オンマは辛いよ

~グチはゴミ箱へ、思い出は宝箱へ~

ラブレター

2008年04月16日 22時21分09秒 | アッパ君の話
 病院に着くと、アッパ君が車椅子に座っていた
 「ちょっと、大丈夫なん?」
 「うん、痛いけど」

 壁には、松葉杖が立てかけてある
 「これ、どうしたん?」
 「借りてきてん。まだ使ったらあかんって言われたけど」

 当たり前だろっっ
 あなた、大手術だったんですよ!
 まだ、2日しかたってないんですよ。
 安静って言われてるんですよ

 看護婦さんが来ると、アッパ君は「あぁ、いいよ。嫁さん来たから」と言い、私に車椅子を押すように言った。
 訳も分からず、看護婦さんの後について押して行く。
 看護婦さんは、部屋の電気を付けて、行ってしまった。
 ここ、何?
 入ると、シャワー室だった。
 頭がかゆくてガマンできないと、看護婦さんたちにゴネて、シャワー室の使用許可をもらったようだ

 アッパ君の頭を洗い、病室へ戻る。
 体を拭いて、着替え。
 足りないものを買いに走る。
 戻って落ち着いてコーヒーを一杯飲むと、もう帰らないと

 「なぁ、メールの打ち方教えてくれへん?」
 よっぽどヒマを持て余しているのだな
 今まで、こちらがメールを打っても、電話で返事してきたアッパ君。

 「何ぼでも、練習で送っておいでな」
 帰り際、そう言って病室を後にした。

 車に乗ると、早速着信。
 
 お忙しい 時に 来てくれてほんまありがとう 感謝 してます 愛します

 ブハッッ
 いかにも、初心者が打った、たどたどしい文面に、吹き出した
 
 そして…涙が溢れた。

 声を出して泣いてしまった。

 アッパ君と出会って10年半、初めてもらったラブレターだった
 

天使に、お願い。

2008年04月16日 00時12分58秒 | アッパ君の話
 朝から、いろいろ買い揃えて、病院へ…
 なぁんて生活は、やっぱり無理だった

 よっぽど休みをもらうか、早退させてもらおうと思ったが、
 「子どもじゃあるまいし、自分でできるやろ」
とのけん制とも取られる言葉に、諦めるしかなかった

 昨日だって、そうだった。
 病院から、「今から手術やから、来て」という電話がかかってきたのを知り
 「あんたが行って何するん?!あんたが行かな、手術できひんってか?」
と、さんざんチクチク言って来た

 なので、ちゃんと仕事を終えて行こうと思った。
 職場から病院まで、30分。
 しかし、病院にいられる時間は、30分程度。
 今日は、息子の空手の日。

 「もう帰ったり。子どもらは、いつもどおりの生活させたらなあかんで」
 アッパ君は、痛みに顔をゆがめながら、言った。

 病院にいる時間より、車を運転している時間の方が長い

 救いは、この病院が、ほぼ完全看護なことである
 「ここの看護婦さん、若い子ばっかりやなぁ」

 昨日は、恥ずかしがって、尿瓶を持ってきた看護婦さんに
 「嫁さんにやってもらうから、いいわ」
と言っていたくせに、今日は
 「帰る前に、おしっこする?」
と聞くと
 「ええわ。今は出ーへん。後で看護婦さんに頼むわ
だとさ。

 へぇ~、余裕のあるこって

 まぁ、カワイイ看護婦さんを物色する元気があるので、大して後ろ髪はひかれずに帰宅。

 カワイイ天使様、しばらくの間、お世話かけます
 

ご安全に。

2008年04月14日 23時26分38秒 | アッパ君の話
 アッパ君が、現場で事故った。

 足の上に、大きな鉄板が落ち、角が刺さった。

 安全靴は履いていたが、鉄が入っている部分から数ミリだけ内側に落ちた為、貫通はまぬがれたが、靴を脱いだ時点で、骨が見えていたそうだ。

 現場近くのH市の病院から、N区の病院へ搬送されてきた。

 手術は、4時間半もかかった。

 病名は、「開放骨折」。

 ポキっと折れているならば、つなげるのは簡単だが、上からベシャっとつぶされたように粉々になった骨は、なかなか再生できない。
 術後のレントゲンを見たら、針金のようなものが3本ほど入っていた。

 神経、動脈の損傷も激しく、薬指は、変形して、直らないと言われた。

 でも、生活に支障はないとのことだった。
 
 明日から、職場、病院、家庭…やっていけるかしら。
 
 

