Simplex's Memo

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「長野電鉄特急列車50周年記念写真集」を眺めて

2007-06-07 06:28:55 | 読書録(鉄道)
長野電鉄が5月30日から発売を始めた写真集。
購入方法や内容はこちらを参照。

それにしても長野電鉄が特急列車の運転を開始して50年になるのか、と改めて表紙を見て感慨にふける。
考えてみれば「長野電鉄の特急の歴史=2000系の歩み」と言っても過言ではないだけに、一系列で支えた特急史を持つ鉄道会社もそうないだろうと思う。

写真集の構成は特急運転開始当初の「マルーン時代」、クリームと赤色の「りんごカラー時代」、クリーム色ベースに赤帯が入った「現在」と2000系の塗装の変遷が一目でわかるようになっている。
中には廃止された「木島」行に使用されている2000系の写真もあったりしてそれぞれの時代で印象深い。

四季折々の風景の中を走る2000系の写真も眺めていて楽しい。
長野行を考えている身としてはどこで撮影したのだろうと考えてしまったりもする。

四季折々の写真を堪能した後は、「車両交換」と称して2000系が「交換」した車両の顔合わせ写真が続く。
地下化に伴って引退した旧型車やOSカー、長野電鉄線に乗り入れてきた国鉄169系との顔合わせ。
撮影当時は何気なく撮った一こまが年月の経過と共に貴重な記録になっていることを教えてくれる。

そして、最後は昨年12月から運転を開始した1000系「ゆけむり」、特急運転開始50周年を記念して登場した2000系マルーン塗装の写真で締めくくられる。

写真集を眺めていて、ますます長野電鉄へ行きたくなってしまった。
ただ惜しむらくは「写真集」という性格上やむを得ないが、データ面があまりに不足している点。
「50周年」を謳うのであれば、年表を入れる等の配慮が欲しかった。
写真だけでは歳月の重みを感じ取ることは少々難しいのではなかろうか。
もっとも、データ関係を充実させればさせるほど、写真集は分厚くなり値段も高くなるのでそこは割り切ったのだろうと思う。

あと、今回の写真集は2000部限定となっている。
興味がある方は早期に現地で買い求めるか、通信販売を申し込むことをお薦めする。

先述した欠点はある(「贅沢な希望」ということを念頭に置いて欲しいが)、長野電鉄特急の変遷をビジュアルに楽しむには十分な一冊。
鉄道会社自身が出した公式写真集ということを考え合わせても手元に置いておいて損はない、というのが全体を通じての印象だ。

<データ>
「長野電鉄特急列車50周年記念写真集」
発行 長野電鉄株式会社
定価 1,200円(税込)

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