オンマは辛いよ

~グチはゴミ箱へ、思い出は宝箱へ~

親の出番

2009年06月12日 22時47分50秒 | オンマの話
もうかれこれ1週間、私は頭を悩ませていた。



息子の誕生祝いに買ったベイブレード。

友達と対戦する為に、外に持ち出した。

ひとしきり遊んで、次は鬼ごっこしようと。

「オレ、せぇへん。Y(息子)、ちょっとこれ貸してくれへん?」S君が言った。

「うん、ええで」



鬼ごっこも終え、帰ろうとすると、息子のベイブレードだけ見当たらない。

「オレ、知らんで。」

S君もちょっと目を離したすきの出来事だったそうだ。




次の日、息子が失くしたベイブレードを、S君が持ってきた。

「対戦しようぜ」

みんな、唖然。

「これ、Yのんとちゃうで。ほら」

ベイブレードにはデカデカとS君の名前が書いてあったのだ。



息子だけでなく、その場にいたみんなが、確実に息子のものだと言ったが、

S君は絶対違うの一点張り。

「じゃぁ、お前、それ、どないしてん」

「家の前で拾った」




ことのなりゆきを静かに、いや、内心かなりしながら見守っていた私。

子どもたちは、先生は知らないし、別に言う気もないとの事。

嘘の上にまた嘘を重ね、だんだん立場が危うくなっていくS君。

それを執拗に問い詰める息子と友達。




こういうとき、学校以外のママ友は、頼りになる

空手の道場で何気なく相談すると、満場一致で出たGOサイン

「きっと、Y君は、納得いかないんだよ。

S君が『買った』って言ったなら、諦めろって言えるけど…」

「そうそう、まだまだ親が出たらなあかんと思うで」




思い立ったら即行動。

道場から帰った午後8時47分、私はS家のインターホンを押した。

心臓バクバク。

下手に出ながら、事情を説明し、相手の様子を覗う


S君のお母さんは、全く知らなかった

S君が持ってきたベイブレードは、S君の名前が書いてあったが、

確かに私が息子の誕生日プレゼントに買ってあげたモノだった。

「あんた、ホンマに拾ったん?後ろめたいことがないんやったら、なおさらY君に『これ、オマエのんとちゃう?』って言ったらなあかんやろ?!」

心の中では「全くだ」と思ったが、

「いや、お母さん、うちの子がどこでも置いてるからあかんのです。怒らんとったって下さい」

と、穏便に済ませ、帰宅。




無事奪還してきた、オンマの手に握られたベイブレードを見て、息子はとても感激していた


勇気を出して行った甲斐があった。

オンマ、グッジョブ




忘れないで。

頼りないオンマだけど、いざとなったら、いつでもあんたたちの一番の味方だから。




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…って、ここで終わるとカッコいいんだろうけど。

正直、私はこの「親の出番」というのがよく分かりません。

こういう場合、親が入ってよかったの