邦画ブラボー

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「浮雲」雑感

2005年07月11日 | ★愛!の映画
「浮雲」後遺症に罹っています。

二日酔いの
ずきずきするような頭のような
それでいてまだ酩酊が残っているような
ようするに平常ではない脳の状態である。

血液の中に
なにかが注入され、体をかけめぐっているようでもある。

なぜこんなにあの映画に捕らわれてしまったのか。

どうどう巡りを繰り返しながら
頼りなく
矛盾に満ちて
どこまでも流れていく二人の物語に。

男と逢うといつも
過ぎた日の思い出を語り、
なじり、
甘えるゆき子の声が
エキゾチックなメロディとともに
頭をめぐる。

富岡の背中を丸めた姿、
ずるさやごまかしがあらわに
出た表情や目線も
フラッシュバックのようによみがえる。
薄情な言葉もまた。
そしてラストシーンの後ろ姿は網膜に焼きついて
離れない!!

あの二人の名優
森雅之・高峰秀子によって
林芙美子が書いたこの物語は
はるかな高みにまで引き上げられたのだと思う。

恐るべき、
「麻薬」のような映画である。

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