしょう。(広義にはその通りなのです)
ビーガン(実行者)はベジタリアンと混同されるのを好まないようなので注意が必要です。

ベジタリアンの夫と結婚して3回に1回は付き合いでベジタリアン食を口にすることになるまで私も疑問に思っていたことがあります。
「ベジタリアンやビーガンの人は自分からすすんで困難な食生活を続ける誓いを立てたくせにソーセージ・ロールやKFCやプルド・ポークやその他もろもろの肉料理に未練があるのか...!!?」

夫の答は明確です。
バラエティ―が欲しい、のだそうです。
肉モドキを食べるのは肉が食べたいからではなく、食べられるものの種類を増やしたいからなのだそうです。

野菜と果物それに穀類、豆類だけの味気ない食事を連想しがちなビーガン生活ですが、KFCもオッケーなんですよ、今では!!


べジィとノン・べジィに分かれた夫婦そのものはそれほど珍しくないのですが、私たちのように夫がべジィで妻がノン・べジィというのはけっこう珍しいようです。
ベジタリアンの80%は女性だそうです。
妻やティーンエイジャーの娘がべジィにまず改宗し、夫や父親を説得して家族ぐるみべジィになるケースが多いと聞きました。

夫が結婚前からべジィなのに改宗しない妻(私)というケースが珍しいようなのです。
私は肉を食べる生活をやめるつもりはありませんが、夫のためにべジィ料理を作って付き合いで食べるのはちっとも苦になりませんが。

KFCの店内で....


...見かけた、創業者であり、マスコットでもあるカーネル・サンダースのシンボル黒いリボンタイを模した椅子を見かけました。


薄暗い店内の壁に映し出される音なしCM映像を、注文した品が出来上がるまで見ていました。
イギリスのKFCで調理されるニワトリはすべてイングランドと北アイルランドの契約農家で飼われているフリー・レンジ・チキン(放し飼いのニワトリ)だと明言していました。

フリーレンジの解釈は一般の消費者が考えるよりはあいまいで、実際は解放された戸外へのアクセスが多少ある「舎飼い」であることが多いのだそうです。
...が、しかし檻に閉じ込められたトリではないことがわかり、ほっとしています。

日本のケンタッキーフライドチキンの店頭に必ず立っているカーネル・サンダース像よりずっと老けた実写の創業者Mr サンダースが「きみもチームの一員にならないか」と就職希望者を募っていました。



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なぜか, 今ブーム!身近になった?それでもかなりハードルが高い完全菜食主義、ビーガン...本場イギリスでの近況

2020年01月30日 09時00分00秒 | イギリスの料理、食べ物
全国展開のイギリス最大手ベーカリー(パン屋)のグレッグス Greggsで、ビーガン vegan のソーセージ・ロールが売り出され、大きな話題になりました。


グレッグスの「喫茶コーナー」で食べてみました。


手前が話題のビーガン・バージョン、奥がクラシックなポークのひき肉を使ったソーセージ・ロールです。


ソーセージ・ロール sausage roll は とてもイギリスらしいスナック・ミール(軽食になるおやつ)です。
棒状にのしたソーセージのなかみ(ポークのひき肉とハーブ類)をサックリしたパイ皮で包んでオーブンで焼いてあります。



グレッグスで人気の、昔ながらのポークを使ったソーセージ・ロールと食べ比べてみました。



値段は同じです。
昔ながらのポークを使ったソーセージ・ロールの方がこってりしていて断然おいしいかったです!
ビーガン版はスパイスなど風味は上手に似せてあるのですが、マイクロプロテインなる人口の食材を植物油で練ってもスカスカした食感はごまかせません。

パイ皮においしそうなテカリがないのもビーガン食品らしいですね。
卵やミルクを塗るわけにいかないのですから。


さて今日の話題、ビーガンです。完全菜食主義(者)という日本語訳があるにもかかわらず、日本ではなじみがなく実践者も非常に少ないと聞いています。

ベジタリアン vegitarian は動物の肉を食べない菜食主義(者)だということは日本でも知られていますね。
イギリス全土に300万人以上いるそうです。(2018年の統計)

