邦画ブラボー

おすすめ邦画(日本映画)のブログ。アイウエオ順(●印)とジャンル分け(★印)の両方で記事検索可能!歌舞伎、ドラマ感想も。

「HOUSE/ハウス」

2006年06月15日 | ★恐怖!な映画
美少女ホラーの原点といえば、
ダリオ・アルじぇんとでしょう~~というホラーマニアは置いといて・・

少女の絶叫はいつ聞いても甘美なのはなぜなのでしょう。

おばさんもかつては少女であったようにおじさんにもかつては
少年の日があった。
二度と帰らないその日はだからこそ甘く、せつなく美しいのであります。
と綾小路きみまろではありませんが
弁舌口調になりたくもなります。

だって池上季実子若~~大場久美子若~~神保美喜なんか
ぴちぴち脚長~~~
・・・・
こんなおじさんみたいな見方はいけませんか。

楽しさがあふれる映像の遊園地だ。
当時の人気者タレントも顔を出すかと思えば
アニメーションが入ったり
ナンセンスなギャグが差し挟まれたりと
頭を使わず体で感じたい映画と申せましょう。

夏休み、7人のきゃわいい~~美少女
オシャレ/ 池上季実子
ファンタ / 大場久美子
ガリ/ 松原愛
クンフー / 神保美喜
マック /佐藤美恵子
スウィート / 宮子昌代
メロディー /田中エリ子
が、おばちゃま(南田洋子)の邸宅で、
恐怖の体験をしてしまうの!
それはおばちゃまの恋と
パパの再婚が嫌なオシャレ(池上季実子)の
揺れ動く心にリンクしているの!

少女たちのひと夏の経験は嵐のように過ぎ去り・・
そしてみなみなみんなおばさんになったのであった。

う・・こんな見方はいけません。

とにかく笑える、
ホラーと言うよりはコメディタッチで
ストロベリーパフェ三杯分くらい、甘~~い映画です。
音楽も楽しい。
そうそう、鰐淵晴子が「女神」です。

入り江たか子若葉親子の
「麗猫伝説」もまた見たくなった!!

監督 : 大林宣彦
原案 : 大林千茱■
脚本 : 桂千穂 撮影 : 阪本善尚 音楽 : 小林亜星 ミッキー吉野
音楽演奏 : ゴダイゴ

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「柳生武芸帳」

2006年06月14日 | ★ぐっとくる時代劇
悪の手に渡れば幕府も転覆、
天下はひっくり返るのだ・・・
大河内伝次郎の重々しい語りには
誰もがなんだかわからないがすごそうだと
思うであろう。

どんな武芸帳なのか・・という興味に引っ張られて
最後まで見てしまうという意味で
サスペンスフルで牽引力がある映画だ。

だがこの作品の醍醐味は
その「柳生武芸帳」が
どうすごいのか・・がわからないところなのである。

柳生・藪大納言・鍋島家に預けられていた
柳生武芸帳が紛失。
天下分け目の奪い合いとなるが
忍者の多三郎(三船敏郎)千四郎(鶴田浩二)兄弟も
巻き込まれる。
多三郎は荒々しい容貌と裏腹に
敵の夕姫(久我美子)に
恋をしてしまったりとかなり軟派。

くんずほぐれつ
熾烈な戦いを繰り広げるのが大筋なのだが、
中村扇雀 扮する柳生又十郎などは
敵方に潜入するために「歯を全部抜いて」骨格を変え、
女装するという設定。

壮絶な痛みに耐えるのもひとえに
「武芸帳」を奪うためなのである。
麻酔も無い時代に無茶なことをやる柳生一族。
実はこの場面が一番面白かったりして。

だがこれからもすごい。
歯を抜いた後、どうするかというと、
女性用の総入れ歯を入れる。

あの時代の入れ歯とはいったい!!???
と激しく興味が湧く!

錦絵のように毒々し・・
いや、
鮮やかな画面は
冒険活劇調でワクワクさせ、
伊福部昭の音楽も追い討ちをかける。
久我美子、香川京子、岡田茉莉子などの
綺麗どころも揃っているが
どこかB級のかほりがして愛せる。

そして我々は「続編」へとひっぱられていく!

監督 : 稲垣浩  原作 : 五味康祐 脚色 : 稲垣浩 木村武 
撮影 : 飯村正
音楽 : 伊福部昭 美術 : 北猛夫 植田寛

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読んでくださってありがとう。
嬉しいです!

「憎いあンちくしょう」

2006年06月13日 | ★イカス!映画たち
高揚感に包まれる、
不思議な映画だった。

北大作(石原裕次郎)はディスクジョッキー、司会者、
テレビ出演と分刻みのスケジュールをこなす大忙しの人気者だ。
やり手マネジャーの典子(浅丘ルリ子)は大作の恋人でもあった。

都会的でクールな二人・・のように見えたが、熱かった!

