一期一会

一期一会は、茶道に由来することわざだ。『あなたとこうして出会っているこの時間は、二度と巡っては来ないたった一度きりのもの。だから、この一瞬を大切に思い、今出来る最高のおもてなしをしよう』と言う意味の、千利休の茶道の筆頭の心得である。平たく言えば、もしかしたら、二度とは会えないかもしれないという覚悟で、人に接しなさい、ということ。

この教えとは裏腹に、多くの人と同様に私も、全ての人に対して、一期一会の精神で接していない。しかし、振り返って考えると、相手様が一期一会の想いで私に接してくれているとき、私も何故かそのような気持ちにさせられていた気がする。想いは、語らなくても同化するのである。

純粋な心を持った友と過ごすときは、同じく私も純粋な気持ちになり、善良な心を持ちなさいと教えるお寺を訪ねると、何故か、履物を揃えるが如く、心も整ってくる。したがって、一期一会の精神を持つ人と交わることによって、自分自身、一期一会の気持ちが強くなるということだ。

今年一年、どのような人たちと交われるか、大いなる楽しみである。
（写真は、年に一度お参りする島根県の一畑薬師寺から眺めた風景）