昇級しました

2008年04月11日 22時14分00秒 | 息子の話
 ジャジャーン♪

 日曜日にやった審査の結果、無事昇級、準4級緑帯になりました

 新しい帯をもらった息子は、いつもより練習に力が入っていました

 例の3人組も、揃って昇級。
 でも、自分も上がったから、関係なし

 帯の色にこだわっている彼女には、試合の成績で立ち向かうしかない。
 同じ級でも、中身は違うのだから。

 頑張ろうね

弟よ、お前もか…。

2008年04月10日 23時28分43秒 | オンマの話
 妹から電話が来た。

 「M(弟)から電話来た?」
 「ううん、何で?」

 聞くと、先日弟から妹のところへ電話があり、病院で神経性胃炎と診断されたそうだ

 弟は、高校を卒業してから現在に至るまで、焼肉屋に住み込みで働いている。
 ハードな職場のせいか、なかなか後輩が入らず、この10年の間、調理師の免許まで取ったのに、いまだに下っ端の雑用もしなければならないらしい。

 幼い頃から、やかましい姉が2人もいるせいか、口数は多くなかったが、こういう時も、グチや弱音を言ってこないのがかえって不憫だ

 部屋に戻ると何ともないのだが、店へ行くと、とたんに胃が痛み出すらしい。

 頑張れ。
 頑張るな。
 
 こういう時、どっちを言うべきか、悩んだ。

 ちなみに、弟は、労災がおりるか、バカ正直に店長に聞いたらしい。
 答えはもちろん、NO
 
 男は、一生仕事をしていかなければならない。
 弟は、今が岐路に立たされているのだろう。

 いつか、弟が言っていた。
 「店を出すなんて簡単なことじゃないけど、出すとしてもまだまだ先のことだし、それまでにあと2,3軒は修行に行かないと」

 つまり、ここに10年いたが、ここで終わらせるつもりはないのだ。

 いつでも辞められるんだよ。
 いつでも辞めていいんだよ。
 男は、一生仕事していかないといけないんだから。

 姉ちゃん達は、いつも、いつでも、あんたの味方だからね
 
 


記憶に残る…

2008年04月09日 23時46分40秒 | 娘の話
 今日は、待ちに待った入学式

 娘は朝も早うから起きてきて、大騒ぎだった。

 私はと言うと、2回目の余裕からか、優雅な朝を過ごし、結果、出る間際に少し慌ててしまった

 娘は、1日から通っていた児童館の学童保育のおかげで、友達もすでに何人かいたのだが、私は誰もおらず、ポツンと一人、式場の席に座った

 しばらくして、保護者席も埋まり始め、ガヤガヤと騒がしくなった。

 突然、後ろの席に座った人が、私の方をトントンと叩いてきた。
 もしかして、知ってる人?
 期待に胸を躍らせながら振り向くと、全く初対面の女性が、話しかけてきた。

 「ここ、破けてますよ」
 はうあっっ

 頭が真っ白になった
 慌てていたので、全く気づかなかった。
 いつ破れたのか、全く見当がつかない。
 触ってみると、右袖の脇の辺りが、縫い目にそってほつれていた…

 とは言え、今さらどうしようもない。
 一応、後ろの方にはお礼を言って、前を向いた。

 ビデオカメラも、デジカメも、フル装備してきたのに、
 …気になって、構えられない。

 早く、帰らせて…
 
 ある意味、一生忘れられない入学式だった。
 
 

来たくて来たんじゃねーよっっ!!

2008年04月07日 23時18分55秒 | オンマの話
 土曜日に続き、日曜日も花見ネタです
 とてもいい天気、花見日和だった。

 毎年恒例のアッパ君の父方の兄弟が集まって、焼肉をする

 ただ、問題は、息子の空手の昇級審査が入っていた。
 ご存知、ウチの息子は、アッパ君の実家では王子と崇め奉られている
 「何時頃来れんの?」
 何回も、何回も聞かれた。

 現地で、審査前の緊張した空気を破るかのように、何回も鳴る
 アッパ君のイライラした声。
 「今どこ?もう終わった?おかんがまだか、まだかって聞くから」
 「まだ始まってもいません!!」
 ブチっと切ってやった

 本当ならば、審査が終わった後、練習に残るメンバーに抜擢されていた。
 前日に急にメールで知らされたのだ。
 他のメンツを聞くと、軒並み県大会出場者の子たちだった
 アッパ君に相談すると、言語道断、
 「おかんが許さんやろ」
 …っていうか、審査の方が先約だったんだけど

 泣く泣く断りの連絡を入れた。
 あ~あ、次はいつメンバーに入れるか、分からないのに

 終わると同時に慌てて会場を出た。
 家に戻って着替えさせ、車を置いてタクシーで現地へ向かった。
 着くと、早速姑の歓迎のお言葉。
 「遅かったなぁ。もう肉ないで」
 あれ?!私、昨日も同じこと言われたなぁ…

 しかし、「ない」と言ったくせに、息子はいつの間にか皿を持っており、たんと肉がのっていた
 「いっぱい食べときよ。家帰っても何にもないで」
 あなた、いつ我が家の冷蔵庫をご覧になったの?

