スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

中山グランドジャンプ&第三部定理九

2010-04-17 19:39:32 | 中央競馬
 来日中の1頭が故障してしまったため,残念ながら日本馬のみの争いとなった第12回中山グランドジャンプ
 テイエムトッパズレが逃げて,これにバトルブレーヴが絡んでいくような展開。注目のふたつの大障害は全馬が無事に飛越。不良馬場でスピードが出にくい状況というのもあったかもしれませんが,取り残された2頭を除けばかなり密集してのレースとなりました。
 2周目の向正面に入るとバトルブレーヴは後退していきメルシーモンサンが2番手に。人気のメルシーエイタイムはこの中間の障害で落馬。さらにオープンガーデンも上昇してきて,前の3頭が後ろを離して直線に。逃げたテイエムトッパズレはすぐに一杯となり,外のオープンガーデンが一旦は先頭に立ったようにも見えましたが,最後は差し返すように内から伸びたメルシーモンサンの優勝。オープンガーデンが2着で,直線では最もよく伸びたトーワベガが3着。
 優勝したメルシーモンサンは障害では未勝利を勝っただけの伏兵。その後のオープンでは苦戦を続けていましたが,どうもスピード能力には劣るものの,スタミナは抜群のものをほこるよう。今日は最長距離のレースの上,5分3秒5と非常に時計が掛かったことも功を奏したのでしょう。JGⅠでは今後も侮れない存在かもしれません。父はアドマイヤベガ,叔父に2004年の中山大障害を勝ったメルシータカオー
 騎乗した高野容輔騎手はこれが初の大レース制覇。管理している武宏平調教師は昨秋の菊花賞以来の大レース優勝。中山大障害は2勝していますが,グランドジャンプの方は初制覇です。

 第三部定理六証明されて理解できたことは,人間の精神mens humanaはそれが現実的に存在する限り,自身の存在に固執する傾向conatusを有するということです。ところで人間の精神,この場合には人間の知性intellectusといった方がいいかもしれませんが,これが現実的に存在する場合には十全な観念と混乱した観念idea inadaequataの両者によって構成されています。そして現時点での考察の対象となっている尿意は自分の身体corpusの状態についての知覚,すなわち表象像imagoであって,これは混乱した観念です。したがってさらに確実を期すためには,上述の事柄が人間がある混乱した観念,特定するなら尿意を形成する場面に注目する限りにおいても妥当するということの確証を得ておく必要があるといえるでしょう。そのために今度は第三部定理九を援用することにします。
 「精神は明瞭判然たる観念を有する限りにおいても,混乱した観念を有する限りにおいても,ある無限定な持続の間,自己の有に固執しようと努め,かつこの自己の努力を意識している」。
 明瞭判然たる観念というのが十全な観念を意味するのは,この文章自体からも,また『エチカ』のその他の箇所におけるこのことばの用いられ方からも明らかです。それから努力というのが,意識的にそうするということではなく,ある傾向を意味することは,この定理Propositioの場合にも同様です。最後にこの努力を意識しているというのは,要するに自己の有に固執する傾向の観念の観念idea ideaeを有している,あるいはそれを有することができるという意味に解釈します。なお,この解釈の妥当性については,この定理のスピノザによる証明Demonstratioから明らかだと僕は思います。したがってこの点については『エチカ』の当該箇所をお読みくださいという以上のことは,まだこの定理を紹介しただけにすぎない現在の段階においてはいえません。

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