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「新選組血風録」左右田一平には泣かされた

2010年06月02日 | ●面白かったTVドラマ
「新選組血風録」にはいつも
ほろりとさせるオチがつくが
思わずもらい泣きの場面がもうひとつあった。

新選組血風録
19話「あかね雲」がそれ。

新選組と薩長軍との戦いが迫っていたとき、
新選組の幹部斉藤一(左右田一平)は、
高熱を出した孤児の女の子を医者に連れて行き、
しばらく面倒を見てくれるように頼みこむ。

新選組が京都を去る朝、
少女は斉藤を追いかけ、行き倒れになって死んでしまう。

駆けつけた斉藤は
少女の亡骸に向かって

「し~ちゃん。
先に行って待っていなさい。
浜辺で天神様の歌を一緒に歌っておじちゃんも遊ぶからね。
おじちゃんはご用があるから、すこ~し遅れる。
でも必ず行くからね。
しーちゃんの遊んでいる浜辺は何処の海岸かわからないけど
おじちゃんは日本中の海岸を歩いてでも
きっと探すから、ね」
と語りかける。

この間、斉藤の目には一滴の涙も無い。

泣くのはこっち!



新選組一、朴訥で実直な男が
ぎゅっと唇を噛み締め
涙ひとつこぼさないのがかえって涙を誘うのです!
そして死に戦へと向かっていく。

栗塚旭が語るナレーションで
新選組が戦いに敗れ倒れていく中、
斉藤はひとり
ただの一度も激しい言葉を発することもなく
気負いたった姿をみせることもなく、
黙々と勇ましく戦い抜いたことを伝えている。

う~~ん最近気負った姿と美辞麗句が飛び交う中、
こんな人が出て欲しいと切に思う~~~!

新選組血風録は
隊士ひとりひとりの人となり、
その美学と生き様死に様を描いて、いずれのエピソードも素晴らしい。

飛びぬけたイケメンも
有名俳優も出ないけれど、
己の美学に殉じた男たちに
ハートを鷲づかみにされる!

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