動物の肉は食べないベジタリアンも、卵や乳製品は食べます。

ビーガンは卵や乳製品すらも口にしないばかりか、革製品も拒否します。
石鹸や化粧品などにも動物性脂肪やコラーゲンなどが成分として使われていないことを保証するビーガン・マークを確認します。


動物由来の製品を一切口にしない、使用しない習慣を実践している人たちです。

昨日、夕食にバンガーズ&マッシュ bangers and mash を作りました。


ソーセージをマッシュポテトにのせたおなじみイギリス料理です。

今回は、ベジタリアン冷凍食品の高級ブランド、リンダ・マッカートニーブランドの、「肉もどき」ソーセージを使いました。


リンダ・マッカートニーは、動物の肉を一切使っていない、ベジタリアン向き冷凍食品、食材を製造販売する人気ブランドです。
創業者のリンダ・マッカートニー(故人)は元ビートルズのポール・マッカートニーの妻で動物の権利擁護運動の活動家でした。

この Linda McCartney's Outrageously Succulent 6 Vegitarian Lincolnshire Saousages (長い製品名!)は動物の肉のみならず、乳製品や卵も使われていないのでビーガンの食生活にも適応することが保証されています。


豆類の蛋白質が主成分と箱に書かれています。
やはりコッテリ度はいまひとつです。
でも、よく炒めたトロトロの玉ねぎを加えて濃く溶いたインスタントの(ベジタリアン仕様)コクのあるグレービーをかければ、肉なしソーセージの淡泊さがかなり補なわれて、おいしく食べられました。

ポテトと、サツマイモ それに、ささがきにしたセルーリヤック(食用ではないセロリの球根)の、3種類のマッシュを作りました。
ビーガン家庭ではない私たちが食べるポテトのマッシュにはビーガンは拒否するミルクを使ってやわらかく仕上げました。

ビーガン、ベジタリアン、それに(うちの夫のような)魚介類は食べるペスカトリアン pescatorian について詳しく書いた過去のストックポート日報の記事のリンクをいちばん下に貼りました。ベジタリアン生活に適応した食品も多く載せています。
ぜひ読んでみてください。

現在イギリスではビーガンが大ブームなのです。
そう、動物性の食品に関するもっとも厳しい決まりのあるビーガン食が、ペスカトリアンやベジタリアンを飛び越えて注目を浴びているのです。

驚いたことに、イギリスには連合王国の全人口の1.16%にあたる60万人ものビーガン生活を実践しているビーガンがいるそうです。(2018年の調査)
350万人説!もたびたび現れるのですが、「私の周りにベジタリアンはけっこういるけど、ビーガンはみかけないなぁ、いるところにはもちろんいるんでしょうけど...」という大多数のもっともな意見から考察すると、350万はいくら何でも水増しし過ぎ、というのが定説です。

60万は少なく見積もって....ということだそうですよ。
少なくとも60万人はいるということです。

ちょっと長くなりそうなので、以下は明日に続きます。


肉モドキを使った定番家庭料理と、イギリスのベジタリアン事情再び


夫の手料理、ビーガン食、食材調達はマンチェスターの老舗ビーガン御用達のオーガニックスーパー

イギリスの食生活の一面...べジタリアンとヴィーガン御用達の学生街のおしゃれなカフェ
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落ち着いて食事ができる地元のパブで、ローストディナーの夕食....のはずが庶民派ざわざわパブの名残は消せず....中途半端なコンセプト

2019年11月14日 22時08分07秒 | イギリスの料理、食べ物
雨がしとしと降り、冷たい風がビュービューふきつける、6時にはもう真っ暗な典型的なイギリスの11月の夕方です。


