邦画ブラボー

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武満徹「音の森への旅」

2007年03月10日 | ★TV番組
いやあ NHKの「知るを楽しむ」
とっても楽しんでますが、

武満徹編には泣きました。

あ 間違えた。

泣いたのは「新藤兼人」特集でした。

武満徹編は
ナビゲーターが篠田正浩監督なので
映画の裏話などが聞けるかもと期待してましたが、
予想以上に面白かった!

天才たちが呼応しあったエピソード:

日比谷音楽堂で
無名だった武満の「弦楽のためのレクイエム」を聴き、
感銘を受けた篠田監督が
鎌倉に向かう終電の中でひと際変わった青年を目にする。

それは「この世界の人間ではないような男」で、
直感的に「あれは武満徹に違いない!」と思ったそうだ。
後日スタジオで黛敏郎に紹介されたのがまさに其の武満徹だったという
嘘のような奇跡のような話に驚いた。

・・「乾いた花」で脚本を寺山修司に依頼したとき
二人共、音楽は武満徹にしよう!と一致し興奮したそうだ。
寺山にとって映画は「音楽」だったという言葉も印象的だった。

番組には故武満徹の奥様も登場した。
若い頃から無類の映画好きだった二人は、
お金が無くてもなんとか工面して、映画館に通ったという。
映画を愛した天才だったからこそ
素晴らしい作品が出来たのだろうな。

「乱」の音楽のことで黒澤監督とぶつかり合った話も興味深かった。
武満徹を支えてきた奥様は大変聡明な方で、
素晴らしい理解者にも恵まれた芸術家は幸せだったと思う。

武満にとって映画は思う存分音の実験ができる場所であった。
その音は時に映像に共鳴し、時に侵略し
時に映像が音をはねつける・・・
篠田監督もまた音楽をよく愛し、
理解している方だとあらためて思った!

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