ジャーナリスト活動記録・佐々木奎一

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“中選挙区制復活”の動きに注目したい

2012年05月02日 | Weblog

 「昨日、衆院議員会館の会議室で、興味深い会合があった。

 その会合とは、「衆院選挙制度の抜本改革をめざす議員連盟」。早く言えば、「今の小選挙区制をかつての中選挙区制に戻そう」と言う人たちの集まりだ。

 その会合で河野洋平前衆院議長が講演して、こう陳謝した。

「選挙制度改革は当時の志と違うものになった。率直に不明をわびたい。政治改革の議論が、いつの間にか小選挙区制導入にすり替わった」

そもそも小選挙区制は1994年に当時の自民党総裁の河野氏と細川護熙(もりひろ)首相の会談で導入が決まった経緯がある。その河野氏反省をしたというところが興味深い。

 また、この議院連盟は、自民党の加藤紘一衆院議員の呼びかけでできたものだが、昨日の会合には、自民党から森喜朗、古賀誠ら、民主党の議員たち、社民党の福島瑞穂党首らベテランが集まり、さながらかつての自社さ政権の同窓会のようでもあった。保守回帰にもみえるが、実はこの議院連盟は、重要な提起をしている。

 政権交代可能な二大政党制の実現のために導入された小選挙区制だが、ご存知のとおり、小選挙区はたとえ得票数の49%をとっても、51%を取った方だけが当選する。つまり、49%が「死票」になる。これでは有権者の多様な声が国政に反映されない。小さな政党は小選挙区ではほぼ当選が絶望という弊害もある。

 他方、中選挙区制は、原則として一選挙区から3人ないし5人の議員を選出する選挙制度なので、小選挙区に比べ「死票」が少ない。

 また、当初は小選挙区制になればそれまでの金権選挙が改まり、政治献金も少額で済みクリーンな政治に改革されるかのように謳われたが、実際は、そうはならなかった。河野氏が言うように、政治改革はいつの間にか選挙制度改革になってしまったわけだ。

「中選挙区復活議員連盟」は、国政に有権者の意志があまり反映されない、ということを、改めて問い直そうという集まりである。この連盟に徐々に人が集まっているということも注目しておくべきだ。」(抄)


 
 2012年4月6日、auのニュースサイト EZニュースフラッシュ増刊号
 
「今日のニュースに一言」でジャーナリスト・二木啓孝氏の記事
 
「“中選挙区制復活”の動きに注目したい」
 
を聞き書きしました。


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