いろはに踊る

 シルバー社交ダンス風景・娘のエッセイ・心に留めた言葉を中心にキーボード上で気の向くままに踊ってみたい。

遺書を手紙と強弁した教育委員会

2006年10月06日 08時22分00秒 | 兎に角書きたいの!
 昨年9月教室で首吊り自殺した少女が学校の机の上に残していった7通の遺書を北海道滝川市教育委員会の千葉潤指導室長は、マスコミの質問にこの遺書を「手紙」、「手紙」と強弁し「いじめ」の事実の隠蔽を図っていた。
 「遺書」=「死後のために遺した手紙や文書」「死後に残した文書」
 「手紙」=「手は文字・筆跡の意で、用事などをしるして他人に送る文書」「通       信の文を書いて、他人に送る文書」
 別に言葉の意味を確認するつもりは無いが、指導室長の発言内容を聞いているとどのようにして責任を逃れようかの一点に絞られる。そのためには屁理屈をこねて逃げ切りを図ろうとする人間としての心が感じられない。マスコミなどで大きく取り上げられ滝川市の問題でなく全国的になったことから逃げ切れないからと判断して、教育委員会は早期決着を図るべく1年前に亡くなった少女への「いじめ」を認め仏前に初めて頭を下げた。これらの行動はすべて自己保身から出たその場しのぎの態度である。事故の原因を調査中と1年を経過した。遺族の方の心情を思うと教育委員会の人に対して「何だーこのヤロー」と怒鳴りたい。何でこう毎日毎日悲惨な事件が起きるのだろうか。
 少女は4年生の頃から「死ねるなら死にたい」と言っていたと言う。6年生のクラスでは毎月の席替えで少女と2回連続で隣の席になった同級生に同情が寄せられたと言う。少女が亡くなる2ヶ月前には担当教諭は少女から「友達から避けられている」との相談を受けたが、学校側はそのときに解決したとしている。
 この学校側、担当教諭の何と無責任な対応の仕方か。ものの修理ではあるまいし、それで解決などおこがましい。問題を解決したい、指導したいとの責務を感じていればそれを観察していくのが学校教育であろう。なんとも情けない大人の保身術である。「いじめ」は今始まった話ではない。恐らくこの席替えで毎月、少女に対する声があったはずである。それを担当教諭は少女から相談されて始めてその対応策をとったのか?恐らく少女が亡くなるまでのこの長い期間は見てみぬ振りを決め込んできたのだろう。そうでなければ7通の遺書を残して自らの命を絶つことは無かったでだろう。親身になった相談も対応策も何にもとらない無責任な学校だったことになる。なんとも少女が可哀相で気の毒だった。小さな胸にこんな悩みを詰め込んでいたなんて。現場に居ればその場の雰囲気はすぐ分かるはずでありわざと知らない振りをしていた先生を許せないし、この教育委員会の様はもっと許せない。
 私の娘が小学校5年生のときの話で20年ほど前になる席替えを巡ってのことである。そのときの担任の先生から娘と母親にあてた手紙を頂いた。
 ◎娘宛
  ○○さん 今日はありがとう。
 あなたひとりにぎせいになってもらったみたいで、本当に心苦しいのです   が、だれひとり ゆずってくれなかった時に、あなたがすすんでかわってく   れましたね。
 先生はとてもうれしく思い、心の中で感謝していました。
本当に どうもありがとう。

 ◎母親宛
  今日○○さんのすばらしい態度に感謝してペンを執りました。いつもいつも犠牲になる必要はないし、私も望んではおりませんが、今日は、とても有難かったことは確かです。
 誰もが、自分の事ばかり考えて、話し合うことすら無理な状態にあった時にすすんで(心の中では、泣きたいくらいだったかも知れませんが……)席を替わってくれました。
 ○○さんの気持ちは、はかりしれないほどだったと思います。○○さんの勇気に頭が下がる思いがしました。自己中心的な子が多い中で、心表れる思いがしました。欲をいえば、自分ひとりの犠牲ではなく、円満な話し合いの中心となって、事の解決にあたられるようになることが理想ですが……。これは、大人にもなかなか出来ないことです。
 ○○さんの行動に、感謝し、感謝しております。褒めていただきたく、右したためました。
 このことからもいじめに近いことがあったことを先生は察知している。娘と同じ席になった少女に対する以後の対応は不明ではあるが痛ましい事は起きていない。(この手紙は自分史作成のために偶然見つけた手紙でした。)

 先生方に物事の事象に関心と洞察力と責任感を持ち合わせていたならば少女は自ら命を絶つことは防げたのではないだろうかと思う。席替えでの不満を適切に把握できなかった、把握しようとしなかったこのことがこの事件の根源だった思う。

 どんなに悩み、悩み毎日を過ごしていたかと思うと胸がはり裂かれる思いである。小さな胸に。この小さな胸に。
                      合掌

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