褒めてください

　アッパ君が帰ってきた

　とは言え、まだまだ見るに痛々しい様子

　今までとは１８０度変貌。
　「リモコンとって」
と言われれば、今までなら
　「え～、アッパの方が近いやん」
と言っていたのが、今では忠犬ハチ公のようにホイホイかいがいしく動き回る

　ところが。
　退院が決まった日から恐れていたことがあった。
　
　それは。
　毎日のガーゼ交換だ

　退院前日に看護婦さんから要領を教えてもらったが、
　ワタシ、不器用なんです

　でも、いつまでもそうも言っていられない。
　
　意を決し、おずおずと包帯をはがした。
　まだ傷口を見るのは２度目だったが、…ヒドい
　生理食塩水をかけ、洗い流す。
　コットンで軽く水気を拭き、スプレータイプの薬を２プッシュ。
　滅菌ガーゼに軟膏タイプの薬を落とし、傷口にペタリ。
　そして。
　中に通してある金属が出ている部分にガーゼをクッションのように当て、包帯でぐるぐる巻く。
　この作業が一番難しい。
　金属がどこかに当たるのが、一番痛いらしいのだ

　何とかやり終わった後、私は汗だくになっていた
　アッパ君も、私のあまりにも手際の悪さに、さぞかしヒヤヒヤしたことだろう。

　これから、この一連の作業を、毎日しなければならないのだ

　でも、こうして見ると…何か、一応、形になってない？
　頑張ったでしょ？