総合学習塾スターティングポイント ~愛知県日進市の学習塾~

日進市の学習塾(小5~中3)のブログ
日進中学校、日進南小学校を中心に日進東中、日進西中などの生徒が在籍

スターティングポイントにて回想する「地味だがキツイ」が一番

2012-07-09 | 通常
僕が通った中学校はかなり生徒数が多かった。

時代としても、団塊の世代の子ども、つまり第二次ベビーブームの子どもらに
当たる時期だ。
過疎化が激しい島根県でも当時はえらい人数だったのだ。

よって中学校では、教室数、教師の数も足りず、
中1の時の教室はプレハブ小屋だった。
英語の先生は「私の専門は音楽なのよ」と
英語の授業でギター片手に英語の歌をみんなで歌うという、文法無視のユニークな
授業だった。(定期テストのクラス平均がいつもドベだった気がする)


また、何より印象深いのは掃除の時間だ。

あまりにも人数がいるので、掃除する場所も道具も足りない。

よって男子と女子が1週間の交代制で掃除をする。
担当ではない方はお掃除免除である。

これを最初聞いたとき、なんて素晴らしいシステムなんだ、と心が躍った。
中学ってすげぇ。
あの忌まわしい掃除が無いなんて!

僕は幼少のころ、集団で何かをするのがあまり好きではないタイプだったため、
掃除の時間は基本的に和を乱す。
そんなつもりはあまりないのだが、結果としてそうなってしまう。
学級委員をするようなタイプの女の子に相当嫌われていたはずだ。
今思い出すと相当恥かしい・・・。


それが中学では半分は掃除だが、半分はしなくていいのだ。


では、掃除担当を外れた方は掃除の時間に何をするかというと、
「体力づくり」と呼ばれる運動だ。
中身は単純で、晴れの日は校庭に集まり、
校庭の外にある道を走って校庭まで戻ってくるだけ。
雨なら体育館で筋トレだ。

ちょろい。
あまりにもちょろすぎる。

この話を先生方から聞いたときは、クラス全員が
えらく盛り上がった。

ずっと体力作りがいいなぁ。

比較的走るのが好きではないタイプの友達ですらそう言っていた。

ただ、先生はにやっと笑い、
「初めはみんなそういうんだよ。」と
お前らはまだまだ世間を知らない子供だねぇ。という
上から目線の態度でみんなのリアクションを見ていた。



初めての体力づくりの時。
走り終えた感想は、やはり
「掃除よりも絶対にこっちの方がいい。」であった。

マラソンをやる選手が経験するという「ランナーズハイ」ではないと思うが、
校庭の外を走り終え、帰ってきた友達はみな息を切らしながらも笑顔で
同じような感想を口にしていた。

それから数か月・・。

みんな体力作りが嫌いになっていた。


地味に疲れる。

大きなダメージはないにせよ、じわりじわりとくる。


また、当時の僕は大きなミスも犯した。

中1の時に、当時自分がはける靴をすべて濡らし、
長靴で学校に行ったことがあった。
(指定の靴があったかどうかは記憶が定かではない)

天候は雨。

小さい頃なら雨で長靴をはく場合はあるだろう。

しかし、長靴で学校へ行く中学生だとなかなかいない。
僕は、他人からどう見られるか、よりも靴下びしょびしょの方が嫌だった。

お昼時間が終わり、5時間目の授業を終え、体力づくりの時間が近づく。
天候は昼前に急に変わり、カンカン照りとなっていた。

ピンポンパンポーン

「体育委員からのお知らせです。
本日の体力作りは、天候回復のため外で行います。」

ピンポンパンポーン


クラス中の男子はウェ~となった。
雨で筋トレの方がまだマシである。

僕は、自分が長靴で来たなんてことはすっかり忘れ、下駄箱へ行った。

友達と下駄箱へ行き、みんなの視線が僕の足元へ向く。

「あだっちゃん、まじか・・・」

僕の返事も「まじか・・・」だった。


その後の展開はかなり悲惨だった。

スタートの合図をかける先生に笑われ、沿道を走る際に
他学年の先輩にいじられ、カポン、カポンと音を立てて走る。

校庭を掃除する女の子にも
「長靴で走っている子がいるよ~」とありがたくない声援をもらった。

ゴールした時は、足はムレムレ、汗はダクダク
かなり後ろの方でゴールしたので、友達からは拍手喝采で迎えられ、
先生方にもかなり受けていた。

もちろん笑わせたのではなく、笑われただけだ・・・。

また、ゴールにいた体育の先生は
「ここのコースはスタートしてから地味に上り坂になり、後半急激に下り坂になるコースだ。
何回か走ってみると辛いのはわかるはず。トレーニングには最適だが、お前の靴はわざとそうしているのか?」と半分真剣に聞かれた。


いやいや、みんなに笑いを提供しつつ、実はあえてトレーニング強化をしているぜ、なんていう考えは一切ない。


ただ、長靴で走ってここのコースの走りにくさがよりわかったのは事実だ。


地味だが、キツイ。


これが一番力を付けることになるそうだ。


最近、島根の実家へ帰った際、子供らを連れてその道を車で走ることがある。
祖父の墓参りに行く際に必ず通る道だからだ。

そこを体力づくりで走る子らは見かけないが、
部活で走っている子らはよく目にする。

きつそうな様子で走っているが、そのコースを長靴で走った
奇特な先輩が車から眺めているとは夢にも思っていないだろう。





コメント
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