昨日、新装開店した近所のパブ、ジョリー・セイラー Jolly Sailor で夕食を食べました。



新装開店前のジョリー・セイラーは、住宅街にある典型的な「地元パブ」でした。

昔ながらのパブらしさはなく、日本の「ファミリーレストラン」のように 明るく親しみやすく、おしゃれとは言えない内装で、大音量のポップミュージックがかかり、サッカーの中継映像がたくさんのテレビ画面にうつしだされ....といったざわざわした雰囲気の現代的パブでした。

数年前以来しばらく閉店状態が続いていました。

その後 レストランパブ・チェーン店が経営を引き継ぎ、2か月前に思いっきりおしゃれな内装の ゆったりした雰囲気で食事ができる、グルメレストラン風コンセプトの「ビストロ・パブ」にさま変わりしました。

開店直後に行ってみた後、2度目です。

前回に引き続き、イギリスのパブならでは!のカーヴァリー carvery を注文しました。





カーヴァリーというのは、ローストしたさまざまな肉を、目の前で切り分けてお皿に盛りつけてくれる、イギリス独自のサービス・スタイルです。
(今、調べてみたところ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどのイギリス傘下のコモンウェルス諸国でも一般的だそうです)

イギリスのパブやホテルではおなじみですし、カーヴァリー専門のレストランも多数あります。



私は中華風ロースト・ポークをほんのちょっぴり(味見がしたかったので。甘辛タレを絡めたチャーシューのような味でした)と...


ロースト・ビーフ roast beef をとりわけてもらいました。
2種類あわせてちょうど1人前のポーションになるように調節してつけてくれたと思います。

他甘辛ゴマダレの中華風ロースト・ポークの他には、ピンクの切り口をさらすガモン gamon(塩漬けポーク、塩辛いどっしりしたハムのようなものです。日本で食べる機会がないと思います。おススメ)、ロースト・チキン、ロースト・ラム(コヒツジ)が用意してありました。

付け合わせの、ごく一部......


甘くないホットケーキミックスのような粉をゆるく水で溶いて、油をひいたくぼみのあるオーブントレイに流し込み オーブンで焼いた ヨークシャ・プディング Yorkshire pudding は本来はロースト・ビーフの付け合わせなのだそうですが、カーヴァリーではたいていの人がとっていきます。

私は切り分ける肉のすぐそばに積んであった特大サイズの出来立てのアツアツをもらいました。

付け合わせやソース類は好きなものを好きなだけ好きなだけとっていいのもカーヴァリーの特徴です。

ローストしたクージェット cuget(ズッキーニ)の輪切り、甘く炒めた玉ねぎ、マロー・ピー marrow peas という緑の豆をやわらかく煮てつぶしたマッシー・ピーズ mashy peas、本来は鶏肉の詰め物にする、パン粉とハーブをお湯でふやかして丸めてローストしたスタッフィング stuffing ...が写真に写っています。

他に、色鮮やかに煮たブロッコリー、ニンジン、チーズソースをからめてローストしたカリフラワー、煮たざく切りキャベツ、ブラッセル・スプラウト brussel sprouts(芽キャベツ)パースニップ parsnips(甘い白いニンジンのような根菜)そして、ローストの付け合わせにはなくてはならない外がこんがり、中がほくほくのロースト・ポテト roast potetoes が用意してありました。

グレイビー gravy (ソース類)各種。


右側手前が 一番一般的な、肉脂が溶け込んだこってりトロリとしたタイプです。

ペッパーコーン pepper corn というのはコクのあるホワイト・ソースに粒胡椒をはじめ様々なスパイスを混ぜ込んだイギリス特有らしい肉用のソースです(私はインスタントミックスを買ってきて作ります)

野菜だけ付け合わせにとったベジタリアンのために、動物の脂が一切含まれていない、小麦粉でとろみをつけたグレイビーも用意されています。

手前のクリーム色のポットに入っている付け合わせソースはそれぞれ、ラムに添える深緑色のミント・ソース、ポークに添える黄色いゼリー状のアップル・ソース、ビーフに添える白いとろみのあるホースラディッシュ・ソースです。

甘いチャツネ類(漬物)も各種用意されていました。

私のディナー(とりわけ例)


もっとたくさん盛り付けたいけどスペースがたりない!という場合は巨大なヨークシャ・プディングの中に詰め込むといいでしょう。

お腹いっぱい、十分楽しめたのですが.....

