ジャーナリスト活動記録・佐々木奎一

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女性比率、先進国中最低の日本…

2012年05月01日 | Weblog

2012年4月2日、auのニュースサイト EZニュースフラッシュ増刊号

「朝刊ピックアップ」で記事 
 
「国会の女性議員比率、先進国中最低の日本…」
 
を企画、取材、執筆しました。
 
 
 
 キーワードは「開国」。

 

 けさの産経新聞一面トップに連載企画「Theリーダー第3部サッチャーのいない国」の1回目の記事「現われるか『なでしこ宰相』」が掲載されている。

 同記事のコンセプトは、1975年に史上初の女性党首となり、その4年後には欧米初の女性首相として「鉄の女」の異名をとったマーガレット・サッチャーの登場から、今年で37年が経過する。

 世界では、ドイツのメルケル首相(57)、オーストリラリアのギラード首相(50)、アルゼンチン・フェルナンデス大統領(59)、ブラジル・ルセフ大統領(64)、コスタリカ・チンチジャ(53)、インド・パティル大統領(77)といった女性政治指導者や、アジアでも、タイのインラック首相(44)、ミャンマーのアウン・サン・スー・チー国民民主連盟議長(66)らがいる。日本でも女性がリーダーとなる時代が来るだろうか? という趣旨。

 日本は女性議員の少なさも際立っており、国会の女性議員の比率は11.3%と先進国中、最低。しかも、かつては日本の後塵を拝していた韓国(14.7%)にも追い抜かれてしまったという。

 その要因について政治評論家の屋山太郎氏は「日本では、子供のころからすでに男女同権という意識になってないんだな。それが直る気配もない」という。

 例えば、スイスではキャリアを持つ女性が出産し、数カ月で当然のように前と同じ職務に就くが、日本では優秀な女性でも元の職場の同じポストに戻るのは困難な状況。

 家庭観も影響しているという。例えば内閣府男女共同参画局の調査によると、「妻は家にいるべきだ」という考えに肯定的な男性は日本では約5割に達する。一方、米、独、韓国では2割台でしかない。

 政治の世界だけではない。日本経済新聞社の集計によると、日経500種平均株価の採用銘柄企業500社の取締役計5,289人のうち、女性取締役はたったの52人(0.98%)。アメリカやイギリスの1割超に比べ格段に低い。しかも日本の場合、複数の女性取締役を選任している企業は資生堂、ブリヂストンなどごくわずかで、女性取締役のうち4分の3は社外取締役で内部昇格は少ないという。(2011年8月18日付同紙夕刊)

 このように人口の約半分は女性なのに、日本社会はその力を引き出していない。さらにいえば、閉鎖的な体質は、男女格差だけではない。官民格差、正規と非正規社員の格差、学歴格差、記者クラブといった様々な閉鎖的な社会の歪みが、人々が実力を発揮する可能性をそいでいる。国を開くというのは、TPPで自由貿易という話ではなく、この国の内側に横たわる“歪み”をただすことをいうのではないか。


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