ジャーナリスト活動記録・佐々木奎一

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毎日新聞元記者4度目の逮捕…マスコミ不祥事の闇‏

2013年11月28日 | Weblog

 平成二十五年十一月十一日、auのニュースサイト EZニュースフラッシュ増刊号
 
「朝刊ピックアップ」で記事 
 
「毎日新聞元記者4度目の逮捕…マスコミ不祥事の闇‏」
 
を企画、取材、執筆しました。

 

 今日の朝刊は休刊。週末土日の毎日新聞以外の各紙は、一斉に「解雇逆恨み? 執ように無言電話」(産経新聞)、「会社に無言電話、毎日新聞の元記者逮捕 迷惑防止条例違反容疑」(朝日新聞)といった見出しの記事を掲載している。

 この事件の発端は、今から1年半以上前にさかのぼる。当時、毎日新聞仙台支局の記者だった平元英治氏(現42歳)は12年4月に、東京本社に異動した。同年夏、仙台支局時代に仕事で知り合った女性(現20代後半)に対し、「死」と書かれたファックスや、無言電話をかけたり、女性を中傷する内容の手紙を勤務先など10数か所に送りつけたりした。そのことが発覚し、社内調査により女性に対するストーカー行為のかどで、12年9月、平元氏は懲戒解雇された。

 すると、同年12月25日未明、同氏は、今度は、その女性の上司である会社役員の自宅に電話し「(女性の)身代わりにあんたとあんたの家族に復讐してやる」と留守電に入れて、役員とその妻を脅迫した疑いで、13年1月に逮捕、起訴された。さらにその後、女性に対する一連のストーカー容疑と、名誉棄損容疑で、計3回逮捕された。仙台地裁は今年7月4日、懲役2年6か月執行猶予5年の有罪判決を言い渡した。

 その平元元記者が、今年10月16~17日、懲戒解雇されたことを逆恨みして、当時所属していた毎日新聞総務部の人事担当席に電話し、「ぶっ殺してやろうか」などという電話や無言電話を計35回かけたとして、警視庁麹町署に今月9日に逮捕された、というのが週末の記事の内容である。

 ちなみに、ほかにも大手新聞記者の信じ難い不祥事が最近明るみになったばかりだ。それはニュースサイト・マイニュースジャパンの10月14日付の記事「朝日・読売がひた隠す記者の乱交パーティー、詐欺、土下座強要、大金恐喝…懲戒解雇事件の全貌」の通り。それによると、記者クラブ仲間の朝日新聞と読売新聞の記者2人が、12年6月、年下の朝日記者を乱交パーティーに誘い、その記者の携帯アドレスにある女性たち90人に「バイタリティあふれる売女やらせろ」となりすましメールを送信、携帯はゴミ箱に投棄。さらに、その年下記者から傷害を負わされたとして土下座を強要、慰謝料名目で計327万円を恐喝して払わせ、追加で数百万円単位を脅しとろうとした。この犯罪行為を会社側は、恐喝された被害者と加害者との示談によって闇に葬り、加害者の記者2人を昨年9月、密かに懲戒解雇していた。

 この驚愕の事件を、朝日、読売両紙は隠蔽していた。しかも、事件が明るみになってからも、各紙は1行も報じていない。

 他方、冒頭の毎日新聞記者の不祥事については、当の毎日新聞こそ報じていないものの、他社は一斉に報じている。

 同時期に勃発した大手新聞記者たちの不祥事であるにもかかわらず、この報じ方の違いは何なのか――。新聞記者の不祥事を報道するかどうかの基準は、警察が記者クラブ発表したかどうかで判断している、と考えざるを得ない。こういういびつな構図、体質ががまかり通っているということを把握した上で、マスコミ報道に接することがメディアリテラシーといえよう。(佐々木奎一)


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