東矢憲二の「気づきの経営」

経営コンサルタントとしての長年の経験を活かして、様々な気づきをご紹介します。
毎日読んでいただくと、心がホンワカ・・・

体験価値の大きさ

2013-01-03 | 経営の気づき
ある農産品の生産者から貴重な体験談を聞かせて頂いた。この方は、この一年、市場への出荷以外に小売販売にも力を入れ始めた。おかげで花屋さんとの付き合いができ、消費者の意外な行動を知ることが出来たらしい。

例えば、消費者から好まれている色の花は、その花束全部に占められていなくても良い。花束のうちの1本だけでも、自分の好みの色があれば、それで満足する。

好きな色が全部その花束で占められてなくても売れることを知ったおかげで、売れる花束作りに活かせることが出来たとか。このようなことは、市場に出荷していたときは分からなかったという。何しろ、市場のスタッフ自体が、消費者の好みを正しく理解していないのだから。

この話を聞いて、今更ながら、体験価値の大きさに感心した。メーカーは販売先だけを見るのではなく、やはり末端消費者を把握しないといけないという常識がある。でも、単なる常識として終わってしまっては何の意味も持たない。言われなくても分かっているという常識であっても、体験しないと本当のことが分からない。

単なる知識を行動にまで発展させるには、やはり大きな刺激体験が必要なのだろう。