ジャーナリスト活動記録・佐々木奎一

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ピザーラでも冷蔵庫に入った写真…投稿に訴訟の動きも

2013年09月11日 | Weblog

 平成二十五年八月二十六日、auのニュースサイト EZニュースフラッシュ増刊号
 
「朝刊ピックアップ」で記事 
 
「ピザーラでも冷蔵庫に入った写真…投稿に訴訟の動きも」
 
を企画、取材、執筆しました。


 

 けさの産経新聞に「冷蔵庫に入った写真投稿 今度はピザーラ店員」と言う記事がある。これによると宅配ピザ大手「ピザーラ」を運営するフォーシーズは昨日25日、ピザーラ東大和店(東京都東大和市)の10代のバイト女性2人が、食材用の冷蔵庫に入ってポーズを取ったり、シンクの中で座り込んでいる写真をネット上に公開していたと発表した。昨日は営業を停止し、食材廃棄や清掃消毒を行ったという。

 この手の事件は7月15日、「ローソン高知鴨部店」でオーナーの息子の男性バイトが、アイス用冷凍庫に寝そべったことから始まった。(その店舗はフランチャイズ契約を解除)。その後、全国で類似の投稿が以下のように発覚している。「ミニストップ向日寺戸町店」(京都府向日市)では客が冷凍庫に入ってフェイスブックに投稿。ハンバーガーチェーン「バーガーキング」の東京都八王子市内の店舗では、大学生の男性バイトが大量のバンズ(ハンバーガー用パン)の上で大の字で寝そべった画像付きで、「いやー平日なのに、なんでこんなに混むのさ。ワッパージュニア(バーガーキングの人気商品)何個作ったと思ってんの? ちょっと空気読もうよ」とツイッターに投稿。弁当店「ほっともっと」豊川八幡店(愛知県豊川市)でも10代の男性バイトが、店内の冷蔵庫に入って寝そべった様子を写真に撮り、ツイッターに掲載。

 群馬県前橋市のスーパー「フードスクエアガーデン前橋店」では、学生の男性客が売り場のアイスクリーム用冷凍庫に入り、ツイッターに写真投稿。この学生は群馬調理師専門学校の生徒で、同校は「食に携わる者としての倫理観を著しく欠いた問題を起こした」として退学処分したことも発覚。

 さらにステーキハウス「ブロンコビリー足立梅島店」(東京都足立区)では18歳の男性店員2人が「バイトなう 残り10分」とのつぶやきとともに、冷凍庫に入る写真をツイッターに投稿。本社は「店のイメージが損なわれ、再開は道義的に許されない」として閉店した。投稿した2人に損害賠償を求めることも検討している。

 このように同種の事件が後を絶たない中、ついに損害賠償を求める動きも出てきた。これについて8月13日付の東スポ電子版の記事「『ブロンコビリー』おバカバイトの投稿代償は2千万?」によれば、日大名誉教授(刑法)の板倉宏氏は「2000万円ほど請求してみるのもいいでしょう。実際に取れるのは500万円ほどになるとは思います。こういったことで店がバイトを訴えるケースはあまり聞かない。損害賠償請求は再発防止にもなるので、請求することは判断としていいと思います」と指摘している。

 他方、8月9日付の日刊ゲンダイ電子版は正反対の見方だ。記事中で篠原総合法律事務所の篠原一廣弁護士は「冷蔵庫に入っただけでは損害と認められにくい。冷蔵庫の中の食品を破棄したのも、企業イメージを考慮した自主破棄です。休業分の営業補償も難しいでしょう。客が店内で暴れて営業が困難になったわけでもなく、店側の自主閉店だからです」と述べているのである。

 このように損害賠償がどういう結果になるのかは未知数だ。そうなってくると今後は、バイトの契約書に、「バイトの行為で店側が自主回収や自主閉店した場合、その損失はバイトが支払う責任を負う」といった一文が入るようになっていくかもしれない。(佐々木奎一)


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