仕事に追われる毎日をおくっていた大作は、
中古ジープをタダで九州まで運んでくれる人を
募集しているという女性(芦川いづみ)に出会い
見知らぬ男女の愛を成就させるために、
テレビの生放送の中で「俺が運びます!」と言ってしまう。

この直前、典子に「拒否」されてモヤモヤ最高潮だった大作。
仕事はどうなる!

慌てた典子は大作のジャガーを駆り、ジープの後を追いかける。
後半からはロードムービー風な展開になり、
スピーディーな演出に
見ている方もぐいぐいひっぱられて行く。

それは二人の愛を探す旅でもあった。

音楽は黛敏郎で、甘くやるせない調べを効果的に散りばめている。
裕次郎の囁くような歌声も
映像にぴたりと溶け込んでいる。

それにしても激しさを秘めたモダンガール、
浅丘ルリ子は絶品です。
化粧もナチュラルメークで可愛らしい!

二人とも無茶やるなあ~~な展開なのだけど、
メチャメチャパワーがある。

それだけに青空の下でのラストシーンには実に爽快だった。

可憐な美女、芦川いづみは
藤竜也の奥さんになってから芸能界を引退してしまったが
お元気なのだろうか。
ディレクター役の長門裕之が、「業界人間そのものズバリ風」で◎

鮮烈な映像をリアルタイムで見た方がうらやましい。

1962年 蔵原惟繕 監督作品
脚本 : 山田信夫 企画 : 水の江滝子 
撮影 : 間宮義雄  
音楽 : 黛敏郎 美術 : 千葉和彦

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金語楼の「おトラさん」

2006年06月09日 | ★痛快!な映画
柳家金語楼って割烹着が似合う!

勤続20年のベテラン女中、
おトラさん(柳家金語楼)の大活躍を
テンポのいい演出で見せる。
原作は西川辰美の漫画。
一家のあるじ(有島一郎)のとぼけた演技も最高潮だ。

おトラさんが台所でお豆腐をトントン刻んでいると、
いたずら坊主が、カエルの干物や
かんしゃく玉を手にやってくる!

頭痛薬の「ノーシン」の垂れ幕が下がるのど自慢大会で、
「ジェスチャー」いっぱいでテーマソングを歌ったり、
文金高島田の花嫁姿を披露したりと
金語楼の抜群のコメディセンスと百面相芸が堪能できる。

他に柳沢真一、若水ヤエ子など。

簡素ながら美味しそうな食事だとか、
箒にはたきで清められたこざっぱりした家だとか、
当時の家はよけいなものが無いので
すっきりしているなあと妙なところにも感心した。

青島幸男の意地悪婆さんといい、おトラさんといい
男性がお婆さんをやると妙に面白いのはなぜか。

金語楼は「有崎勉」のペンネームで、
新井一と共同で脚本を書いている。
シリーズ化されて、6作も作られていたなんて
知らなかった!

1957年・監督:小田基義

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「夜の牙」

2006年06月07日 | ★イカス!映画たち
「アニキ~~」
「なんだ、三公!」

これだけで「カッコイイ」と思わせるのですから
石原裕次郎っていったい何者だったのだろう。
若くしてすでにふてぶて・・いや、貫禄があって、
大スターのオーラが光る。

岡田真澄さんは
裕次郎の子分で、ちょっととっぽいスリの三太という、
ごろつき・・いや、若者を演じています。
信じられないくらいのハンサムなのに
コミカルな味を出していて新鮮。

この二人の関係、「傷だらけの天使」のようだ。

ガード下で診療所を開いている医者、健吉は
ある日ふとしたことから自分の戸籍が抹殺されているのを知り
調べていくうちに謎の人物に命を狙われてしまう・・

謎の美女(月丘夢路)、キュートな浅丘ルリ子も加わり、
サスペンスタッチではらはらさせるも
キラキラとした金粉が舞っているような、
華やかさいっぱいの娯楽作だった。

怪しさが増す「影」の使い方が面白い。

岡田さん追悼番組。
黙っているとぞっとするくらいの
美貌なのに、ちょっとはずした二枚目半の
キャラクター設定で、より魅力を引き出していたと思う。
「狂った果実」もまた見たいです。
脚の長さは裕次郎に勝っていたよ~~

あらためてご冥福をお祈りします。

1958年 監督 : 井上梅次 脚本 : 井上梅次 渡辺剣次
撮影 : 岩佐一泉 音楽 : 佐藤勝 美術 : 中村公彦

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