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海老蔵版「霧の旗」感想

2010年03月18日 | ●面白かったTVドラマ
海老蔵は

でっかい!

顔がじゃなくて

声じゃなくて

芝居が!

そして

特異!

いい意味で!

ブラウン管 いや液晶画面から飛び出してくるような
スケールで唖然。
その存在ゆえか、見終わるまで
ピリピリとした緊張が続いた。

海老蔵流表現の特異性:
まず表情から入っていく歌舞伎の「型」みたいな独特の芝居。
その後ついてくる鍛え抜かれた声は、
まるで天上から降ってくるような響きで
一瞬にしてあたりとはまったく別世界を構築するのだった。

昭和の森雅之版はベテラン弁護士と貧しい小娘・柳田桐子との落差が
強調されていたが
海老版は桐子(相武紗季)との
年齢差と貧富の差はそれほどまでには感じられない。
その分逆恨み的な印象が強まった感は否めないが、
柔らかな締めくくりで帳尻を合わせていた。

ストーリーの現代風なアレンジにもムリが無く、
久々に楽しんでみたドラマだった。

海老蔵の愛人役
戸田菜穂は文句無く美しいし上手いので、二人の恋愛に十分酔えた。

海老様は緊急時非常時になるとその威力を発揮!

特に拘置所で戸田菜穂と面会するシーンは
愛が迸ってキラキラと輝きながら画面から飛び散り
夢のように甘く、
初めて海老蔵を見た「天守物語」で、
魔性の女に恋をする若侍のひたむきな愛の姿に
が~んと殴られたような衝撃を受けたのを思い出した!

ラブシーンに酔える役者ってあんまりいませんが。
水ぶっかけ、額の泥シーンにも
「はっ!」といたしました。

スリリング!

ドラマに華やかな賑わいをかもし出す
若手の花形タレントさんたちに混ざって
地味だけどプロの芝居を見せてきらりと光っていたのは
野球部の監督役をやっていた山下真司

溝口健二風に言うと、「こんな人、いる!」
と思わせる人物像を作っていた。
アクが強い津川雅彦も芝居を締めていた。

もし、
長谷川一夫がスーツを着て
雨の舗道で土下座したら同じような感慨を持つかもしれないが
観客を異次元に運んでくれ、
夢を見させてくれる市川海老蔵は
やっぱり平成の千両役者だと思った。

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