大島渚の監督第二作目。
冒頭に安保反対のデモが映る。
大学生、清(川津祐介)は
学生運動に参加するわけではなく、勉学に励んでいる様子も無い。
女にも冷めていて、本能のままに生きているようにみえる。
家庭教師先の人妻(色っぽくない)を抱いている時も薄情な態度。
チンピラに絡まれているマコを助けたことから付き合い始めるが、
二人は美人局で小遣いをかせぐことに・・・
マコに桑野みゆき。
清をみつめる真摯な目が美しい。
何も信じていない風の清。
何かを信じたいマコ。
世の中を変えようと学生運動に没頭し挫折した男(渡辺文雄)が
清たちのことを、
「俺たちとは違い、無軌道な行動によって世間に反抗している・・
だが果たしてこの社会に勝てるか?」・・と言う場面がある。
堕胎して眠るマコの傍らで
何かに怒りをぶつけるように林檎を齧る清。
青春を突っ走った二人の末路は・・・!
チンピラの親分(佐藤慶)が、女を階段から突き落とす場面がある。
凄まじい「階段落ち」で、びっくり。
「青春・・・」という題名は鮮烈で痛ましいイメージ。刹那的な美しさがある。
だが、「中年残酷物語」だとコメディに、
「老人残酷物語」だと、
目をおおいたくなる映画になるような気がする、などと
ばかなことを考えたりしました。
川津祐介と桑野みゆきの演技は素晴らしいです。
1960年 大島渚監督作品 松竹
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