スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

向日町記念&決定の背景

2008-09-06 18:46:05 | 競輪
 地元の近畿VS関東という構図になった向日町記念の決勝(動画)は,3日に争われました。
 海老根選手の前受け。その後ろは牽制もあったようですが,稲垣選手が中団で,武田選手が後方からの周回。
 残り2周のホームに入るあたりで武田選手が上昇の構えを見せると,稲垣選手は前との車間を開けて牽制。バックでは武田選手が出て,打鐘では海老根選手を叩いて前に出ましたが,一旦は引いた形になった稲垣選手がかまして先行。ここで,武田選手に接触した神山選手が落車するアクシデントがあり,この影響でかましたのは中沢選手までで,武田選手が4番手に入り,武田選手の後ろに西岡選手。海老根選手は後方になってしまいアウト。バックから武田選手が捲っていったのですが,これはまったくスピードに乗らず,前での争い。結局,直線でも順位は変わらず,逃げ切った稲垣選手が優勝。マークの前田選手が2着で,中沢選手が3着。さらに4着にも西岡選手が入り,近畿勢が完全に上位を独占しました。
 優勝した京都の稲垣裕之選手は昨年12月の伊東温泉記念以来の記念競輪優勝。ここは純粋な地元戦で,それだけに喜びもひとしおであったようです。かましていって当面の相手を封じ,さらに番手の前田選手にも差させなかったのですから強かったといっていいでしょう。さらに上位での活躍を期待している選手のひとりです。

 この反論への反論からも理解できるように,結局のところ,第三部定理二を経験的な側面から正しいということを主張する場合には,人間の精神による自分の身体に対するある決定がある場合に,人間の身体の方が,この決定に反して運動ないしは静止をする場合があるということを説明していくことになります。そしてこれは経験的な側面からの説明であるわけですから,多くの人間が経験するような事柄によって説明できるならば,その分だけ優れた説明であるということができるでしょう。
 ただしこのときに気を付けなければならないのは,この説明が,あくまでもスピノザの哲学に適うような方法でされなければならないということです。このこと自体は,そもそもスピノザが証明している第三部定理二に対する経験的側面からの補強なのですから,当然といえば当然です。そこで問題となってくるのが,人間の精神が自分の身体に対して,ある運動あるいは静止をなすように決定するといわれる場合の,決定の背景にあるものです。
 一般的に考えると,この決定というのは,人間の意志voluntasといえるのではないかと思います。すなわち,人間は自分の意志によって,自分の身体を運動ないしは静止に決定するということです。そこでこのように考えるならば,この決定の背景とは,実は人間の意志の背景と同じであるということになります。ところが,スピノザの哲学では,人間の意志というものが,自由なものであるとは考えられていません。これは第一部定理三二から明らかであるといえます。つまりこの経験的側面からの説明というのは,この定理に反するようなものであってはなりません。よって意志について,少し考えておく必要があるということになります。

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