食後、デザートを食べ始めて間もなく、突然スピーカーから大音量でポップ・ミュージックが流れ始め「落ち着いて料理を楽しむ」雰囲気では全然なくなりました!!

「落ち着いて食事をする場所」になったはずのジョリー・セイラーで なんと 庶民パブの人気恒例イベント「クイズ・ナイトquiz night」が始まったのです。

庶民派ざわざわパブだったころの習慣は振り切れないようなのです。

夫が丁寧に「音量を少し下げてくれ」と頼んだのに「本日はクイズ・ナイトなのでご希望に添えません」というこたえ。
実際、話をするのも困難なほどの音量で、楽しかった食事の最後が残念な終わり方でした。

いまだにパブの恒例行事、週に一度のイベントを楽しみにやってくる地元の人たちがいるのでしょうし、私たちの好みに合わないからと言って文句をつけるのは筋違いなのかもしれません。

希望者の席にはテストのような問題用紙が配られます。

クイズを解くのに大音量のマイケル・ジャクソンやらデュラン・デュランなどのポップ・ミュージックは必要なのか!?
庶民派パブの雰囲気作りには不可欠なのかもしれません。

全問正解者には賞品が出るらしいのです。

クイズを真剣に解く人々。


堂々とスマートフォンでグーグルして正解を調べて書き込んでいる人がいっぱいいましたよ!
いいんでしょうか....よくないはずです。

注意されたとしても、トイレに入ってグーグルし続けるテもあるでしょう。
テーブルやグループごとに答を相談しあって、親睦を深め、わいわいやるのがクイズナイトのだいご味いのですが、インターネットで調べて解答するなんて意味ない!

落ち着いて食事のできるおしゃれな高級っぽいレストランでいたいのか、庶民派ざわざわパブとして地元の人々に親しまれ続けたいのかどっちかコンセプト(経営方針)を決めた方がいい!....と思います。

別の日の昼間に撮った、ジョリー・セイラーの写真です。



背後に大きな駐車場があります。
「え、お酒を飲むためのパブに車で行っていいの!?」と驚愕される日本人の方も多いでしょう。

いいのです、イギリスでは。
運転してきた人は酔うまで飲まない、自分の限度をわきまえ責任をもって楽しむという自己規律さえあれば特にお咎めなし、なのです。(自己責任といえるでしょうね)

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昼食の穴場、大きなスーパーマーケットにはたいていある客寄せカフェ、私たちのお気に入りはテスコ!

2019年11月11日 22時40分47秒 | イギリスの料理、食べ物
スーパーマーケット、テスコ Tesco に、大量の食品、日用品の買い出しに行きました。


そういえば、イギリス最大手のスーパーマーケットらしいテスコには、私たちはあまり行きません。
昨日、ストックポートのタウンセンターのちょっとはずれにあるこのテスコ・エクストラには、カフェで昼食を食べる目的で行きました。

私が注文した[国産]ビーフ・パテと [国産]ブタ肉使用のベーコンいりビーフバーガー。


夫が注文したのは[健康に留意した]オールデイ・ブレックファースト、ベジタリアン版。


ブレックファーストは4ポンド99ペンス(約699円)、私のバーガーはちょっと高めの6ポンド99ペンス(979円)。
マクドナルドなどのファーストフードよりは高くつきますが、レストランやパブに比べると格安です。

スーパーのカフェは、長いカウンターの内側に用意してある暖かい料理をトレイを持った客が選んでよそってもらうカフェテリア式(英語ではキャンティーン canteen といいます)の手軽なものが多いです。

買い物客を呼び寄せるのが目的のスーパーのカフェではお値段格安、ファーストフードなみ...だったはずなのですが、いつごろからか、それほど安くは....ない。イメージが定着してきました。
町に本格的なエスプレッソコーヒーを飲ませる欧風カフェがどんどんオープンし始めた15,6年前ごろから、あるいはもっと前から?

