邦画ブラボー

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「陽気な殿様」

2006年09月27日 | ★ぐっとくる時代劇
市川雷蔵主演の明朗時代劇。

一点の曇りも無い二枚目。二枚目半かな。
どこか暢気な若様は
大工の八五郎(小林勝彦)と鳶職の三次(佐々十郎)のお供を連れて
何でも見てやろうの旅に出、
珍事件に巻き込まれたり、恋に落ちたりする。

特筆すべきは
謎の浪人役天知茂
痩せた体から妖気ビームを放ち、
すごい面構えで悪役上等
どこか憎めない役だが十分スパイシーである。

雷蔵自身、結婚、子供も生まれて
私生活も充実していた頃の作品。

明るさがいっぱいで、
見ていて気持ちも晴れ晴れしてくるようだ。
こんな屈託の無い楽しい映画を作れたのも
大ドル箱スター、
市川雷蔵の存在があったからだろう。

若様と恋におちる姫を演じている坪内ミキ子のことが
雷蔵・雷蔵を語る」に書かれていた。

雷蔵の奥さんと坪内は、小学校から高校までの同級生で
奥さんを介して映画の世界に入ったそうだ。
そして、この作品がデビュー作となった。

”家には自分がいないときに遊びに来て
女房と「コシャコシャ」喋っている、
仕事場ではほとんど口をきいたことがない、
どうやら敬遠されているらしい”とあって
笑った。

また、
美人で才女だが、
映画のスクリーンでは小さくまとまりすぎる気がする・・とか
結婚してからよくなってきたとか
テレビではなかなかいいだとか、
映画界の先輩としての指摘も鋭い。

大スター雷蔵の
率直な気持ちを綴った内容で、
この本を片手に雷蔵映画を見るのが
楽しみのひとつになっています。

*映画の中のイイおんな*

坪内ミキ子:雷蔵さんも本の中で書いているように
早稲田大卒の才女。お嬢さんタイプの美人。
おしとやかなお姫様にはぴったりだが
ちょっと面白みに欠けるかも。目元がすっきりとした一重で
日本的な感じがします。

1964年  森一生 監督作品
脚本   笠原良三 原作  五味康祐
撮影 今井ひろし 音楽   斎藤一郎
美術   下河原友雄

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