邦画ブラボー

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笹沢左保の「峠」シリーズでござんす(感想)

2012年04月22日 | ★ぐっとくる時代劇

笹沢左保の股旅ものっていうと

すぐに浮かぶのは

「あっしには係わり合いのねぇことでござんす。」

木枯らし紋次郎」!

この「峠」シリーズは、

「紋次郎」の撮影中に主役の中村敦夫が怪我をしたため、

復帰まで番組が休止。

その穴埋めで急遽作られた

たった四回のシリーズだと言う事ですが、

とても充実した内容。

隠れた股旅ものの傑作と言ってもいいと思う。

紋次郎にも共通する、主人公である渡世人たちの

クールな生き様が心に残ります。

 

プロットが面白いのは当たり前なんだけど

各話演出もキレが良くて、一気に見てしまいました。

音楽もまことに良しで

股旅気分を盛り上げます。

高橋悦史主演森一生演出宮川一夫撮影の

第一話といい、

まあほんとに

甲乙つけ難いんですけど、

いつもは繊細な文学青年のような役が多い

松橋登が、

ニヒルで寡黙な渡世人を演じる第4話:

森一生演出「鬼首峠に捨てた鈴」

が、

展開といい、乾いたムードといいものすごく良かったです。

絡む子役がまた上手くて・・・・

 

川津祐介も「青春残酷物語」以来の

適役!

第2話「狂女が唄う信州路」で

持ち味である硬質な魅力を振りまいています!!

 第3話は天知茂と梶芽衣子の共演が見逃せません。

4話とも、甘さ抜きのビターなムード。 

渡世人が話す特殊な台詞が素晴らしい。

全編に渡り独特の美学が貫かれているのは

さすがで

笹沢左保を無性に読みたくなってしまった!!

****

時代劇専門チャンネル」さん、

これからも隠れた名作をどんどん放送しておくんなせぇ。