人件費節約の「カフェテリア式」なのは変わらないのですが、かつては(一昔前の)学食、社食風だったスーパーのカフェも落ち着いてオシャレな雰囲気にさま変わりし、どこもエスプレッソ・マシーンを導入し始め、気取ったメニューも提供するようになりました。

中途半端な位置づけのスーパーのカフェ(安さではファーストフードにかなわない。ゆったりした雰囲気で質の良い食事をしたいならパブやレストランに行くべき)ですが、買い物途中に一休みしたい、一人でさっと食事を済ませたい...という需要にじゅうぶん答えているらしくたいていどこも繁盛しているようです。

このテスコ・エクストラの料理は秀逸です!



チップス chips(ポテトフライ)は厨房で調理した自家製です。
ほくほくポテトの味がしました。


テーブルにもっていって使い放題のブラウン・ソース、アメリカン・スタイル・マスタード、トマト・ケチャップはすべて有名メーカー品ではなく格安のテスコ自社ブランド、正直です。

砂糖がたっぷり入った健康に悪そうなアメリカン・スタイル・マスタード(ラベルを読んで材料を確認しました)と、夫が気に入ったというブラウンソースを食後 売り場で買って帰りました。

イギリス伝統のパイ料理やロースト、フィッシュ&チップス、インド風カレーを常備しているスーパーのカフェ、手軽でおすすめです。
日替わりメニューの盛り付け写真を必ずカウンターの上か後ろの壁にディスプレイしてあるので注文しやすいし。
(日本では当たり前の写真入りメニューはイギリスでは本当に珍しいのです)

どのスーパーのカフェも、「質の良さを考えたらこの値段は格安!」といえるわけではないと思いますが。


スーパーのカフェ値段はもしかしたら日本の「ファミレス」クラスといえるかもしれません。

それにしても!あの低価格で、テーブルサービス、品数の多さ、店員の礼儀正しさ(ボタンを押せば席までとんできてくれる!!!!)を提供できる、日本の「ファミレス」は世界の驚異、というほかありません。

昨日、戦没者追悼の一連の厳粛な国家行事がすべて完了、国中あげてのクリスマス商戦(日本的表現)が始まりました。

広いテスコ店内にもクリスマス飾りが施され、クリスマス対応商品が所狭しと並べられていました。

平日の午後早く、人出は少なく、まだのんびりしていた11月のスーパーです。






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あまりもので夫が作ったある一定の年齢以上の人には懐かしいらしい貧乏食のポテト・ケーキ、ほくほくおいしい!

2019年09月07日 09時00分00秒 | イギリスの料理、食べ物
今日は写真がたったの一枚です。


おひるごはんに夫が作ったポテト・ケーキ poteto cakes です。

前日の夕食で余ったジャガイモをつぶして、小麦粉と混ぜて固くまとまる程度に水を混ぜ、こねて型で抜いてオーブンで焼いただけだそうです。

ジャガイモ3に対して小麦粉1を目安に、割合は適当でいいということです。

もともとはアイルランドの貧しい人の常食だったらしいのですが、今は出来合いがイギリスのどこのスーパーでもパン屋さんででも売られています。

小麦粉が配給制で手に入りにくかった戦争中と戦争直後にイギリスでも代用食として定着したそうです。
戦争中、日本のお米に相当する「主食」といっていいジャガイモはどこの家庭でも自家栽培されていたそうですから。

バターをぬってコショウをかけてアツアツを食べるとおいしいですよ。
冷蔵庫にいれて2~3日はもちそうです。トースターで温めて朝食にもなりそうです。

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