Simplex's Memo

鉄道と本の話題を中心に、気の向くまま綴ります。

JR尾張一宮駅、ようやく建て替え計画発表。

2006-06-25 05:27:28 | 鉄道(JR)
1952年の完成以来、ほとんど手が加わっていない尾張一宮駅。
反対側の名鉄一宮駅がすっかり綺麗になったものだから、その差は広がるばかり。
それこそ、「市の表玄関」はどちらだろうと錯覚してしまうぐらいに。

この状況はずっと放置されるのだろうか、と思っていた矢先、一宮市が駅建て替えを含めた報告書をまとめたを知る。

24日の中日新聞の記事と合わせて読むと構想の概要を掴むことができる。

○駅ビルは図書館・子育て支援センター等の公共部分とホテル、オフィス、店舗等の民間施設から構成される。
○現在の案は次のとおり。
(1案)
6階建ての公共スペースにフィットネスジム・プール、民間施設から成る13階建てが隣接する。公共部分を除いた事業費は34億円。
(2案)
6階建ての公共スペースに1案からフィットネスジム・プールを除外した12階建ての民間施設が隣接する。公共部分を除いた事業費は26.5億円。
(3案)
2~5階の公共スペースを挟んで15階建てのビルを建てる。公共部分を除いた事業費は26.1億円。

駅舎内に図書館を設けるのは妙案だと思う。
開館時間を夜間まで設定してくれれば、仕事帰りの人も利用することができる。
ただ気になるのは民間施設の構成。
「オフィス」を考えているというが、果たして一宮駅中心部にそれだけの需要があるだろうか、と首を傾げてしまう。
それこそ名古屋まで20分見ておけば移動できる状況でオフィスを設けようとする企業がどれだけあるのだろうか。

店舗も然り。
大規模商業施設というなら名古屋へ行けば用が足りるし、名鉄一宮駅側に名鉄百貨店が立地していることを考えると、必要性は高くない。
せいぜい、小規模な店舗や飲食店が入ることになるのだろう。
キーテナントには現在のコンコースで営業している三省堂書店等が入れば御の字ではないかと思う。
「図書館は集客力が高いため、一定規模の飲食・物販施設は成立する」としているが、この「一定規模」がどの程度のものか気にかかる。

ホテルはどうだろうか。
意外に一宮駅周辺のホテルは印象に残らない。
駅直上というのはビジネスホテルなら成立可能だと思う。
中日新聞の記事を見ると「宿泊特化型で160室程度のホテルであれば成立する」とあるので、この辺りが一つの鍵になってくるのだろう。

なお、ここまで触れてきた案は一宮市が市民の要望を入れて具体化した「たたき台」とのこと。
JR東海がどのように反応するかは未知数。

今年度中にJR東海と建て替えについて合意を目指すとするが、施設構成については変動する可能性が大きいと見ている。
特に民間施設の部分が。

一宮市サイドは駅の建て替えを市街地中心部の活性化に繋げようということなのだろうが、駅前商店街を歩くとシャッターが下りていたり空き地も見受けられる所もある。
新駅を計画通り活かそうとするのであれば、駅前商店街の活性化策が必要ではないかと思うのだが。

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