邦画ブラボー

おすすめ邦画(日本映画)のブログ。アイウエオ順(●印)とジャンル分け(★印)の両方で記事検索可能!歌舞伎、ドラマ感想も。

眠狂四郎「人肌蜘蛛」

2004年09月29日 | ★ぐっとくる時代劇
“雷蔵の前に狂四郎なく、雷蔵の後に狂四郎なし”

色っぽく冷たく、どこまでも鋭く、そして無敵。
田村正和も演ってますが、
そのカリスマ性からいって、やはり市川雷蔵
眠狂四郎にぴったりの役者だと思います。

殺法帖(1963)、勝負(1964)、円月斬り(1964)、
女妖剣(1964)、炎情剣(1965)、魔性剣(1965)、多情剣(1966)、無頼剣(1966)、
無頼控・魔性の肌(1967)、女地獄(1968)、人肌蜘蛛(1968)、悪女狩り(1969)


と、たくさんあるこのシリーズ。

「無頼剣」「炎情剣」「勝負」は、「座頭市」シリーズなどの三隅研次監督で、
このコンビが狂四郎の方向性を位置づけたと思われる。
スピード感溢れる殺陣も素晴らしく、時代劇の醍醐味に酔える作品群だ。

そしてもう一本私のお気に入りは 安田公義 監督作品の「人肌蜘蛛」
悪の限りをつくす狂気の双子兄妹が狂四郎に迫る!

緑魔子演じる色情狂で残虐な「紫」姫(豪華なお部屋も紫)の狂四郎へのねじれた愛。
「私もお前も同様の怪物。お前こそ、私にふさわしい!」
この姫は趣味が毒殺!なんですよ。
倒錯の愛を妹に捧げるサディストの兄(川津祐介)大暴れなど、異常事態連続発生。
エンターテイメント性と猟奇性を兼ね備えた刺激的な作品。

狂四郎といえば円月殺法
不幸な生い立ち、類い稀な美貌。
そして虚無!

台詞のひとつひとつが面白いのでファイルしたくなる。

「そんな眺めには慣れている。他に趣向はないのか」

「雪より綺麗な俺の体に触れようなどとは、無礼千万だぞ」などという、
普通の男が言うと噴くような台詞も
雷蔵の口から出ると納得してしまう。

今秋11月下旬より 雷蔵祭が催されます
シネスィッチ銀座では
『眠狂四郎』シリーズや『大菩薩峠』シリーズ、
出世作『新・平家物語』『薄桜記』『炎上』などが連続上映されます。

主演作のDVDも続々と発売され、
この秋は雷蔵ブームが巻き起こること必至。

■ブログランキング参戦中よろしゅうお頼み申しあげまする!!