邦画ブラボー

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「ある殺し屋の鍵」

2006年10月26日 | ★ハードボイルドな映画
踊りの師匠が男の表の顔だが
裏稼業はもちろん殺し屋だ。

名前は「新田」としておこう。

ある殺し屋」の続編は
またあのギターの調べで始まった。
物悲しいメロディが物語へといざなう・・・

新田は色と欲がうずまく世の中で
粛々と仕事をこなす殺しのエキスパートだ。

金のため?

いいや。

女のため?

違う。

復讐か?

ノー

てめえらは人間じゃねえたたき斬ってやるんですか?

関係無い

ここでも一切の背景は述べられない。
この世はすべて馬鹿馬鹿しい・ナンセンス・・茶番だ・・
殺し屋はもちろんそんなことはひと言も喋らない。
戦争の暗い影がちらりと覗き、

そこにはただ風が吹いているだけである。

昭和の香りが色濃いのはギターの音色のせいだろうか?

前作の舞台は荒地、墓場の傍のぼろアパートという
場末も場末、大場末だったが
この作品ではゴーゴークラブや
洒落たレジデンス(マンション)と、都会的な彩りだ。

監督は同じく森一生。脚本は大映専属の小滝光郎となり、
増村保造 は構成にまわっている。

哀れな西村晃がまんまとその手にかかり
したたかな佐藤友美(ってこんなイイ女だったっけ?)が、新田を誘う。

題名にある「鍵」の扱いも皮肉な
乾いた大人のメルヘンである。

二作共傑作!

映画の中のイイ女:
佐藤友美 熟女になられてからしか知らなかったので
若い頃こんなにキュートだったのかと新鮮でした。
軽くウェーブかかったロングヘアに体にそったドレス。
都会的でクールな女・・年配になってもこの路線を崩さなかったんですね!

監督 森一生
脚本  小滝光郎
構成  増村保造
原作  藤原審爾
撮影   宮川一夫
音楽  鏑木創
美術 太田誠一

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