邦画ブラボー

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「千羽鶴」ネタバレ 追記

2009年07月27日 | ★愛!の映画
木暮実千代の、娘の目さえもはばからぬ、というか
ちょっとアブナイんじゃないかと思うくらい
ストレートなアタックぶりは、童女のように
素直で美しい性格ということもあるけど
菊治の中に元愛人だった菊治の父、
清水将夫の面影を見ているからなのだ。

また、森と木暮の間を嫉妬する杉村春子は
菊治の父と昔男女関係があって、
愛人になった木暮を憎んでいたからだったのだ。

ややこしや~~~

そこで、絡みあう複雑な男女関係を

方程式で表してみた。

X=三谷浩造(清水将夫)
Y=太田夫人(木暮実千代)

Z=栗本ちか子(杉村春子)

XA=三谷菊治(森雅之)
 
YA= 太田文子(乙羽信子)と、する。

その関係は
X × Y        
X × Z

XA× Y

原作では
森雅之は木暮の娘である乙羽信子にまで手を出す(!)ことになっているので
XA × YA 


ということになる。

映画では乙羽はその気ムンムンの森を振り切って
「ひとりで生きていきます」と未練有り気に去っていくが
さすがにそこまで罰当たりになれないという解釈だろうか・・

木暮の形見である茶碗を割るのも乙羽ではなく
憎しみと嫉妬でゆがんだ杉村という、
解りやすい設定に変えられている。

方程式に戻ると、
ここで大罰当たりなのは
二回づつ出てくる X と XA そして Y である。

それも茶道を絡めているのだからまったく背徳の極み!

川端文学を方程式で表すのも神をも畏れぬ仕業・バチアタリと言えますが・・

原作での各登場人物の複雑な内面を
上手い俳優さんたちが見事に演じきっていたと思う。

ただ
Xと XA
森雅之の二役だったら、
もっともっと罰当たりで色気のある作品になっていたに違いないと
少しザンネンに思う。

しかしこれで
X × YA
XA × Zなどが加わったら
見るものは どうにでもしろとあきれるだろう。
(だれもそこまでやらない?)

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