スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

女流王位戦&十全な要件

2013-06-17 19:25:06 | 将棋
 タイトルの行方に決着をつける第24期女流王位戦五番勝負第五局。
 ずっと先手が勝ち続けていたので振駒は注目でした。先手を得たのは里見香奈女流王位。甲斐智美女流四段のごきげん中飛車③Bから第一局と同じように進展し,敗れた後手から変化。この近辺は研究合戦であったと推測します。後手も角を打って歩損を解消。先手は9筋,後手は2筋から攻め合う展開になりました。
                         
 ここで先手は▲2四歩と取りました。△2七歩▲同飛△2六歩▲同飛△4五銀で第2図。
                         
 第1図から第2図は一本道としか考えられず,さすがにこの飛車角両取りをうっかりしたということはなかろうと思います。つまり先手としてはこれでやれるとみていたのだろうと思います。ここから▲同歩△2六角▲2三歩成と進み,そこで△4五桂。ことによるとこの手は先手が見落としていたかもしれません。そこで▲6九歩と受けに回っているのは変調に思えるからです。たぶんここで後手が確実なリードを奪い,そのリードを保ったまま終局に至ったのではないでしょうか。
 最終局を制して甲斐四段が第22期以来2期ぶりに通算3期目の女流王位に復位。タイトル戦では負け知らずだった里見女流王位からの奪取ということで,特筆すべきタイトル獲得といえるのではないでしょうか。

 このような考え方をすれば,神の属性の変状あるいは様態化には,絶対的な仕方での変状と,一定の仕方での変状の二種類があり,かつその二種類しかないということになります。なぜならスピノザによる第一部定理二八証明の意味のうちには,もしもある様態が,神の属性の絶対的な仕方での変状から生じることが不可能であるならば,それは一定の仕方で変状した神の属性を原因としなければならないということが含まれているといえるからです。
 そこでこのことを,今度はある知性を組織する諸観念のうちに,Aという様態の観念があるという観点から吟味してみます。するとこの知性は,この様態の原因であるものに関して,この様態が様態化している神の属性が,絶対的な仕方で変状した様態であるか,そうでなければ様態化している神の属性が一定の仕方で変状した様態であると認識することになります。そしてそれは,必ずどちらか一方,すなわち両方ではあり得ずどちらか一方であり,かつ,どちらか一方ではないということもあり得ないということになります。つまりこれは対義語的関係を構成する要件を十全に満たすことになります。よって,絶対的な仕方というのと,一定の仕方というのは,対義語的関係にあるということが帰結することになります。
 もっとも,スピノザ自身が第一部定理二八の論証において,絶対的な仕方というのと一定の仕方というのを,並列的に表記しているというわけではありません。それでも僕としてはこれで十分であると思いますが,このふたつを並列させている部分もありますので,そちらもみておくことにします。というのは,神の属性が様態ないしは様態的変状に変状するというのと,神の属性が様態的変状に様態化するといわれる場合とでは,厳密には意味合いに違いがあるという考えを僕は有しています。第一部定理二八証明は,このどちらのいい方も含まれています。いい換えるなら,厳密には異なった意味合いの事柄がいわれていると考えるべき要素を含んでいると思うのです。現在の考察の観点からは,この意味合いの相違はまったく気にしなくてよいような性質のものですが,気がかりな点となっているのも事実なのです。

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 高松宮記念杯競輪&第一部定... | トップ | 竜王戦展望&絶対的と一定 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

将棋」カテゴリの最新記事