北朝鮮が核兵器の完全放棄にあたって、最重要な要求は『国の体制保証』の確約である。
トランプ大統領はこの前提条件を受け入れての、米朝首脳会談の開始であるが、国の体制保証の中身は、未だに議論も始まっていない。
そこで金正恩委員長は、中国の習近平主席を電撃訪問して、この体制保証の取決めの進め方と、異常時の場合の後ろ盾を懇願した。
中身はわからないが、最悪時の核攻撃に対する「核の傘の庇護」を、検討したはずである。
つまり、北アフリカのリビアのように、核武装を完全に放棄した後に、経済支援を受け入れたが、いつの間にか、政権転覆が動き出した。
軍事的に押さえつけることができずに、アメリカやEUが支援する勢力に圧倒されて、政権は崩壊してしまった。
このような事態が生まれないように、体制保証の確約だけでは、アメリカの政権が交代した後の保証は、信用できるレベルにはならない。
そこで、習近平政権の後ろ盾を確実に得て、異常時の備えとした。
トランプ大統領としては、中国の立場が強いくなることは、首脳会談の交渉立場を弱めるので、事前の中国の口出しを防ぎたいところだ。
リビア方式には、交渉では主張しないというが、短期間の核兵器完全放棄要求は最優先で、これをどうすすめるか思索中であろう。