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令和5年-厚年法・問4-ウ「保険料負担と納付義務」

2024-07-26 02:00:00 | 過去問データベース

 

今回は、令和5年-厚年法・問4-ウ「保険料負担と納付義務」です。

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被保険者が同時に2以上の事業所に使用される場合における各事業主
の負担すべき標準賞与額に係る保険料の額は、各事業所についてその
月に各事業主が支払った賞与額をその月に当該被保険者が受けた賞与
額で除して得た数を当該被保険者の保険料の額に乗じて得た額とされ
ている。

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「保険料負担と納付義務」に関する問題です。

次の問題をみてください。

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【 H28-6-B 】
第1号厚生年金被保険者が同時に2以上の適用事業所(船舶を除く。)
に使用される場合における各事業主の負担すべき標準報酬月額に係る
保険料の額は、各事業所について算定した報酬月額を当該被保険者の
報酬月額で除し、それにより得た数を当該被保険者の保険料の半額に
乗じた額とする。

【 H10-2-A 】
同時に二以上の事業所に使用される被保険者の保険料は、それぞれ
の事業所から受ける報酬により保険料額を算定し、合算した額を主
たる事業所において徴収する。

【 H30-9-A 】
被保険者が厚生年金保険法第6条第1項第3号に規定する船舶に使用
され、かつ、同時に事業所に使用される場合においては、船舶所有者
(同号に規定する船舶所有者をいう。以下同じ。)以外の事業主は保
険料を負担せず、保険料を納付する義務を負わないものとし、船舶所
有者が当該被保険者に係る保険料の半額を負担し、当該保険料及び
当該被保険者の負担する保険料を納付する義務を負うものとされて
いる。

【 H27-6-A[改題]】
第1号厚生年金被保険者が同時にいずれも適用事業所である船舶甲
及び事業所乙に使用される場合、当該被保険者を使用する甲及び乙
が負担すべき標準賞与額に係る保険料の額は、甲及び乙がその月に
支払った賞与額をその月に当該被保険者が受けた賞与額で除して得
た数を当該被保険者の保険料の半額に乗じて得た額とし、甲及び乙
がそれぞれ納付する義務を負う。

【 H19-7-C[改題]】
第1号厚生年金被保険者が同時に2以上の適用事業所に使用される
場合において、2以上の事業所のうち一つが船舶であるときは、船舶
所有者が当該被保険者に係る保険料の半額を負担しかつ当該保険料
及び当該被保険者の負担する保険料を納付する義務を負い、船舶以
外の事業主は保険料を負担せず、納付義務も生じない。

【 H17-2-D[改題]】
第1号厚生年金被保険者が同時に二以上の適用事業所に使用される
場合において、一が船舶で他が船舶以外の事業所のときは、当該被
保険者に係る保険料の半額を負担し納付する義務を負うのは船舶の
所有者であり、他の事業所は保険料の負担及び納付義務を負わなく
て良い。

【 H12-8-D[改題]】
第1号厚生年金被保険者が厚生年金保険法第6条第1項第3号に規定
する船舶に使用され、かつ同時に船舶以外の事業所に使用されている
場合には、船舶所有者以外の事業主は保険料納付義務を負わず、船舶
所有者が当該被保険者と当該保険料を折半して納付する義務を負う。

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第1号厚生年金被保険者が2以上の適用事業所に使用される場合、保険
料の負担や納付はどのように行うのかというのが論点の問題です。

もし、どこか特定の事業主に負担させるということですと、それは、
不公平になってしまいます。そのため、公平な負担という観点から、按分
して負担をするようにしています。
つまり、各事業主の負担すべき標準報酬月額や標準賞与額に係る保険料の
額は、事業主負担である2分の1の額(半額)を各事業所において定時
決定等により算定した額で按分した額となります。

したがって、「被保険者の保険料の額に乗じて得た額」と「半額」という
記述がない【 R5-4-ウ 】と「合算した額を主たる事業所において
徴収する」とある【 H10-2-A 】は誤りで、【 H28-6-B 】は
正しいです。

単に、2以上の適用事業所に使用される場合は、このように、各事業所
ごとに、定時決定などにより算定された額に基づき按分した負担となる
のですが、一方が船舶の場合、扱いが異なります。
船舶所有者以外の事業主は、負担も納付義務も負いません。
ですので、後の5問のうち【 H27-6-A[改題]】は誤りで、他の4問
は正しいです。

船舶に使用される被保険者は、第3種被保険者です。そのため、元々、
一般の事業所に使用される被保険者と保険料率が異なっていました。
さらに、船舶に使用される被保険者は、健康保険ではなく、船員保険の
適用を受け、船員たる被保険者の標準報酬月額の決定及び改定について
は、船員保険法の規定の例によることとなっています。
そうすると、それぞれが、負担したり、納付したりすることになると、
ややこしいことが起きてしまいます。
保険料の計算だけでなく、その月は、第3種被保険者としての被保険者
期間?それとも、それ以外?なんてことも。

ということで、船舶と船舶以外の事業所に使用される場合は、船舶のほう
だけで、保険料の負担・納付をすることにしています。

 

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