オンマは辛いよ

~グチはゴミ箱へ、思い出は宝箱へ~

熱血教師の代償

2008年05月01日 00時15分51秒 | オンマの話
 学校からがかかってくると、ビックリしない親は、いないだろう。

 先日、そろそろ夕食にしようか、という頃に電話がかかってきた。
 息子の担任だった。

 息子に代わってくれと言い、しゃべる様子を見て、私はボ~っと
「今日の宿題の話かしら」位にしか思っていなかったのだが、その後電話を代わって愕然とした。

 先生から聞いた話を要約すると、
 同じクラスのMちゃんが、家の前を通りかかったので、息子がどこへ行くのか聞いたところ、校区外のショッピングセンターだった。
 ちょうど、その日の朝礼で校区外へ一人で行ってはいけないという話を聞いたばかりだったこともあり、少々キツい口調で、行ったらあかんのに~と言ったらしいのだが、実は、Mちゃんはそのショッピングセンターで母親と待ち合わせをしていたらしいのだ。
 Mちゃんが泣いているのを見て、母親が学校へ電話してきた、
とのことだった。

 なおかつ、先生は、詳しい事情を聞きたいので、今からうちへ寄りたいと言って来た。

 ざっと聞いただけだったが、そんな大事にはあまり思えなかった

 電話を切って5分もたたず、玄関のチャイムが鳴った。
 先生は、またもや、息子と二人で話したい、と言い、玄関に二人を残し、部屋に入った。

 息子に呼ばれ、玄関に出ると、先生は、大方事情が飲み込めたのか、
 「やっぱり、Y君も少しエスカレートした発言があったようです。校区外へ行ってはいけない、というのは、何も間違ったことではないので、女の子相手だから、優しく言うように、と言っておきました」
 
 「エスカレートした発言」とは、Mちゃんが、別に堂々と「お母さんと待ち合わせしてるから」と言えば済んだものを「誰にも言わんとってな」
と言ったもんだから、「え~、どうしよっかなぁ」とか何とかいらんことを言ったのだった

 「でも、ちょうどよかったです。授業参観の時にでも、謝っておきます」
 と言って、その日は終わった。

 今日の授業参観、息子の教室へ行くと、息子とMちゃんは隣の席で、トラブルがあったことなど全く感じさせない仲の良さだった
 授業中、みんなのノートを見る合間に私に近づいてきた先生は、小声で
 「あの、向こうから3人目のお母さんです」
と、丁寧に教えて下さった

 授業が終わり、Mちゃんのお母さんに近づき、名前を言って謝ると、向こうも恐縮がった様子で、
 「こちらこそ、すいませんでした。先生がおうちに行ったって聞いて、別にそこまで…って思ってたんですよぉ」
 
 私は、正直、この母親に会うまで、彼女に対する先入観が普通じゃなく、平手打ちでもされるんじゃないだろうか…と思っていたのだが、話してみると、何てことない、事を大きくしていたのは、先生だったのだと気づいた。

 この後、PTA総会の合間にも、ご丁寧に先生は私の隣にやってきて、
 「どうでした?お話、うまいこといきました?」
 と聞かれた。
 すっかり問題児親子になってしまった心境だ
 「あ、いいお母さんでよかったです。先生にもご迷惑おかけしまして…」
 「いえいえ、ボクも、大変勉強になりました」
 ニコニコ笑って、とても満足気だった…

 この先生、初日にクラスのみんなに
 「ボクの宝物は、このクラスの皆です。ボクは、何があっても、みんなを守ります!」と言ったそうだ。
 心が汚れている私には「ケッ、甘い甘い」と鼻で笑ってしまうようなセリフが、息子は結構嬉しかったらしい。
 その昔、テレビで見た○原○彦や、○谷豊ばりの熱血教師ぶりを発揮している。

 全体的に、母親の意見は、賛否両論だったが…

 しかし、子ども達の人気の高さは、校内1,2を争っている
 なので、この1年、熱血教師のもとで、息子がどう育っていくのか、ワクワクもしている。