 他のおばちゃんたちが、気を遣って、私にも声をかけてくれた。
 「けろろちゃんもお腹空いとんとちゃうん?」
 すかさず、姑の言葉がチクリ、いや、ブスっと刺した
 「いいねん、いいねん。遅れて来るのんが悪いねんから」

 ちょっと待ってよ。
 この人、悪意があるとしか、思えない
 
 でも、ここでおとなしく引っ込んでいる私ではない。
 アッパ君たち男の人が座っているところへ入り込み、ちゃっかりお肉いただきました


 
 
 

飲ませてください。

2008年04月06日 18時54分31秒 | 我が家の話
 「けろろさん、土曜日花見やで。来るやろ?」
 先週の頭に、従業員さんにお誘いを受けた
 アッパ君に許可を得ようと、土曜日の都合を聞いた。
 「別に行ってもいいけど、オレ何時に帰って来るか分からんで」
 いけずな言い方だ
 まぁ、先週も出してもらったのだから、仕方ないと言えばそうなのだが…

 花見とは言えど、花はない花見
 会社の前で、焼肉をするのだ
 PM5:30開始。
 そして、その時刻、私は家にいた
 アッパ君は、やはり、「無理をして」PM6:30に帰ってきてくれた
 アッパ君の帰宅と同時に出ようとすると、背後から声がした。
 「オレが風呂上がるまで待っとけや」
 はぁ?!何で?
 「オレが風呂入ってる間に誰か来たらどうすんねん」
 コイツ、絶対嫌がらせしてる…

 仕方なしに待ちながら、奥様のに電話した。
 「すいません。今から行きます」
 「はぁ?!言っとくけどなぁ、あんた主人公ちゃうねんで!もう肉もないわ」

 …ヘコんだ。
 風呂から上がってきたアッパ君に「行くの、やめよかな」とつぶやくと、
 「行かへんねんやったら、早よ電話しぃ」
 やっぱり、この人は、行かせたくなかったのだ

 でも、昼間に手土産をたくさん買ってしまった。
 これだけ持って行って、すぐ帰ろう

 会社へ着くと、おぉ、おぉ、やってるやってる
 目立たないように奥様を呼ぶと
 「遅い遅い!早よおいで!」
 「いや、いいです。これだけ…」
 「何で?ちょっとだけやけど、あんたの分キープしといたから。顔だけ見せんか」
 
 気付いた何人かの従業員さん達も、暖かく迎えてくれた。
 お肉は少量だったけど、こうやってワイワイ皆で飲むのおいしいこと

 会社の飲み会に参加すると、「明日からも仕事頑張ろう」と思える。
 人間関係を円満にする潤滑油なのだとも思う。

 だから…

 仕事してる以上、会社の飲み会には、気持ちよく出させてください

 

 
 

命がけ。

2008年04月04日 23時41分24秒 | 息子の話
 年に3回ある、息子の空手の昇級審査。
 今度の審査で昇級すると、緑帯になる為、練習にも熱が入っている

 とこらが、この昇級審査、本人達よりエキサイティングしている親たちがいる

 同時期に習い始めた3人組。
 その内1人は、練習も休みがち、試合も出ない。
 たまに来ると、練習はマジメにする。
 親が練習日にビデオカメラを持参し、上手い上級生達の形を撮影していた。
 聞くと、練習に来られない日に、家でビデオを見ながら練習しているらしい。
 だから、来ていない割には、形を覚えているのだが、いかんせん、手取り足取り指導してもらっていない為、どこか変で、クセがある
 おいおい、ビリーやってるんじゃないんだから。

 しかし、別に他人の子のこと、放っておけば良いだけの話なのだが、残る熱心に通っている2人の親は、おもしろくないのだ。
 何がって?
 
 この練習に来ない子、審査だけは必ず受けに来て、同じように進級するのだ。

 「どうして、毎日一生懸命通っているウチの子たちと、あの子が同じ級なのか」
 子ども達も不思議がっている。
 一応、「○○ちゃんは、おうちで練習やっているからね」と説明すると、「じゃぁ、オレも家でやるから、早く帰ろう」となってしまう。
 どうも、この親は、帯さえ変われば良いと思っている節があり、審査も参加すれば、必ず上がるものと思っているし、実際、そうなのである

 やっぱり、日ごろ頑張って練習した結果の昇級であり、「受ければ上がる」審査ならば、権威がないだけでなく、やっている本人達も張り合いがないと思う

 まぁ、それでも、話を聞いた私は「へぇ~」と、他人事だったのだが、いや、待てよ。

 受けた以上、昇級しないということは滅多にないが、上に上がるほど難しい。
 待てよ。あの子が受かって、息子が保留だとしたら…

 それは、おもしろくないだろう。

 たかが子どもの習い事、とあなどるなかれ。
 命がけでサポートしている親たちの、プライドをかけた熱い火花が、あちこちで飛び交っているのである

 審査は、あさって。
 さて、どうなることやら