荒木志水

Shizu Araki

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満月がなりやまない

2009年07月26日 | webiog
 「満月がなりやまない」終了。
なんとも不思議な手触りの終わりだった。
指や腕の間を、すーとすり抜けて離れていった。
きっと本番も迎えるよりも前に。

暗い方へと手を伸ばしながら
掴むどころか、触れようともしない。
だから表面的で、すーと滑っていくだけなのだろうか。


本番1週間ほど前のリハで、初演メンバーの重ちゃんに作品の内容を出演者と共有するように促してもらう。必要な作業だったと思う。重ちゃんが居なかったら、私からはしなかっただろう。


 15日に本番を終え、17日から東京を離れた。
輪島で伝統的な塗物をしている友人に会う。
小学校から、お互いを知っていたが、まさか輪島塗を後継するなんて・・・
しずちゃんがダンスをするなんて・・・・

漆と乾燥肌には適しているという、柱にカビの生えるしっとりした家で
友人は蒔絵などを載せない、とてもシンプルなお茶道具などを見せてくれた。
華やかな蒔絵物などは食べていく道もあるが、塗りだけというのは難しいのだそう。



 22日、六本木 国立新美術館にて、野村仁「変化する相ー時・場・身体」を見てから、制作まっすーと精算。
金沢でも現代美術を見たが、クラシックより???。好きな作家の作品は理屈ぬきに魅せられるが、それ以外は非常に難しい。大部分をノリと雰囲気で見る。
野村仁さんの作品は、飾っておきたいとは思わないが、スケール、視点に脱帽。学芸員の方に勧めてもらったのだが、たしかに舞踊と通じるものを感じた。ただ「変化する相ー時・場」は感じたが、「身体」を感じなかったのはなぜだろう。私がその場にしっかりと立っていないから?


 16時から、合田先生と会う。「満月」について、時間の流れはできつつあるが、幅がないと指摘される。
ことが流れていくだけで、切迫したものが出てこない。
作品の流れの中で現実の時間を示す行為がない。変化がない。

身体の表と裏。身体の明るさと暗さ。
一方でキッチリと影をつくり持ち運ぶ。
行為の裏側が透けて見えるように。

日常の身体はどうなっているのか。日常の行為、経験。
山道を歩く、階段を登る、アスファルトの上、畳の上、身体は違う。
敏感な日常を過ごせば、どういう体で舞台に立ったらいいのかが判るようになる。

空っぽの空間に、人がひとり入れば様相が変わる。
空間、時間をダンサーは発見しなくてはならない。

どんな雰囲気を作るか、どんな空間を狙うか。
見る人になにかを思わせる存在になれたか。



 24日 シアタートラムで金魚を見る。「言葉の縁」
まず出だし(鈴木さんのソロ)が素晴らしかった。ああ起きている身体って、こうだよね。
身体の中を見ようとする。明るさと暗さ。よく判らない。

鈴木さんの振付は激しいが運動性のテクニックではない。
長く見ているとだんだんと見えてくる。雰囲気のある人、ない人。ある瞬間、ない瞬間。
でも雰囲気はまだ身体の内容ではない。

後半にさしかかり上から紙吹雪が落ちてきた。
その中で踊る人を見て、冬の山に生きている野生の動物だと思った。
周囲に冷たく澄んだ凍てついた空気を感じる。きっとこれが空間が見えるということだ。

自分にもあるはずだ。ストンと空間にハマれる瞬間。
ハマった体の中で暗いものや明るいものが、ゆらりと動く状態。

鈴木さんだって長い作品中、常に100%ではない。
ときとして、ソロになるとオンになり、群舞ではオフだ。
それが判るのだから、自分にだってコントロール出来るようになるはずだ。




 25日 ダイアログインザダーク
暗い。暗かった! 当たりまえか・・・・
ダイアログインザダークは、真っ暗闇の中を視覚障害者の人が案内してくれるという体験型のイベント。

「満月」の一番の収穫は、気力と体力。
私はどうにも体力がなくて2、3日フルで活動したら丸1日休んでいたりしたのだが、体力だけは見違えるようについたと思う。レッスンとリハを梯子したりしても翌日も朝から動けるようになった。でも今日はちょっと、全身筋肉痛&生理痛で気分が晴れない。

ま、仕方ないか。と、思いつつ視覚を奪われた身体は、その他の感覚を総動員で、なんとか暗闇に対処しようとする。匂い、音、空気の動き、温度、質感。数人でクルーを組んで、闇の中に入るのだが、もはや人間も質感だ。相手の心情、なにより自分の心情が浮き立つように際立ってくる。

暗闇の中は、思った以上に豊かで、温かかった。
出掛ける準備をしなくては、、、、 時間があれば、また詳しく!
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