退院するアッパ君を病院まで迎えに行き、家に到着した瞬間、待ってましたとばかりに、私の携帯が鳴った。
奥様からのメールだった。
「手が空いたら電話ください」
でも、よくよく考えてみると、連休前の忙しい日に休みをもらったのだ。
仕方がない。
私は、アッパ君を家に放り込み、わざわざ会社へ出向いた。
会社へ着くと、鍵がかかっている
開けて中に入り、奥様に電話した。
奥様はびっくりしながらも、「あと30分位で戻るから、それまでおってくれへん?」と言った。
奥様が戻るまでの30分間、電話はジャンジャンかかってきた。
私は、せわしなく応対しながら、タイムカードを押さなかったことを、心底後悔した
何故、電話をかければよかったのに、わざわざ会社へ行ったのか?
実は、私は、奥様に、「辞めたい」と言おうと思っていたのだ。
しかし、電話を受け、業務をこなしながら、激しく揺れていた。
やっぱり…やっぱり、この仕事、この仕事は、嫌いじゃない。
でも、でも、これから先、アッパ君の病院への付き添い、どうすんの?
「ごめんなぁ。わざわざ来てくれたん?アッパ、どないしてんの?」
奥様が戻ってきた。
「いえ、大丈夫です。今は家で休んでます。ところで、用件は何やったんですか?」
「H(従業員)があんたに聞いてって言っとってんけど、Sマンションの来月の点検日の報告…」
「あぁ、それ、さっきやっときました」
「ほんま?ありがとう」
今だ。
大きく息を吸って言葉を発しようとしたその時、奥様が私に封筒を差し出した。
「よぉけ入ってないけど。退院祝い。これで、おいしいもん食べておいで」
「あ、ありがとうございます…」
何?!ズルい。このタイミング。
涙が溢れた。
「何で?どないしたん?何も心配ないやん。労災下りんねんやろ?給料も入ってくるって」
お金をもらって泣き出したからか、奥様は的外れな慰め方をした。
「いえ、あの…不安なんです。これから仕事と両立できるかどうか」
「そんなん…会社抜けて送り迎えしたったらええやんか。ほんで二人で昼ごはん食べて帰ってきたらええやないの」
「…」
「ほら、アッパ待ってるで。早よ帰ったり。お疲れさん」
あぁ、言えなかった…
1回目の通院は連休明け。
そう、あなたが、私に、1ヶ月も前から残業を頼んできていた日です。
それでも、あなたは、快く行かせてくれますか?
奥様からのメールだった。
「手が空いたら電話ください」
でも、よくよく考えてみると、連休前の忙しい日に休みをもらったのだ。
仕方がない。
私は、アッパ君を家に放り込み、わざわざ会社へ出向いた。
会社へ着くと、鍵がかかっている
開けて中に入り、奥様に電話した。
奥様はびっくりしながらも、「あと30分位で戻るから、それまでおってくれへん?」と言った。
奥様が戻るまでの30分間、電話はジャンジャンかかってきた。
私は、せわしなく応対しながら、タイムカードを押さなかったことを、心底後悔した
何故、電話をかければよかったのに、わざわざ会社へ行ったのか?
実は、私は、奥様に、「辞めたい」と言おうと思っていたのだ。
しかし、電話を受け、業務をこなしながら、激しく揺れていた。
やっぱり…やっぱり、この仕事、この仕事は、嫌いじゃない。
でも、でも、これから先、アッパ君の病院への付き添い、どうすんの?
「ごめんなぁ。わざわざ来てくれたん?アッパ、どないしてんの?」
奥様が戻ってきた。
「いえ、大丈夫です。今は家で休んでます。ところで、用件は何やったんですか?」
「H(従業員)があんたに聞いてって言っとってんけど、Sマンションの来月の点検日の報告…」
「あぁ、それ、さっきやっときました」
「ほんま?ありがとう」
今だ。
大きく息を吸って言葉を発しようとしたその時、奥様が私に封筒を差し出した。
「よぉけ入ってないけど。退院祝い。これで、おいしいもん食べておいで」
「あ、ありがとうございます…」
何?!ズルい。このタイミング。
涙が溢れた。
「何で?どないしたん?何も心配ないやん。労災下りんねんやろ?給料も入ってくるって」
お金をもらって泣き出したからか、奥様は的外れな慰め方をした。
「いえ、あの…不安なんです。これから仕事と両立できるかどうか」
「そんなん…会社抜けて送り迎えしたったらええやんか。ほんで二人で昼ごはん食べて帰ってきたらええやないの」
「…」
「ほら、アッパ待ってるで。早よ帰ったり。お疲れさん」
あぁ、言えなかった…
1回目の通院は連休明け。
そう、あなたが、私に、1ヶ月も前から残業を頼んできていた日です。
それでも、あなたは、快く行かせてくれますか?
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