いろはに踊る

 シルバー社交ダンス風景・娘のエッセイ・心に留めた言葉を中心にキーボード上で気の向くままに踊ってみたい。

症候群シンドローム(第33編)

2005年08月03日 06時59分00秒 | 娘のエッセイ
 最近、『症候群』という言葉が氾濫している。つい先日も、雑誌の病気チェック
なるテストをしたところ、私はストレス過度で、OA症候群で、VDT症候群で、
なおかつ出社拒否症で鬱病だというひどい結果がでてしまった。

けれども、これらの産みの親である会社を私は今年いっぱいで退職出来ること
になったのだ。(ウレシイ!)

 心身共にボロボロにされてしまった職場であったが、私はここで、変な生物に
出会った。その生物とは、食欲と性欲と嫉妬の塊のような女である。

服を切られる。貴金属や書類が紛失する。など、私自身かなりの被害にあった
けれど、一歩離れて眺めれば、その言動は話のネタとして面白かった。

そんな彼女の為に、私は『恋ができないかもしれない症候群』という病名を考え
だした。それは、欲情するけれど恋はしない。男と寝るけどメイクラブはしない、
ということからだ。

 昼休みの休憩室。女性雑誌のエッチな体験記を声に出して読む彼女の口か
らは、今にもヨダレが垂れてきそう。「お願いだから、声に出して読まないで」

と言いたくなる程、その声はネットリとしてイヤラシイ。欲望に忠実なのは、悪い
ことではない。けれど、若い女の過剰な性欲の露呈は、悲しいかな、吐き気を
もよおすばかりなのである。

 「最近、男の人を好きになれないの」。この間、電話で友人がポツリとこぼし
した。「小学生の頃から、いつも好きな人がいたのに」と、その悩みはかなり
深刻そう。

現在、彼女は恋をしていない。けれど、『恋が出来ないかもしれない症候群』
にかかっている訳じゃない。

 だから、仕事に精を出し過ぎて様々な症候群を背負い込まないように、そし
て、早く素敵な恋に巡り会えるように、という彼女への気持ちも込めつつ、

バブル崩壊でめっきり仕事の無くなった会社の図面台に向かって、症候群に
冒された私は今、このエッセイを書いている。
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