2011年5月23日、auのニュースサイト EZニュースフラッシュ増刊号
「朝刊ピックアップ」で記事
「『あいのり』民主・横粂が離党届を出したワケ」
を企画、取材、執筆しました。
キーワードは「政治活動」…。
フジテレビ系列の恋愛バラエティー番組『あいのり』に出演して「総理」のニックネームで有名になり、その後、国会議員になった民主党の横粂(よこくめ)勝仁衆院議員(29歳、比例南関東ブロック選出)が離党した。
横粂氏の公式ブログをみてみると、政府・民主党が、第2次補正予算案の今国会への提出を見送る方針であることについて、「もしそうであればもう言葉がありません。『飛ばない豚はただの豚だ』という有名な言葉があります。(略)『予算を早期に成立させない政府・与党』は、何なのでしょうか? (略)『飛ばない政府・与党』に、失望しています」(4月29日付ブログより)という不満や、「たとえ深夜までであっても集中的に国会を開いていれば、1ヶ月も経たずに1週間くらいで必要な法案は全て通っていたと思うのですが。法案成立が一日遅れれば、被災者支援が一日遅れるのです」(4月21日付)といった批判などをつづっている。
横粂氏の言いたいことはよくわかる。が、それならば深夜まで国会を開いて通すべき法案とは一体何なのか、また、二次補正予算で必要な政策とは何なのかを、具体的に示す必要があるのではないか。ほとんどの議員は今何をすべきか具体的にわかっていないから、物事が遅々として進んでいないのである。
横粂氏以外にも菅政権を批判する与野党の議員は多いが、では何をすべきなのかという具体的な「対案」がほとんど見えてこないのが実情だ。
横粂氏は、離党よりももっと国民に貢献できることがあったのではないか。
そもそも、一人ひとりの国会議員には、月額約130万円の歳費、年額650万円のボーナスに加え、月額100万円の文書通信交通在費(非課税)が支給される。年額にして約3400万円である。さらに、JR無料パス(無料航空券との併用可)や公用車、議員宿舎、議員会館、公設秘書などが税金で支給されている。さらに官公庁などに対し記録の提出を求めたりする「国政調査権」や「立法権」といった強大な権限もある。
手厚く保障しているのは、国民に代わって「政治活動」をしてもらうためだ。選挙活動のためではないことは言うまでない。
しかも横粂氏は、政権与党の一員である。ブログによると「党災害対策本部・福島県対策室」の一員になっている。これは被災地に必要なものを届けるために必要な対策を、党執行部や政府に求めていくのが仕事だ。
であれば、横粂氏は被災した現地に寝泊まりして、一体どういう手立てが必要なのか、政府にできることは何か、どんな法律を整備すべきなのか考えるのが、本来の仕事ではないだろうか。
横粂氏だけではない。もしも与野党の一人一人の国会議員が、自分のポジションで“地道”に政策立案、立法の議員活動をしていれば、いまよりずっとましな政治が実現できているはず。
スポーツ報知が報じた政治アイドルプロデューサー就任だったり、ブログでのライトノベル執筆だったりと。およそ党の復興対策本部に残っていた方が良かったのではないかと思います。
これらは批判されてしかるべきだと思いますが、横粂議員だけではなく、だから国会議員は駄目なんだとなったら、他の地味に頑張っている国会議員さんが可哀想だなと思います。