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HAPPY HIKERS BAR NISEKO

2019-04-18 | EVENT
3月13日に開催された熱いHAPPY HIKERS BAR NISEKOのレポートをHAPPY HIKERSのページにアップしていただきました。

レポートそのまま掲載させていただきます。

3月13日、ニセコでも恒例になった4回目となるHAPPY HIKERS BARの開催です。
夜7時。 BARオープンの時間。
いつになくバタバタと慌ただしい雰囲気でスタッフもみんな大忙しです。 カウンターに立つのSPROUTのスタッフは次々に集まるお客様のドリンクとニセコ山麓パーラー のスペシャルサンドの提供にあたふたし、音楽担当のmfpとjealousguyの夫婦DJは、その慌ただ しい空間を音楽で整えることに専念する。そして、発起人の豊嶋さんといえば、自身が出店する ことになった、今夜限りのポップアップショップ『The Vintage Telemark Skier Shop』の準備 と接客で大忙しだ。そして、この日のために九州から送ってもらった、HAPPY HIKERS SHOP のTシャツも並んでいる。
そう、4回目のHappy Hikers Bar NISEKOは食に音楽にトーク、そしてこの場限りのショップ も加わるとっても盛りだくさんな夜なのです。 会場のみなさんにひととおりフードとドリングがわたったころ、
「さぁ、Happy Hikers Bar NISEKOはじまりです!」



3月ということでパウダーシーズンは終わったものの、まだまだ雪山シーズンまっだたなかのニセコ。普段は山でしか会わないような人たち同士が今シーズンを振り返ったり、春の山をどう楽しもうかという話題で盛り上がる中、一人目のゲストスピーカー『if you have』の山口さんのお話です。



昨年の夏に四国の高知県から北海道へ移住して来た山口さんは、雪山を滑る人が集まる独特の雰 囲気をもつニセコの会場でゆっくりと静かに話し始めました。その様子はまるで転校生がクラス のみんなの前で自己紹介するようでした。

『インディペンデントなものづくりの仕事』というタイトルで、自身が立ち上げたブランドである 『if you have』について、いままでの経緯や影響を受けたできごと、そこから生まれた作品の 数々についての話です。 雪山文化が強いニセコでは、『U.L』という言葉や『ウルトラライト』という概念は新鮮な響きを 持っています。それは、『if you have』を立ち上げてからの山口さんのライフスタイルの話を聞 いてさらに興味深いものになっていきます。生活のために何かを犠牲するのではなく、より良く快 適で楽しい生活を送るために、住む場所も持ち物も自由に決めていくというスタイルだと山口さん は話します。ウルトラライトは山の装備のことだけではないんだと、そこにいた多くの人がうなづ きながら真剣に耳を傾けていました。 シンプルだからこそ、ひとつひとつのことに丁寧に真剣に取り組むことができるという『if you have』のものづくりは場所が変わってもぶれることはありません。そんなものづくりとライフス タイルを気負いなく貫く山口さん家族の笑顔は、初めて過ごした北国の冬の生活もとっても満喫し ているような素敵な笑顔でした。
プレゼンテーションの後は、『if you have』の商品に質問殺到です。雪山道具メインに使用して いるニセコのみなさんにとってはULのザックは目新しく、今後ULと雪山との組み合わせがニセコ でも実現されていく予感がします。



ギアの話が盛り上がって来たことと並行して、SPROUTの焙煎所で開催中の「The Vintage Telemark Skier Shop」も大盛り上がり。店内には、細くて長いスキー板がずらりと並んでいます。何十年も前から使用されてきた道具は単なるレトロな道具ではなく、考えられた末にできた道具はウルトラライトの原型でもあり、まさに温故知新です。

スキーをする人もしない人もその道具の楽しさに触れ、場の雰囲気も盛り上がって来たところで2つ目のゲストトークが『細革ウロコのニセコオートルート』です。 『細革ウロコ』とは、昔使われていたような『細くて長いスキー板』、軽くしなやかで歩くのにも向いた「革製のスキー靴」、そして、ウロコと呼ばれる登りも可能な刻みがスキーのソールに入ったスキー板を合わせて使うテレマークスキーのスタイルのことです。その『細革ウロコ』と、『U.L(ウルトラライト)』が融合したスタイルで、日本海からアンヌプリまで続く『ニセコオートルート』と呼ばれる約30kmの山並みでのテント泊縦走を試みているテレマークスキーヤー4人組によるツアーレポートです。4人組というのは、ヒデキチこと豊嶋さんに、NACというゲレンデサイドの職場で毎日細革を履いているカノマーとHANAZONOスキー場のパトロールゴンちゃん、今日の会場SPROUTのオーナーでもある僕、ヨッシーのこと。手前味噌で失礼しましたが、思入れのあるニセコオートルートについて語らせていただきました。



トイレに貼ってあったニセコ連峰が描かれているポスターから思い立ち、夏山でのリサーチや雪山テント泊、毎週月曜日の夜明け前の朝活などを経て、2016年縦走に挑戦。ギアの選択ミス、重い荷物、技術不足など、失敗と学びを何度も繰り返して回を重ねる度に経験値も増し、昨年2018年に3年目にしてようやく日本海側の雷電山から、アンヌプリをこえ、さらに雪をつないでここSPROUTまでをコンプリートしました。

「細く・長く・美しく!」細革ウロコでの山遊び。4人が共通して感じているその魅力は、身軽で自由なその道具自体の楽しさとそれを共有できる仲間たち。楽しくも難しく、やればやるほど終わりのないその遊びは、仲間がいてこそお互いを高め合い、楽しみを共有できるのかもしれません。そんな僕たちの活動を最初から見守ってくれ、たくさんのアドバイスと力をくれたテレマークスキー界のレジェンド山本由紀男さんがこの日のイベントに遊びに来てくれていて、トークの最後に一言という無理なお願いに応えていただきました。
その言葉は僕たち4人だけでなく、会場にいたみんなの心に響いたことだと思います。



「ニセコでテレマークスキーという道具は、もともとは山ヤさんが山から降りてくるために使用していたもの。それを楽しく遊び始めて、こうやって次の世代の人たちが引き継いで自分たちで工夫しながら楽しくニセコの山で遊んでくれているのはとっても嬉しいことです。きっとニセコの山も喜んでくれていると思います。」

それはテレマークスキーや山遊びに限らず、ものづくりや音楽、フード、ドリンク、お店といったこの日のHappy Hikers Bar NISEKOの内容全てのことに共通することで、何事も純粋に真剣に取り組むことが何よりも大切なことなんだ、自分たちが楽しいと思うことを真剣に取り組むことは自分たちの大好きなフィールドに喜んでもらえることでもあるんだ、と気づかせてくれました。
この言葉はこれからもずっと支えてくれる大切な言葉になることと思います。



インディペンデントなものづくりから温故知新の山道具、ウルトラライトな雪山遊び、その場の空気を創り出す音楽とおいしい食事。そしてその場を思いっきり楽しむ人たち。その全てが一つの線で繋がった北国の熱い夜。
会場の熱気はおさまることを知らず、気がつくと『The Vintage Telemark Skier Shop』にたくさん並んでいた細板も、お店のお酒やフードも完売状態。それでも会話は途切れることなく続き、終わることない夢のようなHappy Hikers Bar NISEKOの夜でした。



テキスト・写真/峠ヶ孝高
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